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【我が家の元愛犬】
61.我が家の元愛犬は童心を忘れない①
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地下道の先が気になった三人は、その先に何があるのか確認する為、先程までパルマンがもたれかかっていた壁の魔法錠を解錠し、更に奥へと進み始める。
しかし、その先はずっと通路が続くのみだった。
どうやら今までの魔法錠が設置されていた扉のような壁は、元々は一直線に続く通路にパルマンが侵入者除けの対策として、後付けした物のようだ。パルマンにしてみれば、10個以上もの魔法錠を解錠してくる猛者など、自分以外には存在しないと自負していたのだろう。
だが世の中には、規格外な魔力を持つ人間が存在する……。
今回は、たまたまそういう人間がパルマンと同じ雷属性の魔法が使える聖魔獣と契約していた為、この地下道は簡単に攻略されてしまったのだ。パルマンにとっては、本当に運がなかったという状況である。
そんな事など微塵も気に留めていない規格外な高魔力保持者のアルスは、うんざりしていた魔法錠の解錠から解放され、レイと共にご機嫌な様子でサクサクと通路を突き進む。すると、10分程進んだあたりで、先程とは全く違う作りの年季の入った彫刻の施された石造りの扉が見えてきた。
「どうやら、これは初めから地下道に存在していた扉みたいだな……」
「でも何だか重そうだよ? 私達で開けられるかな……」
「俺とロアの二人がかりで押し開ければ平気だろう? いざとなったら俺が魔法で吹き飛ばす!」
「アルス……それはやめておこうな。ここは一応、歴代の王族が使っていたかもしれない通路なんだぞ? そんな事をしたら歴史学者達から、お前に非難が殺到するからな?」
そんな会話をしながら扉に近づいた三人だが……。
またしてもお馴染みな物を見つけてしまい、ほぼ同時に盛大なため息をつく。
「また魔法錠か……」
「と言う事は……この中にはパルマン殿の私物が置いてある可能性が高いな」
「あいつ、よく研究予算を多めに申請して、勝手に自分の作りたい魔道具を作っていたから、そういう物をここに隠しているのではないか?」
「どちらにしても確認しておいた方がいいかもな。もしかしたら、パルマン殿の出生ルーツに関する記録などもここに隠しているかもしれないし……」
そう言ってロアルドがレイに視線を向けると、それを察したレイが解錠に取り掛かる。すでに15個以上の魔法錠を解錠しているレイだが、膨大な魔力持ちのアルスのお陰で全く疲れた様子はない。そんな魔力提供者のアルスだが、先程からブツブツとパルマンに対しての不満を口にしていた。
「パルマンの奴……今まで他の魔道具の研究予算を使って、全く関係ない魔法錠を15個以上も量産していたのか……。これは確実に予算流用の不正行為だ! もし今回の黒幕でなかったとしても徹底的に絞り上げてやる!」
「アルス……お前、よっぽど幼少期にパルマン殿に付きまとわれた事が嫌だったんだな……」
「当たり前だ! 人が排泄をしている時にまで扉をドンドンと叩いて、外から話しかけてくるような奴だぞ!? 出る物も出なくなる!」
「分かった、分かった。フィーもいるんだから、そういう品のない思い出話はまた今度な……っと。どうやらレイが扉を解錠してくれたみたいだぞ?」
ロアルドの言葉で真っ先に扉に向かったアルスは、仕事をきっちりこなし誇らしげな顔をしているレイの頭を労うように撫でてから、重そうな石作りの扉を両手で奥に押しやった。すると、意外にも扉はすんなりと開き、アルスがいち早くその部屋の中に足を踏み入れる。しかし入室したアルスは、初めてパルマンの部屋に入った時と同じような反応をした。
「だからあいつは……。何で部屋を片付けるという事をしないんだ!」
アルスの後に続いたロアルドとフィリアナも部屋に入るなり、同じ反応をする。何故ならば、この部屋もパルマンの私室と同じように様々な魔道具や魔法書、そして書類が散乱していたのだ……。
その惨状を目にしたフィリアナが遠慮がちに呟く。
「パルマン様は……片付けが苦手なのかな?」
「いや、苦手というよりもそういう概念がないんじゃないのか? ほら、この辺なんかは、やりかけのまま放置している感じだぞ? あっ、これ懐かしい。一昔前の魔力増幅ピアスだ」
「兄様! 見て見て! 属性魔法を調べる時に使う水晶! こんな物もあるよ!」
そう言ってフィリアナが水晶にペタリと手を置くと、水晶が水属性の反応である淡い水色の光を放つ。
「フィー……。遊びに来ているわけじゃないんだぞ?」
「だってこの水晶、子供の頃に触ったきりだったから懐かしくて、つい!」
そう言って何度も水晶に触れては、また手を離す事をフィリアナが繰り返していると、その手元をアルスが珍しそうにジッと見つめてきた。そんなアルスの様子に気付いたフィリアナが、不思議そうな表情を浮かべる。
「アルス、どうしたの?」
「いや……。こんな水晶、初めて目にしたから珍しくて……」
「「ええっ!?」」
そのアルスの反応にフィリアナとロアルドが同時に驚きの声をあげる。
「アルス、もしかして魔法能力検査を受けた事がないの!?」
「嘘だろ? この国の人間なら6歳になったら必ずやらされるんだぞ? 何でアルスは受けていないんだ?」
「あー、いや。多分やった事はあるとは思うんだが……。まだ赤ん坊の頃だったから、俺が覚えていないだけだ」
「「赤ん坊の頃?」」
アルスの返答を聞いた二人が、怪訝そうに眉間に眉を寄せる。
すると、アルスがその理由を説明し始めた。
「俺達、直系の王族は生まれてすぐに属性魔法が何なのか確認されるんだ」
「それは……二属性持ちだから?」
「いや、一番の理由は本当に王家の血を引いているかの確認だな。王妃の産んだ子供が王家特有の二属性持ちでないと、別の男と子を成した事になるから」
「あー……」
「なるほど……」
今の話では、もしこの国の王に嫁いだ女性が不貞を働いた場合、生まれてきた子供の持つ属性魔法から、その事がすぐに発覚してしまうという事だ。逆に本人の意思とは関係なく、国王以外の男性に襲われた挙句、その男の子を身籠ってしまうという事態も懸念しなければならない。その為、王太子の婚約者となった女性は、その後ずっと王家の影より過剰な程の警護を受ける事となる。
現状、王太子であるセルクレイスの婚約者のルゼリアにも多くの影が護衛として付いている。しかしルゼリアの場合、彼女自身が凄腕の魔法剣の使い手である為、襲撃を企む頭の悪い輩は出没していないようだ。それどころか、婚約者である王太子の方が命を狙われている状況なので、彼女がセルクレイスの護衛のような存在にもなってしまっている。
だが、王族が生まれてすぐに属性魔法を確認される理由は、まだあるらしい。
その続きを更にアルスが語り出す。
「それと第一子が、ちゃんと光属性魔法を持って生まれてきたかの確認もある。もしそうでなかった場合、国王が王妃よりも先に別の女性に自分の子供を産ませた事になるから、今度は国王の方に不貞を犯した疑いが出てくる。しかも光属性魔法はその子供に受け継がれない為、何としてもその子供を探し出し、王位を継がせなけれなならない」
「過去にそういう事ってあったの?」
「いや、流石に第一子ではなかったが……現状、似たような状況に陥っているだろう? なんせ祖父である前王が無駄に子種をまき散らしてくれた所為で、孫の俺と兄上は命を狙われているのだから……」
「た、確かに……」
王妃同様、国王側もホイホイと子種を撒き散らす事が出来ないのが、このリートフラム王家である。国王が節操のない人間だと、現状のように先王オルストが本能のまま子種を撒き散らした事で、孫であるセルクレイスとアルスが王位継承権を持つ祖父の隠し子から、無駄に命を狙われるという状況を招いてしまっている。
「あと第二子以降に関しては、闇属性持ちでないか早急に確認する為に行っている」
そのアルスの話にフィリアナが首を傾げた。
しかし、その先はずっと通路が続くのみだった。
どうやら今までの魔法錠が設置されていた扉のような壁は、元々は一直線に続く通路にパルマンが侵入者除けの対策として、後付けした物のようだ。パルマンにしてみれば、10個以上もの魔法錠を解錠してくる猛者など、自分以外には存在しないと自負していたのだろう。
だが世の中には、規格外な魔力を持つ人間が存在する……。
今回は、たまたまそういう人間がパルマンと同じ雷属性の魔法が使える聖魔獣と契約していた為、この地下道は簡単に攻略されてしまったのだ。パルマンにとっては、本当に運がなかったという状況である。
そんな事など微塵も気に留めていない規格外な高魔力保持者のアルスは、うんざりしていた魔法錠の解錠から解放され、レイと共にご機嫌な様子でサクサクと通路を突き進む。すると、10分程進んだあたりで、先程とは全く違う作りの年季の入った彫刻の施された石造りの扉が見えてきた。
「どうやら、これは初めから地下道に存在していた扉みたいだな……」
「でも何だか重そうだよ? 私達で開けられるかな……」
「俺とロアの二人がかりで押し開ければ平気だろう? いざとなったら俺が魔法で吹き飛ばす!」
「アルス……それはやめておこうな。ここは一応、歴代の王族が使っていたかもしれない通路なんだぞ? そんな事をしたら歴史学者達から、お前に非難が殺到するからな?」
そんな会話をしながら扉に近づいた三人だが……。
またしてもお馴染みな物を見つけてしまい、ほぼ同時に盛大なため息をつく。
「また魔法錠か……」
「と言う事は……この中にはパルマン殿の私物が置いてある可能性が高いな」
「あいつ、よく研究予算を多めに申請して、勝手に自分の作りたい魔道具を作っていたから、そういう物をここに隠しているのではないか?」
「どちらにしても確認しておいた方がいいかもな。もしかしたら、パルマン殿の出生ルーツに関する記録などもここに隠しているかもしれないし……」
そう言ってロアルドがレイに視線を向けると、それを察したレイが解錠に取り掛かる。すでに15個以上の魔法錠を解錠しているレイだが、膨大な魔力持ちのアルスのお陰で全く疲れた様子はない。そんな魔力提供者のアルスだが、先程からブツブツとパルマンに対しての不満を口にしていた。
「パルマンの奴……今まで他の魔道具の研究予算を使って、全く関係ない魔法錠を15個以上も量産していたのか……。これは確実に予算流用の不正行為だ! もし今回の黒幕でなかったとしても徹底的に絞り上げてやる!」
「アルス……お前、よっぽど幼少期にパルマン殿に付きまとわれた事が嫌だったんだな……」
「当たり前だ! 人が排泄をしている時にまで扉をドンドンと叩いて、外から話しかけてくるような奴だぞ!? 出る物も出なくなる!」
「分かった、分かった。フィーもいるんだから、そういう品のない思い出話はまた今度な……っと。どうやらレイが扉を解錠してくれたみたいだぞ?」
ロアルドの言葉で真っ先に扉に向かったアルスは、仕事をきっちりこなし誇らしげな顔をしているレイの頭を労うように撫でてから、重そうな石作りの扉を両手で奥に押しやった。すると、意外にも扉はすんなりと開き、アルスがいち早くその部屋の中に足を踏み入れる。しかし入室したアルスは、初めてパルマンの部屋に入った時と同じような反応をした。
「だからあいつは……。何で部屋を片付けるという事をしないんだ!」
アルスの後に続いたロアルドとフィリアナも部屋に入るなり、同じ反応をする。何故ならば、この部屋もパルマンの私室と同じように様々な魔道具や魔法書、そして書類が散乱していたのだ……。
その惨状を目にしたフィリアナが遠慮がちに呟く。
「パルマン様は……片付けが苦手なのかな?」
「いや、苦手というよりもそういう概念がないんじゃないのか? ほら、この辺なんかは、やりかけのまま放置している感じだぞ? あっ、これ懐かしい。一昔前の魔力増幅ピアスだ」
「兄様! 見て見て! 属性魔法を調べる時に使う水晶! こんな物もあるよ!」
そう言ってフィリアナが水晶にペタリと手を置くと、水晶が水属性の反応である淡い水色の光を放つ。
「フィー……。遊びに来ているわけじゃないんだぞ?」
「だってこの水晶、子供の頃に触ったきりだったから懐かしくて、つい!」
そう言って何度も水晶に触れては、また手を離す事をフィリアナが繰り返していると、その手元をアルスが珍しそうにジッと見つめてきた。そんなアルスの様子に気付いたフィリアナが、不思議そうな表情を浮かべる。
「アルス、どうしたの?」
「いや……。こんな水晶、初めて目にしたから珍しくて……」
「「ええっ!?」」
そのアルスの反応にフィリアナとロアルドが同時に驚きの声をあげる。
「アルス、もしかして魔法能力検査を受けた事がないの!?」
「嘘だろ? この国の人間なら6歳になったら必ずやらされるんだぞ? 何でアルスは受けていないんだ?」
「あー、いや。多分やった事はあるとは思うんだが……。まだ赤ん坊の頃だったから、俺が覚えていないだけだ」
「「赤ん坊の頃?」」
アルスの返答を聞いた二人が、怪訝そうに眉間に眉を寄せる。
すると、アルスがその理由を説明し始めた。
「俺達、直系の王族は生まれてすぐに属性魔法が何なのか確認されるんだ」
「それは……二属性持ちだから?」
「いや、一番の理由は本当に王家の血を引いているかの確認だな。王妃の産んだ子供が王家特有の二属性持ちでないと、別の男と子を成した事になるから」
「あー……」
「なるほど……」
今の話では、もしこの国の王に嫁いだ女性が不貞を働いた場合、生まれてきた子供の持つ属性魔法から、その事がすぐに発覚してしまうという事だ。逆に本人の意思とは関係なく、国王以外の男性に襲われた挙句、その男の子を身籠ってしまうという事態も懸念しなければならない。その為、王太子の婚約者となった女性は、その後ずっと王家の影より過剰な程の警護を受ける事となる。
現状、王太子であるセルクレイスの婚約者のルゼリアにも多くの影が護衛として付いている。しかしルゼリアの場合、彼女自身が凄腕の魔法剣の使い手である為、襲撃を企む頭の悪い輩は出没していないようだ。それどころか、婚約者である王太子の方が命を狙われている状況なので、彼女がセルクレイスの護衛のような存在にもなってしまっている。
だが、王族が生まれてすぐに属性魔法を確認される理由は、まだあるらしい。
その続きを更にアルスが語り出す。
「それと第一子が、ちゃんと光属性魔法を持って生まれてきたかの確認もある。もしそうでなかった場合、国王が王妃よりも先に別の女性に自分の子供を産ませた事になるから、今度は国王の方に不貞を犯した疑いが出てくる。しかも光属性魔法はその子供に受け継がれない為、何としてもその子供を探し出し、王位を継がせなけれなならない」
「過去にそういう事ってあったの?」
「いや、流石に第一子ではなかったが……現状、似たような状況に陥っているだろう? なんせ祖父である前王が無駄に子種をまき散らしてくれた所為で、孫の俺と兄上は命を狙われているのだから……」
「た、確かに……」
王妃同様、国王側もホイホイと子種を撒き散らす事が出来ないのが、このリートフラム王家である。国王が節操のない人間だと、現状のように先王オルストが本能のまま子種を撒き散らした事で、孫であるセルクレイスとアルスが王位継承権を持つ祖父の隠し子から、無駄に命を狙われるという状況を招いてしまっている。
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○○○
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