1 / 3
聖女,爆誕
しおりを挟む
突然パァーっと眩い光に包まれたかと思うと異世界風な街にきてしまった。
異世界転生というやつなのか、いや、そもそも死んでないので異世界に迷いこんでしまったのかそこら辺はよくわからない。
萌は周りを見渡してみると今度は額を床に押しつけて拝み続けている神官風のおじいちゃん、涙を出しているゴツい騎士団長風なおじいちゃん、にこやかな笑みを浮かべているいかにも国王風なおじいちゃん、ただのよぼよぼなおじいちゃんがいた。
「聖女様はワシたちの唯一の希望じゃ!ありがたし。ワシはこの国の最高神官のエリックじゃ。こっちは騎士団長のコリー、こちらは国王のヘンリー、そこにいるのが酒場の飲みで仲良くなったキャメロンじゃ。」
「アタシ、魔法少女やってた普通の女子高校生の大道寺萌って言います♡趣味はお料理でちょっぴり鈍感なトコロが玉に瑕だ…ゾ?って、見事におじいちゃんだけじゃねーーーか!普通異世界にきたらイケメンの王子にイケメンの騎士団長、イケメンの神官がおもてなししてくれんじゃないのか、あぁん!?あたしゃなんのために苦労かけてでも今まで魔法少女やってきたんだよ!?そうだよ!これもあれもモテるためだよ!!!!それだけのためにまんまと魔法少女契約しちゃったんだよ!結局魔法少女も名ばかりで全然敵現れないから敵の清掃じゃなくて会社の会議室の清掃やってるだけだったし、世界平和じゃなくて職場平和のためにお局の佐藤さんと先輩の結城さんの板挟みだったし!職場の雰囲気最悪だったからお茶汲みでもして場の雰囲気和ませようとしたところ辺り一体が光ったからもしかしてって思ってたらこれかよ!」
はぁはぁと息が上がりながら萌はバンっとお茶汲みに使うはずであった布巾を床に叩きつけた。
おじいちゃんたちは皆一様に驚きコソコソと端に集まって何かを話していた。
5分後じっくり話し合った後、どうやら結論が出たらしくふんぞりかえって貧乏ゆすりをしていた萌の前に国王のヘンリーが代表して話し始めた。
「落ち着きなされ、聖女様。聖女様はつまり婿を探しておるのじゃな。そういうことならワシらにまかせるがよろし。ワシら皆んな丁度聖女様ぐらいの孫がいるんでな、魔王を討伐してさえくれれば好きな孫を選んで婿に迎えればいいんじゃ!」
国王ヘンリーはささっと胸ポケットから絵姿を数枚出して萌に見せた。
そこには王子様系、ツンデレ系、ショタ系、真面目メガネ系、腹黒系などいろんな種類のイケメンが描かれていた。
「どれどれ……ほほーん。いいじゃないの。どれも見目麗しい殿方なこと!萌の相手に不遜はないわね!」
「そうじゃろ。かなりのハンサムボーイじゃろ。だから魔王をやっつけさえしてくれれば全員萌ちゃんのものじゃ。」
「お爺さま、先程は大変失礼をしてしまい申し訳ありませんでした。この大道寺萌、誠心誠意聖女をやらせていただきたいと思います!!!あ、親しみを込めて萌ちゃんって呼んでもいいですよ♡」
お互いの思惑が合致した2人は硬く握手し合った。
そうして大道寺萌は疲れ果てた社会の歯車清掃員(一応魔法少女)から将来の花婿付き聖女になることになったのである。
異世界転生というやつなのか、いや、そもそも死んでないので異世界に迷いこんでしまったのかそこら辺はよくわからない。
萌は周りを見渡してみると今度は額を床に押しつけて拝み続けている神官風のおじいちゃん、涙を出しているゴツい騎士団長風なおじいちゃん、にこやかな笑みを浮かべているいかにも国王風なおじいちゃん、ただのよぼよぼなおじいちゃんがいた。
「聖女様はワシたちの唯一の希望じゃ!ありがたし。ワシはこの国の最高神官のエリックじゃ。こっちは騎士団長のコリー、こちらは国王のヘンリー、そこにいるのが酒場の飲みで仲良くなったキャメロンじゃ。」
「アタシ、魔法少女やってた普通の女子高校生の大道寺萌って言います♡趣味はお料理でちょっぴり鈍感なトコロが玉に瑕だ…ゾ?って、見事におじいちゃんだけじゃねーーーか!普通異世界にきたらイケメンの王子にイケメンの騎士団長、イケメンの神官がおもてなししてくれんじゃないのか、あぁん!?あたしゃなんのために苦労かけてでも今まで魔法少女やってきたんだよ!?そうだよ!これもあれもモテるためだよ!!!!それだけのためにまんまと魔法少女契約しちゃったんだよ!結局魔法少女も名ばかりで全然敵現れないから敵の清掃じゃなくて会社の会議室の清掃やってるだけだったし、世界平和じゃなくて職場平和のためにお局の佐藤さんと先輩の結城さんの板挟みだったし!職場の雰囲気最悪だったからお茶汲みでもして場の雰囲気和ませようとしたところ辺り一体が光ったからもしかしてって思ってたらこれかよ!」
はぁはぁと息が上がりながら萌はバンっとお茶汲みに使うはずであった布巾を床に叩きつけた。
おじいちゃんたちは皆一様に驚きコソコソと端に集まって何かを話していた。
5分後じっくり話し合った後、どうやら結論が出たらしくふんぞりかえって貧乏ゆすりをしていた萌の前に国王のヘンリーが代表して話し始めた。
「落ち着きなされ、聖女様。聖女様はつまり婿を探しておるのじゃな。そういうことならワシらにまかせるがよろし。ワシら皆んな丁度聖女様ぐらいの孫がいるんでな、魔王を討伐してさえくれれば好きな孫を選んで婿に迎えればいいんじゃ!」
国王ヘンリーはささっと胸ポケットから絵姿を数枚出して萌に見せた。
そこには王子様系、ツンデレ系、ショタ系、真面目メガネ系、腹黒系などいろんな種類のイケメンが描かれていた。
「どれどれ……ほほーん。いいじゃないの。どれも見目麗しい殿方なこと!萌の相手に不遜はないわね!」
「そうじゃろ。かなりのハンサムボーイじゃろ。だから魔王をやっつけさえしてくれれば全員萌ちゃんのものじゃ。」
「お爺さま、先程は大変失礼をしてしまい申し訳ありませんでした。この大道寺萌、誠心誠意聖女をやらせていただきたいと思います!!!あ、親しみを込めて萌ちゃんって呼んでもいいですよ♡」
お互いの思惑が合致した2人は硬く握手し合った。
そうして大道寺萌は疲れ果てた社会の歯車清掃員(一応魔法少女)から将来の花婿付き聖女になることになったのである。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

こんにちは、女嫌いの旦那様!……あれ?
夕立悠理
恋愛
リミカ・ブラウンは前世の記憶があること以外は、いたって普通の伯爵令嬢だ。そんな彼女はある日、超がつくほど女嫌いで有名なチェスター・ロペス公爵と結婚することになる。
しかし、女嫌いのはずのチェスターはリミカのことを溺愛し──!?
※小説家になろう様にも掲載しています
※主人公が肉食系かも?

侯爵令嬢セリーナ・マクギリウスは冷徹な鬼公爵に溺愛される。 わたくしが古の大聖女の生まれ変わり? そんなの聞いてません!!
友坂 悠
恋愛
「セリーナ・マクギリウス。貴女の魔法省への入省を許可します」
婚約破棄され修道院に入れられかけたあたしがなんとか採用されたのは国家の魔法を一手に司る魔法省。
そこであたしの前に現れたのは冷徹公爵と噂のオルファリド・グラキエスト様でした。
「君はバカか?」
あたしの話を聞いてくれた彼は開口一番そうのたまって。
ってちょっと待って。
いくらなんでもそれは言い過ぎじゃないですか!!?
⭐︎⭐︎⭐︎
「セリーナ嬢、君のこれまでの悪行、これ以上は見過ごすことはできない!」
貴族院の卒業記念パーティの会場で、茶番は起きました。
あたしの婚約者であったコーネリアス殿下。会場の真ん中をスタスタと進みあたしの前に立つと、彼はそう言い放ったのです。
「レミリア・マーベル男爵令嬢に対する数々の陰湿ないじめ。とても君は国母となるに相応しいとは思えない!」
「私、コーネリアス・ライネックの名においてここに宣言する! セリーナ・マクギリウス侯爵令嬢との婚約を破棄することを!!」
と、声を張り上げたのです。
「殿下! 待ってください! わたくしには何がなんだか。身に覚えがありません!」
周囲を見渡してみると、今まで仲良くしてくれていたはずのお友達たちも、良くしてくれていたコーネリアス殿下のお付きの人たちも、仲が良かった従兄弟のマクリアンまでもが殿下の横に立ち、あたしに非難めいた視線を送ってきているのに気がついて。
「言い逃れなど見苦しい! 証拠があるのだ。そして、ここにいる皆がそう証言をしているのだぞ!」
え?
どういうこと?
二人っきりの時に嫌味を言っただの、お茶会の場で彼女のドレスに飲み物をわざとかけただの。
彼女の私物を隠しただの、人を使って階段の踊り場から彼女を突き落とそうとしただの。
とそんな濡れ衣を着せられたあたし。
漂う黒い陰湿な気配。
そんな黒いもやが見え。
ふんわり歩いてきて殿下の横に縋り付くようにくっついて、そしてこちらを見て笑うレミリア。
「私は真実の愛を見つけた。これからはこのレミリア嬢と添い遂げてゆこうと思う」
あたしのことなんかもう忘れたかのようにレミリアに微笑むコーネリアス殿下。
背中にじっとりとつめたいものが走り、尋常でない様子に気分が悪くなったあたし。
ほんと、この先どうなっちゃうの?


冷遇されている令嬢に転生したけど図太く生きていたら聖女に成り上がりました
富士山のぼり
恋愛
何処にでもいる普通のOLである私は事故にあって異世界に転生した。
転生先は入り婿の駄目な父親と後妻である母とその娘にいびられている令嬢だった。
でも現代日本育ちの図太い神経で平然と生きていたらいつの間にか聖女と呼ばれるようになっていた。
別にそんな事望んでなかったんだけど……。
「そんな口の利き方を私にしていいと思っている訳? 後悔するわよ。」
「下らない事はいい加減にしなさい。後悔する事になるのはあなたよ。」
強気で物事にあまり動じない系女子の異世界転生話。
※小説家になろうの方にも掲載しています。あちらが修正版です。


【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

なりすまされた令嬢 〜健気に働く王室の寵姫〜
瀬乃アンナ
恋愛
国内随一の名門に生まれたセシル。しかし姉は選ばれし子に与えられる瞳を手に入れるために、赤ん坊のセシルを生贄として捨て、成り代わってしまう。順風満帆に人望を手に入れる姉とは別の場所で、奇しくも助けられたセシルは妖精も悪魔をも魅了する不思議な能力に助けられながら、平民として美しく成長する。
ひょんな事件をきっかけに皇族と接することになり、森と動物と育った世間知らずセシルは皇太子から名門貴族まで、素直関わる度に人の興味を惹いては何かと構われ始める。
何に対しても興味を持たなかった皇太子に慌てる周りと、無垢なセシルのお話
小説家になろう様でも掲載しております。
(更新は深夜か土日が多くなるかとおもいます!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる