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前篇:夢の通ひ路
第二話 其の二
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目が覚めたのは深夜のようだった。あたりは真っ暗で、蝋燭のような小さな炎がゆらゆらと揺れている。
思わず、勢いよく飛び起きた。
「……いたた」
節々が痛んで思わず呻いた。はらり、と肩に落ちた束を見て痛みさえ忘れそうになる。
長い、異様に長い黒髪があったのだ。私の髪はボブで、もっと細く柔らかい毛だったはずだ。しかもこんなに黒々としてはいない。胸元の着物の合わせに息が詰まる。なんで、こんな服を着ているの?
心臓の音が身体中に響いた。知らず呼吸が浅くなる。
見渡して目を疑った。
電気もない薄暗い室内に置かれた几帳、立派な紐のついた御簾は下げられ、小さな箪笥のようなものには鏡が一つ。
まるで、平安時代の寝殿造の部屋の中にいるような錯覚を覚える。
おそるおそる鏡に手を伸ばした時、「姫様?」と呼ばれた。
「ああ、姫様。お気づきになったのですね」
つり目気味の目が細くなる。彼女は「まだお休みください」と微笑んだ。
この人は――そう、コウメと呼ばれていた女性だ。しかも、相変わらずの、古語。しつこいが現代ではありえない話し方だ。
「白湯をお持ちしましょうか」
「…………」
「姫様?」
「え、ええ。お願い」
水がいいなどと言っている場合ではない。とりあえず頷いたものの、やっぱりどうにも落ち着かない。彼女もまた長い黒髪を持ち、それが着物の上に広がっていた。
古典の絵巻物の世界と同じだ、頭を抱えたくなる。
なんだこれは……
私は……私は一体どこにいるんだろう?
大体、姫様って何?
さっきからずっと姫様姫様って、私は古典を愛するしがない大学院生なんですが。
裕福でも貧しくもない普通の一般的な家庭に生まれ育った庶民であって、「姫様」という代物ではないはずだ。
目を閉じて記憶を辿っていくと、曖昧だったものが少しずつ鮮明に蘇ってくる。
そうだ。私は教授と京都の蔵の調査をしていたはずだ。
何か――なんだったか思い出せないが、とにかく白紙の冊子が見つかって、それが世紀の大発見になるかもしれないと飲み会で話に花を咲かせ、解散したのだ。ホテルへ向かう帰路の途中だった、その後から記憶がすっぽり抜け落ちている。何をどうすれば、京都の交差点から、こんな平安時代の一シーンのような場所へ来れるんだろう。
実は私は、あのまま考え事をしているうちに知らずホテルに戻って、寝ているとか?
そう思いたいのだけど、もうさすがに「これは夢」説は無理がある。
薄々解っている。
……解っていて、認めたくないだけだ。一度認めると、もうどこにも逃げ場がない気がして。
「あの……鏡を取ってくれない?」
普通に話したつもりが、驚いた。私の口から出た言葉は、勝手に古語になっていた。無意識にこの世界へ合わせようとしているのか。
白湯の入った器を私に渡して、コウメさんは不思議そうな顔をしつつも鏡を取った。
もう覚悟を決めるしかない。何がどうなっているのかさっぱり分からないけれど、現実を最低限把握するためにも、これは必要な確認作業だ。
.
炎の灯りとはなんと頼りないものなのだろう。まるで今の私の心のようではないか。
ほの暗い中で、鏡の中にぼうっと女性が映る。
「誰?」
コウメさんが傍に控えているのも忘れ、呆然と呟いたのも無理はないと思う。
鏡に映っていたのは、完全に、私ではなかったのだ。
この時代の鏡というのは、現代のものと全く別物といってもいい。銅鏡に近いので、色も形もさすがに現代のものほど詳細には見えない。それでも、自分ではないことを確かめるには十分だった。
似ていることと言えば、目が二つ、鼻が一つ、口が一つあることくらい。つまり、人であるだけで何一つ違う別人だ。それぞれのパーツも全然形が違う。心の中で繰り返した。
誰??
思わず頬に手を添えた。特殊メイクとか仮面とか――あるわけがない。
指先にほんのりと伝わる温かさ。間違いなく、生身の人間の体温だった。
「な、何で? どうなってるの?」
「姫様はあれから丸三日も眠り続けていたのです。病のせいで確かに少しお痩せになりましたけれど、元気になれば元の美しいお姿に戻りますわ。ご心配には及びません」
コウメさんが、おそらく励ます意味で声をかけてくるのだけど、違うのだ。
私はあなたの言うところの姫様でもなければ、自らの衰弱した姿を嘆いているわけでもない。
というか、私は三日間も眠っていたの?
「本当に夢じゃ、ない……」
「ええ、ええ。姫様はずっとうなされておられましたものね。わたくし、姫様がお可哀そうで……」
「いえ、悪夢の話をしているわけではなくて。むしろ悪夢よりずっとたちが悪い……」
「そうですわね、病というのは辛く苦しいものですもの」
話がかみ合わない!
口の端から「ううう」と呻き声が漏れた。思わずこめかみを押さえる。
コウメさんは、私を完全に「姫」と信じ疑っていないのだ。それはそうだろう。私だって、彼女の立場ならそうなる。姿かたちは同じなのに「中身は全然違うんだ」なんて言われた日には、その子の頭がおかしくなったのか、はたまた自分がおかしくなったのかと思うはずだ。
そして今この場合は、コウメさんは前者になる可能性が百パーセントに近い。だって、先ほど彼女は、人ならざる者を見る目で、私を見ていたのだから。
白湯を一口、また一口と飲みながら考えた。
取り乱して「ここはどこなのよぉぉ」とか「私は誰なのよぉぉ」とか、頭をかきむしって叫びまくりたい気持ちでいっぱいなのだが、それを行うにはあまりも危ない気がした。かろうじて、ぎりぎりのところで私は堪えている。
一つ一つ落ち着いて整理しなくては。
今、分かっていること。
いつの時代か知らないけど、ここは令和の京都の交差点では絶対にないってこと。平安時代か、限りなくそこに近い過去の時代で間違いないはず……言い切れないので、多分、と付け加えておく。
そしてなぜか知らないが、多分私は「姫」なのだということ。それも上流階級の貴族、とても位の高い身分であるのだと思う。大学一年生の頃に行った京都の博物館で、「平安時代の貴族の暮らし」というコーナーを見たことがある。そこで邸宅のミニチュアを目にしたのだけど、周りに置かれた調度品や着物、見るものすべて何から何までが、こことそっくりだ。もちろん、私のこれまで培ってきた知識、記憶の中にある図鑑や便覧の画像とも一致する。
身体が違うということは……いわゆる、タイムスリップではないのだろう。もし私がタイムスリップしているなら、外見が変わることはありえない。着ている服も含めて。
とすれば、考えられるのは、「姫」という人間の中に私の心が宿ったということ?
そんなことありえない!!――と、今までの私なら全否定しているところだが、現実問題、あり得るのでお手上げだ。非科学的なことは一切信じない主義なのだけど、そうも言ってられない。
この仮説がもし正しいのなら、姫の心は一体どこに行ったのだろう……奥深くで眠っているとか?そうなら、ぜひ、もう今すぐにでも変わっていただきたい。そして私の心を、私自身を、あるべき場所に戻してほしい。
もしくは……現代の「私」の身体に宿っているのだろうか。私達二人の心だけが、時空を超えて交換された?
待って待って、そんなパラレルワールドある??
「ひ、姫様……?」
突如無言で固まった私を呼ぶコウメさんが、首をかしげる。
「姫」とコウメさんは、親しい間柄なのだと思う。想像するに、かなり親密な主従関係。多分、彼女は姫付の侍女、いわゆる女房というものではないだろうか。
そんな彼女を前に、何を言うべきなのか。いくら言葉を探しても思いつかない。そもそも私は姫がどんな人柄なのか知らないので姫になることもできないし、下手に発言すれば、先がおかしなことになりそうで怖い。
私はもう一度思考を巡らせた。
ここが平安時代と仮定して……この時代は「物の怪」といわれる霊の存在が信じられていた。霊といっても、怨霊や死霊、悪霊などなど、あまりよろしくないもの達のことである。人に取り憑いて病にさせたり、果てはその命を奪ったり。とにかく、忌み嫌われる存在なのだ。
もし私がここでコウメさんに、「私は未来から来ました、ここはどこですか」なんてアホなことを言ったら最後、物の怪扱いで決まりだ。
うわぁ……絶対大騒ぎになる。
物の怪には加持祈祷、と決まっている。火を焚いて、取り付いた物の怪が離れるようにと、神仏に祈るのだ。あの煙をもう一度くらうのはごめんだ。一回目に目が覚めたとき、吐きそうだった。
それに私は物の怪じゃない。まあ、こちらの人たちにとっては、姫の身体に乗り移った生霊そのものだろうけど。
だけど困った、姫のふりをするのだって無理がある。
どうしよう、どうしよう、どうすれば――
「あ」
……そうだ。
もうこれしかない。
思いついて、心を決めた。苦渋の、だけど今できる最高の決断に違いないと信じるしかない。
私はコウメさんに向き直って、ゆっくりと言った。
「私、記憶が、ないみたいなの」
思わず、勢いよく飛び起きた。
「……いたた」
節々が痛んで思わず呻いた。はらり、と肩に落ちた束を見て痛みさえ忘れそうになる。
長い、異様に長い黒髪があったのだ。私の髪はボブで、もっと細く柔らかい毛だったはずだ。しかもこんなに黒々としてはいない。胸元の着物の合わせに息が詰まる。なんで、こんな服を着ているの?
心臓の音が身体中に響いた。知らず呼吸が浅くなる。
見渡して目を疑った。
電気もない薄暗い室内に置かれた几帳、立派な紐のついた御簾は下げられ、小さな箪笥のようなものには鏡が一つ。
まるで、平安時代の寝殿造の部屋の中にいるような錯覚を覚える。
おそるおそる鏡に手を伸ばした時、「姫様?」と呼ばれた。
「ああ、姫様。お気づきになったのですね」
つり目気味の目が細くなる。彼女は「まだお休みください」と微笑んだ。
この人は――そう、コウメと呼ばれていた女性だ。しかも、相変わらずの、古語。しつこいが現代ではありえない話し方だ。
「白湯をお持ちしましょうか」
「…………」
「姫様?」
「え、ええ。お願い」
水がいいなどと言っている場合ではない。とりあえず頷いたものの、やっぱりどうにも落ち着かない。彼女もまた長い黒髪を持ち、それが着物の上に広がっていた。
古典の絵巻物の世界と同じだ、頭を抱えたくなる。
なんだこれは……
私は……私は一体どこにいるんだろう?
大体、姫様って何?
さっきからずっと姫様姫様って、私は古典を愛するしがない大学院生なんですが。
裕福でも貧しくもない普通の一般的な家庭に生まれ育った庶民であって、「姫様」という代物ではないはずだ。
目を閉じて記憶を辿っていくと、曖昧だったものが少しずつ鮮明に蘇ってくる。
そうだ。私は教授と京都の蔵の調査をしていたはずだ。
何か――なんだったか思い出せないが、とにかく白紙の冊子が見つかって、それが世紀の大発見になるかもしれないと飲み会で話に花を咲かせ、解散したのだ。ホテルへ向かう帰路の途中だった、その後から記憶がすっぽり抜け落ちている。何をどうすれば、京都の交差点から、こんな平安時代の一シーンのような場所へ来れるんだろう。
実は私は、あのまま考え事をしているうちに知らずホテルに戻って、寝ているとか?
そう思いたいのだけど、もうさすがに「これは夢」説は無理がある。
薄々解っている。
……解っていて、認めたくないだけだ。一度認めると、もうどこにも逃げ場がない気がして。
「あの……鏡を取ってくれない?」
普通に話したつもりが、驚いた。私の口から出た言葉は、勝手に古語になっていた。無意識にこの世界へ合わせようとしているのか。
白湯の入った器を私に渡して、コウメさんは不思議そうな顔をしつつも鏡を取った。
もう覚悟を決めるしかない。何がどうなっているのかさっぱり分からないけれど、現実を最低限把握するためにも、これは必要な確認作業だ。
.
炎の灯りとはなんと頼りないものなのだろう。まるで今の私の心のようではないか。
ほの暗い中で、鏡の中にぼうっと女性が映る。
「誰?」
コウメさんが傍に控えているのも忘れ、呆然と呟いたのも無理はないと思う。
鏡に映っていたのは、完全に、私ではなかったのだ。
この時代の鏡というのは、現代のものと全く別物といってもいい。銅鏡に近いので、色も形もさすがに現代のものほど詳細には見えない。それでも、自分ではないことを確かめるには十分だった。
似ていることと言えば、目が二つ、鼻が一つ、口が一つあることくらい。つまり、人であるだけで何一つ違う別人だ。それぞれのパーツも全然形が違う。心の中で繰り返した。
誰??
思わず頬に手を添えた。特殊メイクとか仮面とか――あるわけがない。
指先にほんのりと伝わる温かさ。間違いなく、生身の人間の体温だった。
「な、何で? どうなってるの?」
「姫様はあれから丸三日も眠り続けていたのです。病のせいで確かに少しお痩せになりましたけれど、元気になれば元の美しいお姿に戻りますわ。ご心配には及びません」
コウメさんが、おそらく励ます意味で声をかけてくるのだけど、違うのだ。
私はあなたの言うところの姫様でもなければ、自らの衰弱した姿を嘆いているわけでもない。
というか、私は三日間も眠っていたの?
「本当に夢じゃ、ない……」
「ええ、ええ。姫様はずっとうなされておられましたものね。わたくし、姫様がお可哀そうで……」
「いえ、悪夢の話をしているわけではなくて。むしろ悪夢よりずっとたちが悪い……」
「そうですわね、病というのは辛く苦しいものですもの」
話がかみ合わない!
口の端から「ううう」と呻き声が漏れた。思わずこめかみを押さえる。
コウメさんは、私を完全に「姫」と信じ疑っていないのだ。それはそうだろう。私だって、彼女の立場ならそうなる。姿かたちは同じなのに「中身は全然違うんだ」なんて言われた日には、その子の頭がおかしくなったのか、はたまた自分がおかしくなったのかと思うはずだ。
そして今この場合は、コウメさんは前者になる可能性が百パーセントに近い。だって、先ほど彼女は、人ならざる者を見る目で、私を見ていたのだから。
白湯を一口、また一口と飲みながら考えた。
取り乱して「ここはどこなのよぉぉ」とか「私は誰なのよぉぉ」とか、頭をかきむしって叫びまくりたい気持ちでいっぱいなのだが、それを行うにはあまりも危ない気がした。かろうじて、ぎりぎりのところで私は堪えている。
一つ一つ落ち着いて整理しなくては。
今、分かっていること。
いつの時代か知らないけど、ここは令和の京都の交差点では絶対にないってこと。平安時代か、限りなくそこに近い過去の時代で間違いないはず……言い切れないので、多分、と付け加えておく。
そしてなぜか知らないが、多分私は「姫」なのだということ。それも上流階級の貴族、とても位の高い身分であるのだと思う。大学一年生の頃に行った京都の博物館で、「平安時代の貴族の暮らし」というコーナーを見たことがある。そこで邸宅のミニチュアを目にしたのだけど、周りに置かれた調度品や着物、見るものすべて何から何までが、こことそっくりだ。もちろん、私のこれまで培ってきた知識、記憶の中にある図鑑や便覧の画像とも一致する。
身体が違うということは……いわゆる、タイムスリップではないのだろう。もし私がタイムスリップしているなら、外見が変わることはありえない。着ている服も含めて。
とすれば、考えられるのは、「姫」という人間の中に私の心が宿ったということ?
そんなことありえない!!――と、今までの私なら全否定しているところだが、現実問題、あり得るのでお手上げだ。非科学的なことは一切信じない主義なのだけど、そうも言ってられない。
この仮説がもし正しいのなら、姫の心は一体どこに行ったのだろう……奥深くで眠っているとか?そうなら、ぜひ、もう今すぐにでも変わっていただきたい。そして私の心を、私自身を、あるべき場所に戻してほしい。
もしくは……現代の「私」の身体に宿っているのだろうか。私達二人の心だけが、時空を超えて交換された?
待って待って、そんなパラレルワールドある??
「ひ、姫様……?」
突如無言で固まった私を呼ぶコウメさんが、首をかしげる。
「姫」とコウメさんは、親しい間柄なのだと思う。想像するに、かなり親密な主従関係。多分、彼女は姫付の侍女、いわゆる女房というものではないだろうか。
そんな彼女を前に、何を言うべきなのか。いくら言葉を探しても思いつかない。そもそも私は姫がどんな人柄なのか知らないので姫になることもできないし、下手に発言すれば、先がおかしなことになりそうで怖い。
私はもう一度思考を巡らせた。
ここが平安時代と仮定して……この時代は「物の怪」といわれる霊の存在が信じられていた。霊といっても、怨霊や死霊、悪霊などなど、あまりよろしくないもの達のことである。人に取り憑いて病にさせたり、果てはその命を奪ったり。とにかく、忌み嫌われる存在なのだ。
もし私がここでコウメさんに、「私は未来から来ました、ここはどこですか」なんてアホなことを言ったら最後、物の怪扱いで決まりだ。
うわぁ……絶対大騒ぎになる。
物の怪には加持祈祷、と決まっている。火を焚いて、取り付いた物の怪が離れるようにと、神仏に祈るのだ。あの煙をもう一度くらうのはごめんだ。一回目に目が覚めたとき、吐きそうだった。
それに私は物の怪じゃない。まあ、こちらの人たちにとっては、姫の身体に乗り移った生霊そのものだろうけど。
だけど困った、姫のふりをするのだって無理がある。
どうしよう、どうしよう、どうすれば――
「あ」
……そうだ。
もうこれしかない。
思いついて、心を決めた。苦渋の、だけど今できる最高の決断に違いないと信じるしかない。
私はコウメさんに向き直って、ゆっくりと言った。
「私、記憶が、ないみたいなの」
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