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前篇:夢の通ひ路
第二十八話 其の二
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いつまでも固まっている私を置いて、宮はごろりと横になると肘枕をした。空いたもう片方の手でぽんぽんと自分の隣を叩いている。曰く、彼の隣で私も横になれと、そういうことだ。
これは、ちょっと、なんというか、もう……照れる。
「み、宮様」
「はい? どうなさったのです、早くこちらへ」
こちらへ、じゃない!
この状況で、よくそんな下心の一切見えない爽やかな笑顔を浮かべられるなと感心する。こちらはあまりにもドキドキして、ともすれば、呼吸が止まってしまいそうなほど緊張しているというのに。
しかし逃げる訳にもいかず、ええい、なすがままよ、と半ばやけくそで身体を滑り込ませるように隣に転がった私を、宮はやはり楽しそうに見つめている。なんだ、なんだってそんな優しい目でこちらを見るのだ。いたたまれなくなって背を向けようとしたが、あっさりと阻まれた。
「冷たくされると、私も意地悪をしたくなってしまいますよ?」
「冷たくなんか……」
「初夜に背を向けて臥せることの、どこか冷たくないのですか」
宮は笑顔のままなのだが、氷点下のそれに見えるのはなぜか。意地悪ってなんだ、意地悪って! 聞くのも怖い。
ああ、ああ、どうしよう、ドキドキしてどうにもこうにも……
「だって胸が苦しいのです、もう何も分からなくて……宮様が近くにいらっしゃるから。宮様のせいです」
「……姫、それは」
「え?」
「ええと、姫。寝所でそのような言葉は言ってはいけませんよ」
何が駄目なのだ……?
宮が怖いことを言うから、今の自分の状態を、恥を捨てて正直に暴露したのに……
彼はふう、と長く細く息を吐いて、片手で顔を覆った。大きな手に隠されて、その表情は見えないが、一言だけ呟いた。
「参った」
「宮様?」
「姫に、このような一面があろうとは」
「あの……私は、何か不作法でもいたしましたか?」
おそるおそる聞いてみると、宮が「いいえ、逆です」と苦笑する。
「姫があまりにも可愛らしいので、我を忘れないようにしているのですよ。本当に、全く姫は何も分かっていない。寝所でそれは、誘っているのと同じことですよ」
「!?……そんなつもりは……」
「ええ、分かっております。ご懸念のことでしたら、大丈夫ですよ、姫。私は今宵は貴女に触れません。中将殿とのこともありますし、あのように怯えた貴女を見た後で、同じことを強いるつもりはございません」
「え」
「……今、あからさまにほっとしましたね」
うわ、見抜かれてる……
だって、完全にそういうことをすると思ってた。それがないと聞いて、正直胸をなで下ろしている私がいる。
もういっぱいいっぱいで、今日の出来事が濃すぎて、それどころじゃないのだ。結婚するよね、約束したよね、じゃ一緒に寝所に行こう!なんてテンションにはなれないのである。
心身ともに疲れ切っているというのが実際のところだ。その半分は、宮のせいでもあると私は思うのだが、あの氷点下の笑顔を見た後に、それを言えるだけの覚悟はなかった。
「……では、今宵は一緒に眠るだけなのですか?」
「ええ。姫がその先を望むなら、もちろん全力で期待に応えますが」
「の、望んでません」
「あははは、姫は正直ですね、よろしい。しかし、私も男ですから、あまりそう誘われますと自信がない。私は貴女を愛しいと思っておりますから、尚更。ですから、可愛らしい言葉は今宵は控えめにしていただけますとありがたい」
「はい、分かりました」
と言いつつも、可愛らしい言葉など私は言った覚えもなければ言う予定もないので、気に留めなくてもいいだろうなどと勝手に解釈する。
「姫の気持ちがまだ不安に揺れていることも、私は分かっております。ただ、私も余裕がない。一刻も早く貴女を妻にしなければ、とこの胸が急かすのです」
「宮様でも……余裕がなくなるのでございますか?」
「貴女相手では、いつもありませんよ。その証拠に、夜が遅いことを理由に、今夜こちらへ泊まらせていただいているでしょう。私は今宵、帰ることもできたのですよ。結婚だって別の日にすることもできた。ですが、貴女の気が変わらぬうちに、貴女が誰かに奪われぬうちにと焦ってしまうのです」
そんなふうには全然見えないけれど、そうなのだろうか。
確かに、結婚自体はそれなりに準備も必要だし、周りに報告してからするほうがスマートではある。
私がいつ消えるとも分からない存在であるということが、宮の心を乱しているのは明らかだ。私の気が変わらないうちに、という一言には色々な思いが見え隠れしていて、それ以上は聞けなかった。
もぞもぞと顔をあげて見れば、間近に宮の整った顔がある。この人は私を好きなのだと思ったら、とても嬉しくて、とてもくすぐったいような気持ちがこみ上げてくる。
私は、この人と結婚するんだ……不思議な気持ちだった。
文化も時代も全く異なるのに、恋をして、恋をされるだなんて。
新婚初日なのに、私のことを思いやって、今夜はこうして寄り添って眠るだけにしてくれるのだという。
彼は自分のことを「優しくない」だなんて言ったが、そんなはずは絶対になかった。こんなに優しい人に想われて、幸せ以外の言葉が浮かばない。
宮の文と同じ、優しくて落ち着く香りに包まれながら、私は彼の胸に顔を寄せた。静かに息を吸い込むと、ふわりと彼の香りが身体中に染み渡る。ああ、すごく好きだ、それを伝えたい。心からそう思った。
「……あの、宮様」
「はい?」
「お慕いしております」
宮の身体が少し強張った。
唐突過ぎて驚かれた? でも、どうしても言いたかった。だって私は一度も、彼に自分の言葉で、この心の内を伝えていないのだ。
「まだ、申し上げておりませんでしたから。今宵は私達が結婚する日でしょう? どうしても、今、お伝えしたくて」
「……姫……」
「宮様が私のことを想って下さるのと同じように、私も宮様のことをとても大切に思っております。心から……心から、お慕いしております」
よし、言えた。
こういうことって本当に照れるし勢いと雰囲気がないと言葉にできないけれど、でも、大事なことだと思う。
私が宮の考えていることが分からないように、宮だって私のことは分からないのだから、できるだけ言葉という確かなもので残したかった。
誠意でも好意でもなんでもいい。いつ消えるともしれない私と結婚するとまで言い切ってくれたこの人に対して、出来得る限りを、私はしたい。
少し恥ずかしさもあって、最後は照れ隠しに彼の胸に顔を隠してみた。
ふう、とつい先ほど聞いたばかりの細い吐息の音が頭上で響く。それも、随分と長い。しかし溜息とも違うような……
「宮様?」
「……忍耐力とはなんたるかを考えておりました」
「?」
「なるほど、貴女がいかに無自覚かということを知ったといいますか……ええ、私は随分と頑張っている方だと思いますよ」
はあ、と今度は溜息をついて、宮は私の髪を撫でた。
「本当に、貴女が中将殿の腕に抱かれずよかった。貴女のこのような一面を見ては特にそう思います」
「はい、私も宮様でなくては嫌ですわ」
「だから、貴女はどうしてこう……」
宮様?と顔を上げようとしたが、ぎゅむっと抱きしめられてそれは叶わなかった。暗闇の中でも、一瞬だけ見えた彼の耳がほのかに赤い気がしたのは、気のせいだろうか。
「こちらを見ないで下さい。貴女に溺れた情けない男の顔など」
「み、宮様っ……?」
「もう、お休みになられて下さい。とにかく私のために休んで。もう何もお話しにならないで。随分と夜も更けましたし」
「? わかりました。宮様がおっしゃるなら、そういたしますわ。お休みなさいませ」
「はい、お休みなさいませ」
何がいけなかったのだろう……
よく分からないが、私はさっさと眠った方がいいらしい。
言葉通りに瞼を閉じると、突如猛烈な睡魔が襲ってきた。
元々不眠気味だったのと、今夜は何もないのだという安心感から、私が寝息を立てたのは随分と早かったようだった。
直後、唇に触れた柔らかく温かい感触が何なのかを、確かめることもできなかったのだから。
これは、ちょっと、なんというか、もう……照れる。
「み、宮様」
「はい? どうなさったのです、早くこちらへ」
こちらへ、じゃない!
この状況で、よくそんな下心の一切見えない爽やかな笑顔を浮かべられるなと感心する。こちらはあまりにもドキドキして、ともすれば、呼吸が止まってしまいそうなほど緊張しているというのに。
しかし逃げる訳にもいかず、ええい、なすがままよ、と半ばやけくそで身体を滑り込ませるように隣に転がった私を、宮はやはり楽しそうに見つめている。なんだ、なんだってそんな優しい目でこちらを見るのだ。いたたまれなくなって背を向けようとしたが、あっさりと阻まれた。
「冷たくされると、私も意地悪をしたくなってしまいますよ?」
「冷たくなんか……」
「初夜に背を向けて臥せることの、どこか冷たくないのですか」
宮は笑顔のままなのだが、氷点下のそれに見えるのはなぜか。意地悪ってなんだ、意地悪って! 聞くのも怖い。
ああ、ああ、どうしよう、ドキドキしてどうにもこうにも……
「だって胸が苦しいのです、もう何も分からなくて……宮様が近くにいらっしゃるから。宮様のせいです」
「……姫、それは」
「え?」
「ええと、姫。寝所でそのような言葉は言ってはいけませんよ」
何が駄目なのだ……?
宮が怖いことを言うから、今の自分の状態を、恥を捨てて正直に暴露したのに……
彼はふう、と長く細く息を吐いて、片手で顔を覆った。大きな手に隠されて、その表情は見えないが、一言だけ呟いた。
「参った」
「宮様?」
「姫に、このような一面があろうとは」
「あの……私は、何か不作法でもいたしましたか?」
おそるおそる聞いてみると、宮が「いいえ、逆です」と苦笑する。
「姫があまりにも可愛らしいので、我を忘れないようにしているのですよ。本当に、全く姫は何も分かっていない。寝所でそれは、誘っているのと同じことですよ」
「!?……そんなつもりは……」
「ええ、分かっております。ご懸念のことでしたら、大丈夫ですよ、姫。私は今宵は貴女に触れません。中将殿とのこともありますし、あのように怯えた貴女を見た後で、同じことを強いるつもりはございません」
「え」
「……今、あからさまにほっとしましたね」
うわ、見抜かれてる……
だって、完全にそういうことをすると思ってた。それがないと聞いて、正直胸をなで下ろしている私がいる。
もういっぱいいっぱいで、今日の出来事が濃すぎて、それどころじゃないのだ。結婚するよね、約束したよね、じゃ一緒に寝所に行こう!なんてテンションにはなれないのである。
心身ともに疲れ切っているというのが実際のところだ。その半分は、宮のせいでもあると私は思うのだが、あの氷点下の笑顔を見た後に、それを言えるだけの覚悟はなかった。
「……では、今宵は一緒に眠るだけなのですか?」
「ええ。姫がその先を望むなら、もちろん全力で期待に応えますが」
「の、望んでません」
「あははは、姫は正直ですね、よろしい。しかし、私も男ですから、あまりそう誘われますと自信がない。私は貴女を愛しいと思っておりますから、尚更。ですから、可愛らしい言葉は今宵は控えめにしていただけますとありがたい」
「はい、分かりました」
と言いつつも、可愛らしい言葉など私は言った覚えもなければ言う予定もないので、気に留めなくてもいいだろうなどと勝手に解釈する。
「姫の気持ちがまだ不安に揺れていることも、私は分かっております。ただ、私も余裕がない。一刻も早く貴女を妻にしなければ、とこの胸が急かすのです」
「宮様でも……余裕がなくなるのでございますか?」
「貴女相手では、いつもありませんよ。その証拠に、夜が遅いことを理由に、今夜こちらへ泊まらせていただいているでしょう。私は今宵、帰ることもできたのですよ。結婚だって別の日にすることもできた。ですが、貴女の気が変わらぬうちに、貴女が誰かに奪われぬうちにと焦ってしまうのです」
そんなふうには全然見えないけれど、そうなのだろうか。
確かに、結婚自体はそれなりに準備も必要だし、周りに報告してからするほうがスマートではある。
私がいつ消えるとも分からない存在であるということが、宮の心を乱しているのは明らかだ。私の気が変わらないうちに、という一言には色々な思いが見え隠れしていて、それ以上は聞けなかった。
もぞもぞと顔をあげて見れば、間近に宮の整った顔がある。この人は私を好きなのだと思ったら、とても嬉しくて、とてもくすぐったいような気持ちがこみ上げてくる。
私は、この人と結婚するんだ……不思議な気持ちだった。
文化も時代も全く異なるのに、恋をして、恋をされるだなんて。
新婚初日なのに、私のことを思いやって、今夜はこうして寄り添って眠るだけにしてくれるのだという。
彼は自分のことを「優しくない」だなんて言ったが、そんなはずは絶対になかった。こんなに優しい人に想われて、幸せ以外の言葉が浮かばない。
宮の文と同じ、優しくて落ち着く香りに包まれながら、私は彼の胸に顔を寄せた。静かに息を吸い込むと、ふわりと彼の香りが身体中に染み渡る。ああ、すごく好きだ、それを伝えたい。心からそう思った。
「……あの、宮様」
「はい?」
「お慕いしております」
宮の身体が少し強張った。
唐突過ぎて驚かれた? でも、どうしても言いたかった。だって私は一度も、彼に自分の言葉で、この心の内を伝えていないのだ。
「まだ、申し上げておりませんでしたから。今宵は私達が結婚する日でしょう? どうしても、今、お伝えしたくて」
「……姫……」
「宮様が私のことを想って下さるのと同じように、私も宮様のことをとても大切に思っております。心から……心から、お慕いしております」
よし、言えた。
こういうことって本当に照れるし勢いと雰囲気がないと言葉にできないけれど、でも、大事なことだと思う。
私が宮の考えていることが分からないように、宮だって私のことは分からないのだから、できるだけ言葉という確かなもので残したかった。
誠意でも好意でもなんでもいい。いつ消えるともしれない私と結婚するとまで言い切ってくれたこの人に対して、出来得る限りを、私はしたい。
少し恥ずかしさもあって、最後は照れ隠しに彼の胸に顔を隠してみた。
ふう、とつい先ほど聞いたばかりの細い吐息の音が頭上で響く。それも、随分と長い。しかし溜息とも違うような……
「宮様?」
「……忍耐力とはなんたるかを考えておりました」
「?」
「なるほど、貴女がいかに無自覚かということを知ったといいますか……ええ、私は随分と頑張っている方だと思いますよ」
はあ、と今度は溜息をついて、宮は私の髪を撫でた。
「本当に、貴女が中将殿の腕に抱かれずよかった。貴女のこのような一面を見ては特にそう思います」
「はい、私も宮様でなくては嫌ですわ」
「だから、貴女はどうしてこう……」
宮様?と顔を上げようとしたが、ぎゅむっと抱きしめられてそれは叶わなかった。暗闇の中でも、一瞬だけ見えた彼の耳がほのかに赤い気がしたのは、気のせいだろうか。
「こちらを見ないで下さい。貴女に溺れた情けない男の顔など」
「み、宮様っ……?」
「もう、お休みになられて下さい。とにかく私のために休んで。もう何もお話しにならないで。随分と夜も更けましたし」
「? わかりました。宮様がおっしゃるなら、そういたしますわ。お休みなさいませ」
「はい、お休みなさいませ」
何がいけなかったのだろう……
よく分からないが、私はさっさと眠った方がいいらしい。
言葉通りに瞼を閉じると、突如猛烈な睡魔が襲ってきた。
元々不眠気味だったのと、今夜は何もないのだという安心感から、私が寝息を立てたのは随分と早かったようだった。
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