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HISTOIRE.9
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静寂が辺りを包む。実際には先ほどの轟音のせいで耳鳴りがしているのだが、音がどこか遠いのは間違いない。
「ば、バカな…」
驚愕するソーヴィニヨンをデュグディドゥさんは睨みあげる。ソーヴィニヨンの放った高密度のブレスは、跡形もなくデュグディドゥさんの左手に吸い込まれたのだ。相殺したようには見えなかったし、おそらく魔力吸収の類なのだろう。しかしながら、だからといってアレを全て吸収する事は可能なのだろうか?
「キエロ」
「…!」
デュグディドゥさんの左手に魔力球が現れる。先ほどのブレスと同じくらいの高密度だ。わたしに向けられた訳でもないのに、その殺意にゾッとする。手袋に擬態しているルピは彼の殺意にガタガタと震えていた。
戦場に何度も足を運び、何度も殺意を向けられてきた。殺意を向けられる事にも耐えられる…いや、当たり前だと感じるようになったのに、なのに彼の殺意に寒気を覚えた。こんな風に誰かの殺意に触れて恐ろしさを感じたのは、恐らく5年ぶりじゃなかろうか。
しかしながら黙って見ているわけにはいかない。このまま高魔力の撃ち合いなんてされたら、この国が確実に滅びてしまう。現に対抗しようとソーヴィニヨンが再びブレスを放とうとしている。
「デュグディドゥさん!落ち着いてください!」
声をかけても反応がない。
「デュグディドゥさん!」
魔力と殺意がどんどん上がっていく。ダメだ、このままじゃまずい。
「デュグディドゥさん落ち着いて!」
微動だにせず、ただ目の前の敵しか見えていないデュグディドゥに、わたしは勢いよく飛びついた。
先程の能力が魔力吸収だったとしても、吸収できる量には限度がある。使い手によって限界値は変わるものの、あんな高密度魔力をそう何度も吸収できるとは到底思えない。
「この国を滅ぼすつもりですか!?」
わたしの言葉とルピの顔面張り付き行為に正気を取り戻したのか、デュグディドゥさんは「シャトー…?」と小さく漏らしてわたしを見た。
「落ち着いてください、高魔力の撃ち合いなんてされたら貴方はともかくわたし達はただでは済みません。人間界と戦争でもするつもりですか?」
「え、あ、でも…………ごめんなさい」
わたしとソーヴィニヨンを何度も交互に見た後、デュグディドゥさんはしゅん、と項垂れた。
「わかっていただければそれで。ですが、今はそれどころではありません。このままではどのみちソーヴィニヨンのブレスでやられます」
「ブレスくらいなら吸収すればなんとかなるけど、それじゃあいつまでも終わらないし……仕方ない、魔界王様に迎えにきてもらおう」
そう言うとデュグディドゥさんは、まだ逃げずに残っていたアンリエッタ達に声をかけた。
「君達、ちょっとこっちに来て手伝ってくれない?」
「わかった!」「ええ!」「了解」
考えることなく即答した三人は柵を乗り越えてわたし達の元へ走り寄る。わたし達の会話がどこまで聞こえていたのかはわからないが、考える暇はないと瞬時に判断したのだろう。わたしとしてはブレスが吸収された直後になぜすぐ離脱しなかったのかが謎だが……腰を抜かしていた可能性もあるか。アンリエッタは涙を、ケインとルーカスは頬を伝う汗を、それぞれ手で拭う。
「何をしたらいい?」
「ルピ経由で門を開いて魔界王様を呼ぶ。必要な魔力は僕のを使って。君達には魔力のコントロールをお願いしたい」
「「「了解!」」」「ぷるん!」
中心にルピを置き、わたし達5人は五芒星の形になるように散開する。ルピがぷるりと震え体を伸ばしわたし達の腕に巻き付いた。
「シャトーは僕と一緒に状況判断を」
「了解」
元々魔力のないわたしは、魔力操作が壊滅的に不得手だ。魔界王を呼び出すほどの魔力なんて、正直に言ってお荷物以外の何者でもない。
ルピを通じて強大な魔力の流れを感じる。だんだんと中心であるルピへと集まっていく。いくら魔力の多いアンリエッタ達でも、これほどまでに強大な魔力には触れたことなぞなかろうに…。少しでもミスをすればどうなるか予想もつかない魔力を、3人は額に汗をかきつつも的確に制御していく。ルーカスが全体をみて、2人がその指示に的確に対応している。こちらは3人に任せて問題なさそうだ。
遠くで教師が1人、手で大きな丸を作っている。わたし達以外の生徒は無事に避難完了したようだ。手で合図を送り教師に退避するよう伝えると、再び丸を出してその場を離れた。
ソーヴィニヨンの溜め動作が先程よりも長い。まさに全身全霊の一撃、というやつだろう。
「向こうのほうが早そうですね」
「吸収できるから大丈夫だよ」
「ですが、左手は今ルピと繋がっていますよ?」
「右手でやれば……」
右腕に視線を向け、彼は肝心の腕が失われていた事に気づく。はて、何故ないのだろう?そんな仕草で首を傾げ、
「ああ、生やすの忘れてた」
そのセリフと共に切断面から細い触手が多数生えると、絡み合い元通りの腕になる。これだけでも驚きなのに、この間わずか1秒程の出来事なのだからさらに驚かざるを得ない。
デュグディドゥさんは手を動かして感覚を確かめると「これでもう大丈夫」と述べた。
彼の正体について考察したいところではあるが、最優先事項は現状の打開だ。驚きを胸にしまいつつ、ソーヴィニヨンに視線を向ける。
「残念ながら向こうのほうが先のようです」
「もう一回吸収するかぁ」
ルピの頭上、空間に亀裂が走る。後もう少しで完全に門は開きそうだが、予想通り先にソーヴィニヨンがブレスを放った。閃光、高熱、遅れてやってくる轟音。死と隣り合わせの生活とは無縁のアンリエッタ達には、一体どれほどの恐怖だったのだろうか。だが彼女達は狼狽えるようなことはしなかった。それどころか、気付いてさえいないかもしれない。
デュグディドゥさんがブレスを右手で吸い込み始める。彼が吸収しきれなければここで終わりだ。ブレスが尽きるのが先か、デュグディドゥさんの吸収容量を超えるのが先か、はたまた門が開くのが先か。
半分ほど吸い込んだと思われるところで、ついに門が完全に開いた。だが、ここで3人が現状に気づくとせっかくのコントロールが乱れてしまう。
「3人ともそのまま魔力をキープして!デュグディドゥさん、いけます!」
「了解!ルピ!」
「ぷるるん!」
ルピはわたし達の腕から素早く離れると門の中へ飛び込んだ。
「魔界王様によろしくね」
「ぷ~るるん!」
ルピを失った事で門が急速に閉じていく。
亀裂が指一本分の大きさになった時、そこから指が一本出てきた。そして亀裂をこじ開ける。一般人レベルに抑え込まれた魔力に惑わされてはいけない。何故ならば、空間をこじ開けるという事が既に一般人では不可能だからだ。
「デュグディドゥよ、魔界王に頼るのが早くないかね?」
からかい口調で男性が現れる。柔らかい色味の金髪、アクアマリンのような透き通った瞳、白い肌に整った顔立ち。魔界王よりも天使長の方がしっくりくる美青年。女の子にモテるから、という理由で青年姿に化けているこの人物こそ、魔界を統べる王の中の王、魔界王である。
「ば、バカな…」
驚愕するソーヴィニヨンをデュグディドゥさんは睨みあげる。ソーヴィニヨンの放った高密度のブレスは、跡形もなくデュグディドゥさんの左手に吸い込まれたのだ。相殺したようには見えなかったし、おそらく魔力吸収の類なのだろう。しかしながら、だからといってアレを全て吸収する事は可能なのだろうか?
「キエロ」
「…!」
デュグディドゥさんの左手に魔力球が現れる。先ほどのブレスと同じくらいの高密度だ。わたしに向けられた訳でもないのに、その殺意にゾッとする。手袋に擬態しているルピは彼の殺意にガタガタと震えていた。
戦場に何度も足を運び、何度も殺意を向けられてきた。殺意を向けられる事にも耐えられる…いや、当たり前だと感じるようになったのに、なのに彼の殺意に寒気を覚えた。こんな風に誰かの殺意に触れて恐ろしさを感じたのは、恐らく5年ぶりじゃなかろうか。
しかしながら黙って見ているわけにはいかない。このまま高魔力の撃ち合いなんてされたら、この国が確実に滅びてしまう。現に対抗しようとソーヴィニヨンが再びブレスを放とうとしている。
「デュグディドゥさん!落ち着いてください!」
声をかけても反応がない。
「デュグディドゥさん!」
魔力と殺意がどんどん上がっていく。ダメだ、このままじゃまずい。
「デュグディドゥさん落ち着いて!」
微動だにせず、ただ目の前の敵しか見えていないデュグディドゥに、わたしは勢いよく飛びついた。
先程の能力が魔力吸収だったとしても、吸収できる量には限度がある。使い手によって限界値は変わるものの、あんな高密度魔力をそう何度も吸収できるとは到底思えない。
「この国を滅ぼすつもりですか!?」
わたしの言葉とルピの顔面張り付き行為に正気を取り戻したのか、デュグディドゥさんは「シャトー…?」と小さく漏らしてわたしを見た。
「落ち着いてください、高魔力の撃ち合いなんてされたら貴方はともかくわたし達はただでは済みません。人間界と戦争でもするつもりですか?」
「え、あ、でも…………ごめんなさい」
わたしとソーヴィニヨンを何度も交互に見た後、デュグディドゥさんはしゅん、と項垂れた。
「わかっていただければそれで。ですが、今はそれどころではありません。このままではどのみちソーヴィニヨンのブレスでやられます」
「ブレスくらいなら吸収すればなんとかなるけど、それじゃあいつまでも終わらないし……仕方ない、魔界王様に迎えにきてもらおう」
そう言うとデュグディドゥさんは、まだ逃げずに残っていたアンリエッタ達に声をかけた。
「君達、ちょっとこっちに来て手伝ってくれない?」
「わかった!」「ええ!」「了解」
考えることなく即答した三人は柵を乗り越えてわたし達の元へ走り寄る。わたし達の会話がどこまで聞こえていたのかはわからないが、考える暇はないと瞬時に判断したのだろう。わたしとしてはブレスが吸収された直後になぜすぐ離脱しなかったのかが謎だが……腰を抜かしていた可能性もあるか。アンリエッタは涙を、ケインとルーカスは頬を伝う汗を、それぞれ手で拭う。
「何をしたらいい?」
「ルピ経由で門を開いて魔界王様を呼ぶ。必要な魔力は僕のを使って。君達には魔力のコントロールをお願いしたい」
「「「了解!」」」「ぷるん!」
中心にルピを置き、わたし達5人は五芒星の形になるように散開する。ルピがぷるりと震え体を伸ばしわたし達の腕に巻き付いた。
「シャトーは僕と一緒に状況判断を」
「了解」
元々魔力のないわたしは、魔力操作が壊滅的に不得手だ。魔界王を呼び出すほどの魔力なんて、正直に言ってお荷物以外の何者でもない。
ルピを通じて強大な魔力の流れを感じる。だんだんと中心であるルピへと集まっていく。いくら魔力の多いアンリエッタ達でも、これほどまでに強大な魔力には触れたことなぞなかろうに…。少しでもミスをすればどうなるか予想もつかない魔力を、3人は額に汗をかきつつも的確に制御していく。ルーカスが全体をみて、2人がその指示に的確に対応している。こちらは3人に任せて問題なさそうだ。
遠くで教師が1人、手で大きな丸を作っている。わたし達以外の生徒は無事に避難完了したようだ。手で合図を送り教師に退避するよう伝えると、再び丸を出してその場を離れた。
ソーヴィニヨンの溜め動作が先程よりも長い。まさに全身全霊の一撃、というやつだろう。
「向こうのほうが早そうですね」
「吸収できるから大丈夫だよ」
「ですが、左手は今ルピと繋がっていますよ?」
「右手でやれば……」
右腕に視線を向け、彼は肝心の腕が失われていた事に気づく。はて、何故ないのだろう?そんな仕草で首を傾げ、
「ああ、生やすの忘れてた」
そのセリフと共に切断面から細い触手が多数生えると、絡み合い元通りの腕になる。これだけでも驚きなのに、この間わずか1秒程の出来事なのだからさらに驚かざるを得ない。
デュグディドゥさんは手を動かして感覚を確かめると「これでもう大丈夫」と述べた。
彼の正体について考察したいところではあるが、最優先事項は現状の打開だ。驚きを胸にしまいつつ、ソーヴィニヨンに視線を向ける。
「残念ながら向こうのほうが先のようです」
「もう一回吸収するかぁ」
ルピの頭上、空間に亀裂が走る。後もう少しで完全に門は開きそうだが、予想通り先にソーヴィニヨンがブレスを放った。閃光、高熱、遅れてやってくる轟音。死と隣り合わせの生活とは無縁のアンリエッタ達には、一体どれほどの恐怖だったのだろうか。だが彼女達は狼狽えるようなことはしなかった。それどころか、気付いてさえいないかもしれない。
デュグディドゥさんがブレスを右手で吸い込み始める。彼が吸収しきれなければここで終わりだ。ブレスが尽きるのが先か、デュグディドゥさんの吸収容量を超えるのが先か、はたまた門が開くのが先か。
半分ほど吸い込んだと思われるところで、ついに門が完全に開いた。だが、ここで3人が現状に気づくとせっかくのコントロールが乱れてしまう。
「3人ともそのまま魔力をキープして!デュグディドゥさん、いけます!」
「了解!ルピ!」
「ぷるるん!」
ルピはわたし達の腕から素早く離れると門の中へ飛び込んだ。
「魔界王様によろしくね」
「ぷ~るるん!」
ルピを失った事で門が急速に閉じていく。
亀裂が指一本分の大きさになった時、そこから指が一本出てきた。そして亀裂をこじ開ける。一般人レベルに抑え込まれた魔力に惑わされてはいけない。何故ならば、空間をこじ開けるという事が既に一般人では不可能だからだ。
「デュグディドゥよ、魔界王に頼るのが早くないかね?」
からかい口調で男性が現れる。柔らかい色味の金髪、アクアマリンのような透き通った瞳、白い肌に整った顔立ち。魔界王よりも天使長の方がしっくりくる美青年。女の子にモテるから、という理由で青年姿に化けているこの人物こそ、魔界を統べる王の中の王、魔界王である。
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