我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)

文字の大きさ
上 下
99 / 103
【我が家の元愛犬】

98.我が家の元愛犬は血筋に恐怖する

しおりを挟む
 リオレスの問いにやっと瞳を開いたラッセルが、静かに答える。

「何故、そのように思われたのですか?」
「それは……私の愚父がお前の母であるレイリア夫人に……」

 そこまで言いかけたリオレスが言葉を詰まらせる。だがラッセルは、そんなリオレスが言い澱んだ続きを全く躊躇せずに口にした。

「父と挙式間近の母が前王オルスト陛下のお手付きとなった際、私を身籠ってしまった事。更にそれ以降、子供を身籠る事が出来なくなり、アーストン家の血が危うく途絶えかけた事を私が恨んでいる……と、お考えでしょうか?」
「………………」

 自身の父親の非道な行いを口にする事を思わず憚ってしまったリオレスに代わり、その続きをラッセルが感情のない冷たい声で淡々と口にする。その内容にリオレスだけでなく、息子であるアルスも眉間にしわを刻みながら、悲痛な表情を浮かべた。

 そんなアルスの顔をフィリアナが心配そうにのぞき込む。するとアルスが『大丈夫だ』という意味を込めて、フィリアナに笑みを返して来たが、それでも酷い罪悪感に苛まれてしまうのだろう……。顔を覗き込んできたフィリアナに救いを求めるようにアルスは、その手を握りしめてきた。

 しかし、そんな罪悪感に苛まれ始めたリートフラム王家の親子を嘲笑うかのようにラッセルが、意地の悪い笑みを浮かべた。

「そんな事で私が自身の人生を賭けてまで、このような大罪を行ったと? そもそも私の母は10年前に病で……。そして父は母の後を追うようにその半年後に亡くなっております。今更、私が両親の恨みを晴らそうなど……無意味です」
「ならば、何故あのような凶行を画策した……」
「分かりませんか? 私が王子殿下方の命を狙い、息子に王位が行くように仕向けた理由……。それはあなた方リートフラム王家が、何百年とかけて守ってきた特殊な力を持つ者が、何の疑問も持たれぬまま王位を継承するという悪しき習わしを終わらせるためですよ」

 そのラッセルの話にその場にいた全員が、怪訝な表情を浮かべる。

「特殊能力というのは……光属性魔法の事か……?」
「ええ。もちろん」
「何を……言っているのだ!? あの力は遥か昔、光の精霊となった初代王妃が我々子孫にこの国を守る為に残した貴重な力だ! それをお前は……この国から無くそうとしていたのか!? 一体、何のために――――っ!」
「亡きお父上の姿を目にして来られたのにお分かりになりませんか?」

 突然、暴君だった父親の事を出されたリオレスは、ラッセルのその意図が分からず苛立つように叫ぶ。

「何故そこで愚父が出てくる!」
「前国王陛下のお話がいい例になるのですよ……。我がリートフラム国の守りの要となっている光属性魔法ですが、必ず第一子にしか受け継がれませんよね?」
「それが何だと言うのだ……。そもそもお前は、それを無理矢理自分の息子に回そうとしていたではないか!!」
「確かに私は、王太子殿下と第二王子殿下のお命を狙い、その力を無理矢理息子に回そうと致しました。ですが、それは私利私欲のためではございません。私が息子の王位継承を望んだのは、このまま王家が光属性魔法に執着し続ける事を息子の代で、断ち切りたかったからです」

「お前……一体何を言っているのだ……?」
「まだお分かり頂けませんか? 私がやろうとした事は、その光属性魔法の存在のせいで第一子が必然的に次期国王になれるという悪習でもある世襲制を無くす事です」
「だが、大概の国では世襲制だろう! 何を今更……」
「そうですね……。ですが、この国での世襲制は特殊です。第一子は光属性魔法という貴重な魔法資質を持って生まれるので、前国王陛下のように二代に渡り子供が一人だった場合、継承権が第二位の親族との血縁関係が薄くなります……。結果、光属性魔法を継承出来る事が確実な人間は囲い込みの為、周囲からはより一層特別に扱われます。たとえ……」

 そこで一度、ラッセルが言葉を溜める。

「それが暴君にしかならない人格破綻者の人間であっても!」

 つい先程まで静かな空気をまとっていたラッセルが突然に感情的に叫んだ事で、室内全体が静まり返る。同時にラッセルの放った言葉に現役の王族であるリオレスとアルスが、後ろめたさからラッセルから視線を逸らした。

「リオレス陛下……。陛下は私が13歳頃に隣国のグランフロイデに留学し、その後帰国した際、やけに私が他人行儀になったと感じられませんでしたか?」
「確かに……お前はあの留学を切っ掛けに内面が少し変わったとは感じたが……」
「私は留学前に父より自身の出生を聞かされました……。そして生まれた頃から成人するまで、自身で外す事が出来なかったこの腕輪についても……」

 そう口にしながらラッセルがその腕輪を外すと、その長く艶やかな黒髪が一瞬で光り輝く銀髪に変わった。その瞬間、室内にいた全員が息を呑む。ラッセルのその姿は、国王リオルスと王弟クレオスを混ぜ合わせたような見た目だったのだ。

「帰国後の私が陛下に対して距離をとるようになったのは、恐れ多い事に殿下と自身が異母兄弟だという事を知ってしまったからです……。同時に母レイリアが、前国王陛下から受けた仕打ちについてもその時、初めて知りました……。ですが、両親は私の前では、けしてその事について恨み言を一切口にしませんでした……。それどころか、母の名誉が傷付けられた証でもある私を実の子のように愛情を注いで育ててくれたのです……」

 そのラッセルの話にリートフラム王家の親子が、何かを堪えるようにギュッと唇を引き締め、俯いてしまう。前宰相バッセムは、5代ほど前からリートフラム王家の宰相を担ってきたアーストン侯爵家の長男で、バッセム自身も宰相としての手腕が素晴らしかったが、その父であるラッセルの祖父もかなり優秀な宰相であった。

 しかし、そんな親子二代で仕える事になった国王二名は、リートフラムの歴史上稀に見る愚王の資質を持つ王だったのだ……。前王オルストに関しては、もはや人格破綻者レベルの暴君である事は有名だが、二代前の妻に毒殺されたオルストの父親もなかなかの愚王であった。そしてその事が決定的になった事件が、先々代の王がまだ王太子であった頃、最初の婚約者であった侯爵令嬢が、当時まだ伯爵令嬢だった先々代王妃の雇った刺客の手に掛かり殺害されてしまった事だ……。挙句の果てに王自身もある夜会で王妃に媚薬を飲まされ、既成事実を作らされての結婚だった。

 そんな愛情など抱けない妻との間には、後に暴君となるオルストしか生まれなかった……。
 そして妻を愛せない王は、自然と他の女性に癒しを求めるようになる。だが、当時王の愛人と囁かれた女性は、皆この残虐性を持つ王妃の毒牙に掛かり、命を落としたと噂されている。それだけオルストの母であった先々代王妃は気性が荒く、息子同様に残虐性の高い女性であったのだ。

 対して先々代国王は温厚と言えば聞こえはいいが、歴代のリートフラム国王の中ではあまりいなかった控え目で、大人しい性格の王だった。特に相手に強く出られると、すぐに承諾してしまう臆病なところもあり、王妃と結婚後は恐妻家としての印象が強い。そんな臆病だった王は、息子に早く王位継がせたかった妻にジワジワと毒を盛られ、病死を偽装されて命を奪われてしまう……。

 そしてそんな王妃に育てられ、その血を濃く受け継いだのが前王オルストである。
 そもそも先々代王妃の実家である伯爵家は、過去に何人もの人格に問題がありそうな人間を輩出していた家でもあった。すなわち、今まで実直に国を治め、国民を守る事が義務だと考える王の多かったリートフラム王家に人格性に問題がある家の女性の血が、先々代王の油断により入ってしまったのだ……。
 そんな過去を持つ王家の現状が、先程ラッセルが口にしている事に繋がってくる。

『そのような人格破綻者の血が入ってしまった王家の血統が、この先ずっと続けば、またオルストのような暴君を輩出してしまう可能性が高い』

 ならば、自身の息子に王位を回し、その息子にこの忌まわしい血族が国を治める事を断ち切らせようというのが、ラッセルの持論なのだろう……。そんなラッセルの今回の動機がやっと見えてきたところで、リオレスは一番懸念していた事をラッセルに確認する。

「お前は……私や息子達を亡き者にし、そして自身の息子に王位を回した後、その息子ごと隣国グランフロイデの高位貴族にこの国を売り飛ばそうとしていたのか……? だからユーベルを隣国に長期留学させていたのか!?」
「ええ。ですが……息子は幼少期に血の繋がらない祖父の仕事ぶりを目にしていた影響で、かなり現在のリートフラム王家に仕える事に熱心な考えを持っておりまして……。隣国への留学は、その考えを改めさせるためでもありました。息子には陛下方が表舞台から去った後、現グランフロイデの王家より第三王女殿下にお輿入れいただき、その後生まれた第一子を隣国の高位貴族の許に婿入りさせる予定でした」

 そのラッセルの言い分にリオレスが怪訝な表情を浮かべる。

「第一子を国外の貴族に婿入りさせる……?」
「そうすれば光属性魔法を持ちながら、先々代王妃殿下の血筋を持つ人間が、この国で王位に就く事はありません。またその能力の恩恵を受けた者が魔力の低い隣国の民と交わり、その血が濃くなれば、精霊からの迷惑な恩恵は最終的には消えしまうはずです」

 そのラッセルの歪んだ持論を聞いたリオレスが、唖然とした表情を浮かべた。

「お前は……何百年も私達、リートフラム王家が守ってきた光属性魔法の力を失わせようとしていたのか!? なんと愚かな……」
「あの力のせいで王になってはいけない人間が、何の疑いも無く統治者に祭り上げられるのです! たとえ、どんなに優秀な人物を輩出している血筋といっても、その血縁のみでは次世代には繋げてはいけません……。それに王族ともなれば、私利私欲に執着する野心の化け物のような人間が群がりやすい……。精霊から受けたその恩恵の力を守る事ばかりが優先され、王としての器を持っているかの見極めが蔑ろにされ続けているのが、この国の現状なのです!」

 さも正論を口にしているようなラッセルの言い分にリオレスが反論する。

「お前のその持論は、かなり偏った考え方だ! その考えでは、私はどうなる!? 現状この国で最も暴君オルストの血を濃く受け継いでいるのは私だ! だが私は、あの愚父を反面教師として見て育った為、あのような愚行に走るつもりなど一切ない! そしてその様に自身を律する事が出来たのは、若くして亡き者にされた母が導いてくれたからだ! それは私に似ていると言われているそこのアルフレイスにも言える事だ。アルは……お前のせいで、誰よりも命の重みや生きる事への執着を痛感しながら、この14年間必死で生き延びてきたのだ! それをお前は、暴君の資質を持つ人間だと決めつけるつもりか! 人は育った環境だけでなく、自身を高める為にどれだけ努力出来るかで、愚者にも賢者にもなる性質を持っている……。血筋など関係ない!」

 苛立ちながらも何とか理知的に反論したリオレスだが、次のラッセルの言葉でその冷静さは全て吹き飛ぶ。

「では前国王陛下の場合は、どうなのですか!? 先々代王妃のような人間の血が王家に入った事で、あたなのお父上のような暴君が誕生したのではないのですか!? そしてその血の特徴は、すでに陛下とアルフレイス殿下という三代にまで、色濃く出ているではありませんか!!」

 そのラッセルの言葉にフィリアナと手を繋いでいたアルスが、ビクリと体を強張らせる。それは、ずっとアルスが自身に流れる血にあるかもしれないと懸念し、恐れていた可能性なのだ……。

 そんなアルスの考えを払拭しようとフィリアナは、繋いでいた手を強く握りしめる。すると、アルスが今にも泣き出しそうな表情をフィリアナに向けてきた。
 だが、そんなアルスを深く傷つけたラッセルの言葉は、ついに国王リオレスの逆鱗に触れる。

「貴様ぁぁぁぁぁー!! 私の息子を愚弄するつもりかぁぁぁぁぁー!!」

 そう叫んだリオレスは、目の前のテーブルに片手をついて勢いよく乗り越え、毅然とした態度を貫いているラッセルの胸倉を先程もよりも乱暴に掴みかかり、全力で殴りつけようとした。

 しかし、そのタイミングで会議室の扉が、大きな音を立てて盛大に開かれる。そして、その扉を開けた人物にラッセルの目が釘付けとなった。

「父上のお話には致命的な矛盾点がございます……。もし暴君の血筋を絶やす事が最善の策だと主張するのであれば、父上はもちろん、私と妹も早々に命を絶つべきではありませんか? お忘れかもしれませんが、我々にも父上のおっしゃる残虐性が高い前国王陛下の血が流れているのでしょう?」

 射貫くようにラッセルを見据えた青年は、襟足がきれいに切りそろえられた艶やかな銀髪をサラリとなびかせ、ゆっくりと室内に足を踏み入れる。

「ユーベル……。何故、ここに……」

 すると、その後から絹糸のような銀髪をハーフアップにし、真っ青な顔色で淡い水色の大きな瞳に涙をためている少女と、二人をここまで案内して来たと思われるクリストファーが続いて入室して来た。

「伯父上……。遅くなりましたが、隣国に留学されていたユーベル侯爵令息とライリア侯爵令嬢が、やっと帰到着されたので、こちらにお連れいたしました」

 そのクリストファーの宣言で、ラッセルは顔から一気に血の気が引いた。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの

つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。 隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

処理中です...