16 / 48
16.風の精霊王
しおりを挟む
エリアテールのいるバルコニーに続く階段を今にも倒れそうな状態で、イクレイオスは少しずつ歩みを進めていた。
ここは風呼びの儀を行う為の専用のバルコニーの為、基本的に王族とイクレイオスが許可した人間しか入れない場所だ。その為、人の出入りが殆どなく、フラフラな状態のイクレイオスを気遣う人間もいない……。
バルコニーは城の左側一部の飛び出た屋上スペースのような場所で、小ぢんまりとした屋上庭園というくらいの広さはある。
そこに行くまでには、城内の一番左にある螺旋状の専用階段をワンフロア分登らなければならない。
普段なら苦も無く登れるその階段をイクレイオスは、ところどころ休みながら必死で登った。
その間、等間隔で現れる吹き抜けの窓からは、城内の一般公開されている庭園が一望出来た。今はその窓からエリアテールの歌を聞く為、庭園に出ている使用人達の姿が数多く確認出来る。
イクレイオスにとっては、自分に制裁を下すようなエリアテールの歌声でも他の者達にとっては、いつも通りの安らぎを与えてくれる癒しの歌に聴こえているらしい。皆、その歌声に聴き入り、作業を一時中断している。
しかしイクレイオスにとっては、歌声に近づけば近づく程、頭が割れそうな激痛が悪化した。
エリアテールの歌声は、今のイクレイオスにとって心臓にナイフを突き立てられている様なものだ。
その優しく紡がれる歌詞全てが、イクレイオスの心を抉り、その澄んだ美しい歌声に乗った想いは、イクレイオスに大きな消失感を与える。
エリアテールがその歌を歌う程、イクレイオスの中で何かが壊れてゆくのだ……。
そしてその壊れた破片を必死で拾い集めようとする想いが、頭の隅でずっと蓋のような物に閉じ込められていた場所から溢れ出す。
蓋から溢れ出たその想いは、愛おしい気持ちと重度なまでの独占欲だ。それらは、まるで霞のように跡形もなくマリアンヌに抱いていた想いを一瞬で消し去った。
しかし想いを押さえ付けていた蓋は、まだそれらを閉じ込めようとする。その押さえ付けに抗えば抗う程、頭痛は耐え難い痛みを伴い、イクレイオスは何度も気を失いかけた。
やっとバルコニーに出る為の扉の前に到着したイクレイオスは、力を振り絞るように勢いよく扉を開け放った。その衝撃で、扉は大きな音をバルコニー中に響かせる。
その音に驚いたエリアテールが振り返った為、先程まで聴こえていた美しい歌が、一瞬で止んだ。
するとイクレイオスが痛みのせいで、膝からその場に崩れ落ちる。
「イクレイオス様っ!?」
その状況に気付き、悲痛な叫びを声を上げながら駆け寄ってくるエリアテールの気配を感じたイクレイオスが、何とか顔を上げた。
「ど、どうされたのですっ!?」
イクレイオスの元に着くなり、滑り込むように膝を付いたエリアテールは、激痛で涙まで溜めながら、うずくまっているイクレイオスの姿に驚いた。
そして思わず両手を伸ばして、イクレイオスの体を支えようとした。その手が何故か救いの様に見えたイクレイオスは、まるで懇願するように目を見開き、すがるような視線を送ってしまった。
しかしエリアテールの両手は、何故かイクレイオスに触れる直前でピタリと止まり、怯えた様にすぐ引っ込められてしまう。
そして立ち上がり、踵を返すように先程イクレイオスが開け放った扉の方へと足を向けた。
「誰か……誰か人を呼んで参ります!」
そう叫び、扉の方に駆け出そうとしたエリアテールだが、いきなり左腕をイクレイオスに服の袖ごと強く引っ張られてしまい、再び膝を付いてしまう。
「呼ば……なくて、いい……。少し……すれば……治ま、る……」
「ですが! その苦しみ方は明らかに普通ではございません! 早く人を……」
そう言って再び立ち上がろうとするエリアテールの左腕にイクレイオスが、更に強い力でしがみつく様に掴んできた為、立ち上がる事は出来なかった。
「お願いです! どうかお手をお放しくださいませ! すぐに救護の者を呼んでまいりますので!」
エリアテールが必死に説得するが、イクレイオスは放すどころか、ますます左腕に絡みつく。
その状況に途方に暮れ始めたエリアテールは、せめてどこか休める場所にイクレイオスを移動させようと、辺りを見渡した。
たが次の瞬間――――。
急に聞きなれない声がエリアテールの耳に入ってくる。
「先程の慈しむような素晴らしき歌は、もう終わりか?」
いきなり後方から男性に声を掛けられ、エリアテールは慌てて振り返る。
そこには以前、エリアテールに精霊大戦終歌を歌わせた上位精霊が立っていた。
「あなた様は……いつぞやの……」
イクレイオスにしがみつかれ、膝を付いたままの状態のエリアテールを見て、上位精霊は苦笑する。
「なんだ王太子……。そなた、ずいぶんと情けない有り様をしているな」
あざけ笑うようにイクレイオスにそう告げる風の上位精霊は、何故か楽しそうな様子を見せる。
流石にこの国の王太子を前にして、この精霊の態度はまずいと感じたエリアテールは、その上位精霊を咎めようと口を開きかけた。
しかしそれは、しがみついているイクレイオスに腕を引っ張られ、制止されてしまう。
その事にエリアテールが驚いていると、イクレイオスは更に驚くとような接し方を上位精霊相手にし始める。
「大変……見苦しい、姿をお見せして…しまい、申し訳……ござい、ません……」
一介の上位精霊に対して、絞り出す様に敬語で話しかけるイクレイオスに、エリアテールが更に目を丸くする。
「どう……か、お許し、くだ……さい…。風の……精霊王、様……」
次の瞬間、エリアテールの顔色は一気に血の気を引き、真っ青になった。
そんなエリアテールを面白そうに眺めながら、元上位精霊こと風の精霊王は一言告げる。
「風巫女よ、我は一度もそなたに『上位精霊』とは、名乗った覚えはないが?」
「もも……も、申し訳ございません! 知らぬとはいえ、数々のご無礼を……!」
今にも土下座するような勢いで非礼を詫びようとしたエリアテールだが、未だにイクレイオスが腕にしがみついているので、思う様に身動きが取れない。
その様子に風の精霊王が、くつくつと笑い出す。
「構わぬ。今日の我は、かなり気分が良い。許そう。しかし……」
そう言いかけて、精霊王はイクレイオスをチラリと見やる。
「王太子よ、そなた随分面白い事になっているな?」
「え……?」
精霊王のその言葉に思わずエリアテールは、イクレイオスに視線を向けた。
すると精霊王は、更に言葉を続ける。
「その呪い、どこで受けたモノだ? ああ、分かるはずなどないか。先程まで自身が呪いを受けている事さえ、気づいておらぬようだったからな」
「の、呪いですかっ!?」
それを聞いたエリアテールが、素っ頓狂な声をあげる。
「やは、り……呪い、か……」
「イクレイオス様……? もしや以前から気づかれていたのですか……?」
「気づいた……のは、先程、だ……」
そのイクレイオスの言葉に精霊王が目を細め、意地の悪そうな笑みを浮かべる。
「先ほどの風巫女の歌の助けで、自力で呪いを半分のみ解いたようだな……。しかし、呪いから解放されたのは意識のみだ。潜在意識が呪いに抗う度に発生していた症状は、まだ解呪されていない。それがその酷い頭痛だ。意識のみ解呪された今のそなたは、常に呪いに抗う状態となっている」
「そ、それでは……呪いを完全に解かない限り、イクレイオス様はこの様に酷い痛みにずっと苦しむという事ですか!?」
「そういう事になるな」
「そ、そんな……」
ケロリとした表情で返答してきた精霊王の言葉にエリアテールの顔は、ますます真っ青になる。
そしてエリアテールにしがみつく様に左腕を掴んでいるイクレイオスの方へ恐る恐る目をやった。
イクレイオスは、激しい痛みの所為で奥歯をガタガタ言わせ、眉間に深いシワを作り、よく見ると目じりには涙が溜まっていた。
自身では体を支えられないのか、しがみついているエリアテールの左腕にもたれ掛るように肩口辺りに頭を埋め、激しい頭痛に耐えている。
あまりにも辛そうなイクレイオスの状態にエリアテールの瞳にもジワリと涙が溜まり出す。そんなエリアテールを見た精霊王は、小さくため息をついた。
「風巫女よ。その呪い、我が解呪してやってもいいが?」
その言葉にエリアテールは、涙目のまま懇願するように精霊王に視線を向ける。
「ほ、本当で……ございますか……?」
「ああ。だが条件がある。それもそなたら二人に対し、それぞれの条件が……」
そこまで言いかけた精霊王は、何故か何かを悪だくみをするようにニヤリと口角を上げた。
「その条件を呑むと言うのであれば、その間抜けな王太子の呪いを解いてやろう」
ここは風呼びの儀を行う為の専用のバルコニーの為、基本的に王族とイクレイオスが許可した人間しか入れない場所だ。その為、人の出入りが殆どなく、フラフラな状態のイクレイオスを気遣う人間もいない……。
バルコニーは城の左側一部の飛び出た屋上スペースのような場所で、小ぢんまりとした屋上庭園というくらいの広さはある。
そこに行くまでには、城内の一番左にある螺旋状の専用階段をワンフロア分登らなければならない。
普段なら苦も無く登れるその階段をイクレイオスは、ところどころ休みながら必死で登った。
その間、等間隔で現れる吹き抜けの窓からは、城内の一般公開されている庭園が一望出来た。今はその窓からエリアテールの歌を聞く為、庭園に出ている使用人達の姿が数多く確認出来る。
イクレイオスにとっては、自分に制裁を下すようなエリアテールの歌声でも他の者達にとっては、いつも通りの安らぎを与えてくれる癒しの歌に聴こえているらしい。皆、その歌声に聴き入り、作業を一時中断している。
しかしイクレイオスにとっては、歌声に近づけば近づく程、頭が割れそうな激痛が悪化した。
エリアテールの歌声は、今のイクレイオスにとって心臓にナイフを突き立てられている様なものだ。
その優しく紡がれる歌詞全てが、イクレイオスの心を抉り、その澄んだ美しい歌声に乗った想いは、イクレイオスに大きな消失感を与える。
エリアテールがその歌を歌う程、イクレイオスの中で何かが壊れてゆくのだ……。
そしてその壊れた破片を必死で拾い集めようとする想いが、頭の隅でずっと蓋のような物に閉じ込められていた場所から溢れ出す。
蓋から溢れ出たその想いは、愛おしい気持ちと重度なまでの独占欲だ。それらは、まるで霞のように跡形もなくマリアンヌに抱いていた想いを一瞬で消し去った。
しかし想いを押さえ付けていた蓋は、まだそれらを閉じ込めようとする。その押さえ付けに抗えば抗う程、頭痛は耐え難い痛みを伴い、イクレイオスは何度も気を失いかけた。
やっとバルコニーに出る為の扉の前に到着したイクレイオスは、力を振り絞るように勢いよく扉を開け放った。その衝撃で、扉は大きな音をバルコニー中に響かせる。
その音に驚いたエリアテールが振り返った為、先程まで聴こえていた美しい歌が、一瞬で止んだ。
するとイクレイオスが痛みのせいで、膝からその場に崩れ落ちる。
「イクレイオス様っ!?」
その状況に気付き、悲痛な叫びを声を上げながら駆け寄ってくるエリアテールの気配を感じたイクレイオスが、何とか顔を上げた。
「ど、どうされたのですっ!?」
イクレイオスの元に着くなり、滑り込むように膝を付いたエリアテールは、激痛で涙まで溜めながら、うずくまっているイクレイオスの姿に驚いた。
そして思わず両手を伸ばして、イクレイオスの体を支えようとした。その手が何故か救いの様に見えたイクレイオスは、まるで懇願するように目を見開き、すがるような視線を送ってしまった。
しかしエリアテールの両手は、何故かイクレイオスに触れる直前でピタリと止まり、怯えた様にすぐ引っ込められてしまう。
そして立ち上がり、踵を返すように先程イクレイオスが開け放った扉の方へと足を向けた。
「誰か……誰か人を呼んで参ります!」
そう叫び、扉の方に駆け出そうとしたエリアテールだが、いきなり左腕をイクレイオスに服の袖ごと強く引っ張られてしまい、再び膝を付いてしまう。
「呼ば……なくて、いい……。少し……すれば……治ま、る……」
「ですが! その苦しみ方は明らかに普通ではございません! 早く人を……」
そう言って再び立ち上がろうとするエリアテールの左腕にイクレイオスが、更に強い力でしがみつく様に掴んできた為、立ち上がる事は出来なかった。
「お願いです! どうかお手をお放しくださいませ! すぐに救護の者を呼んでまいりますので!」
エリアテールが必死に説得するが、イクレイオスは放すどころか、ますます左腕に絡みつく。
その状況に途方に暮れ始めたエリアテールは、せめてどこか休める場所にイクレイオスを移動させようと、辺りを見渡した。
たが次の瞬間――――。
急に聞きなれない声がエリアテールの耳に入ってくる。
「先程の慈しむような素晴らしき歌は、もう終わりか?」
いきなり後方から男性に声を掛けられ、エリアテールは慌てて振り返る。
そこには以前、エリアテールに精霊大戦終歌を歌わせた上位精霊が立っていた。
「あなた様は……いつぞやの……」
イクレイオスにしがみつかれ、膝を付いたままの状態のエリアテールを見て、上位精霊は苦笑する。
「なんだ王太子……。そなた、ずいぶんと情けない有り様をしているな」
あざけ笑うようにイクレイオスにそう告げる風の上位精霊は、何故か楽しそうな様子を見せる。
流石にこの国の王太子を前にして、この精霊の態度はまずいと感じたエリアテールは、その上位精霊を咎めようと口を開きかけた。
しかしそれは、しがみついているイクレイオスに腕を引っ張られ、制止されてしまう。
その事にエリアテールが驚いていると、イクレイオスは更に驚くとような接し方を上位精霊相手にし始める。
「大変……見苦しい、姿をお見せして…しまい、申し訳……ござい、ません……」
一介の上位精霊に対して、絞り出す様に敬語で話しかけるイクレイオスに、エリアテールが更に目を丸くする。
「どう……か、お許し、くだ……さい…。風の……精霊王、様……」
次の瞬間、エリアテールの顔色は一気に血の気を引き、真っ青になった。
そんなエリアテールを面白そうに眺めながら、元上位精霊こと風の精霊王は一言告げる。
「風巫女よ、我は一度もそなたに『上位精霊』とは、名乗った覚えはないが?」
「もも……も、申し訳ございません! 知らぬとはいえ、数々のご無礼を……!」
今にも土下座するような勢いで非礼を詫びようとしたエリアテールだが、未だにイクレイオスが腕にしがみついているので、思う様に身動きが取れない。
その様子に風の精霊王が、くつくつと笑い出す。
「構わぬ。今日の我は、かなり気分が良い。許そう。しかし……」
そう言いかけて、精霊王はイクレイオスをチラリと見やる。
「王太子よ、そなた随分面白い事になっているな?」
「え……?」
精霊王のその言葉に思わずエリアテールは、イクレイオスに視線を向けた。
すると精霊王は、更に言葉を続ける。
「その呪い、どこで受けたモノだ? ああ、分かるはずなどないか。先程まで自身が呪いを受けている事さえ、気づいておらぬようだったからな」
「の、呪いですかっ!?」
それを聞いたエリアテールが、素っ頓狂な声をあげる。
「やは、り……呪い、か……」
「イクレイオス様……? もしや以前から気づかれていたのですか……?」
「気づいた……のは、先程、だ……」
そのイクレイオスの言葉に精霊王が目を細め、意地の悪そうな笑みを浮かべる。
「先ほどの風巫女の歌の助けで、自力で呪いを半分のみ解いたようだな……。しかし、呪いから解放されたのは意識のみだ。潜在意識が呪いに抗う度に発生していた症状は、まだ解呪されていない。それがその酷い頭痛だ。意識のみ解呪された今のそなたは、常に呪いに抗う状態となっている」
「そ、それでは……呪いを完全に解かない限り、イクレイオス様はこの様に酷い痛みにずっと苦しむという事ですか!?」
「そういう事になるな」
「そ、そんな……」
ケロリとした表情で返答してきた精霊王の言葉にエリアテールの顔は、ますます真っ青になる。
そしてエリアテールにしがみつく様に左腕を掴んでいるイクレイオスの方へ恐る恐る目をやった。
イクレイオスは、激しい痛みの所為で奥歯をガタガタ言わせ、眉間に深いシワを作り、よく見ると目じりには涙が溜まっていた。
自身では体を支えられないのか、しがみついているエリアテールの左腕にもたれ掛るように肩口辺りに頭を埋め、激しい頭痛に耐えている。
あまりにも辛そうなイクレイオスの状態にエリアテールの瞳にもジワリと涙が溜まり出す。そんなエリアテールを見た精霊王は、小さくため息をついた。
「風巫女よ。その呪い、我が解呪してやってもいいが?」
その言葉にエリアテールは、涙目のまま懇願するように精霊王に視線を向ける。
「ほ、本当で……ございますか……?」
「ああ。だが条件がある。それもそなたら二人に対し、それぞれの条件が……」
そこまで言いかけた精霊王は、何故か何かを悪だくみをするようにニヤリと口角を上げた。
「その条件を呑むと言うのであれば、その間抜けな王太子の呪いを解いてやろう」
1
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる