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第弐幕 宿祢
第十八話
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突然輝き始めた宿祢の体に、全員の視線が集まる。
宿祢を中心に風が吹き、宿祢と冬、二人の体が浮き上がる。
「この気配は…」
洛穣が腰を浮かして呟いた。
宿祢の体内から青く輝く光の珠が現れる。
それは、听穣達が探し求めていた鞍識の落魂珠だった。
吹く風は強さを増し、足に力を込めないと吹き飛ばされそうだった。
二人の中心で輝く落魂珠に両手を伸ばし、宿祢は包み込むように支える。
ゆっくりと開かれた双眸は、慈愛に満ち溢れた聖母のように穏やかだった。
「冬殿、姫巫女になって多くの者を救うという夢、どうか叶えてくだされ」
まだ意識の戻らない冬に、穏やかに語りかける。
こんなにも誰かを想ったのは初めてだと、頭の隅でぼんやりと思った。
こういうのも、悪くはない。
「こんな拙者の為に尽力してくれて、本当に感謝いたす」
その声が届いたのか、冬の口が小さく動いた。
音こそ出なかったものの、その口ははっきりと「宿祢」と動いた。
落魂珠の輝きが増し、冬の傷がみるみる塞がっていく。
血色もよくなり、どうやら持ち直したようだ。
冬はもう、大丈夫。
一際強く輝いた光が辺りを支配した。
あまりの眩さに迦楼羅丸達は目を瞑る。
「本当に、ありがとう」
宿祢のその言葉は、光の中に溶けて消えた。
宿祢を中心に風が吹き、宿祢と冬、二人の体が浮き上がる。
「この気配は…」
洛穣が腰を浮かして呟いた。
宿祢の体内から青く輝く光の珠が現れる。
それは、听穣達が探し求めていた鞍識の落魂珠だった。
吹く風は強さを増し、足に力を込めないと吹き飛ばされそうだった。
二人の中心で輝く落魂珠に両手を伸ばし、宿祢は包み込むように支える。
ゆっくりと開かれた双眸は、慈愛に満ち溢れた聖母のように穏やかだった。
「冬殿、姫巫女になって多くの者を救うという夢、どうか叶えてくだされ」
まだ意識の戻らない冬に、穏やかに語りかける。
こんなにも誰かを想ったのは初めてだと、頭の隅でぼんやりと思った。
こういうのも、悪くはない。
「こんな拙者の為に尽力してくれて、本当に感謝いたす」
その声が届いたのか、冬の口が小さく動いた。
音こそ出なかったものの、その口ははっきりと「宿祢」と動いた。
落魂珠の輝きが増し、冬の傷がみるみる塞がっていく。
血色もよくなり、どうやら持ち直したようだ。
冬はもう、大丈夫。
一際強く輝いた光が辺りを支配した。
あまりの眩さに迦楼羅丸達は目を瞑る。
「本当に、ありがとう」
宿祢のその言葉は、光の中に溶けて消えた。
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