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四章 大江山の鬼編
49.鬼
しおりを挟む鬼それは日本の妖怪であり、伝説上の存在。ツノが生えており、人に危害をくわえたり、人を食べたりすると言われている。
その鬼が何故こんな場所に…?
「お、鬼…?」
「はい…」
鬼といえばあの鬼だと思う。でも何故この子が鬼に追われているのだろうか。
「あの、すみませ…」
妖花が聞く前に金髪の少女は肩から崩れ落ちた。脇道で倒れ込む金髪の少女見て駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか!?」
ゆっくりと体を支える。もう力が入らないのか体はぐったりしており、血の気も引いている。やはり、相当無理をしていたのだろう。私の声掛けにも反応しているようには見えない。
「あの、私の声が聞こえますか?」
妖花の呼びかけに金髪の少女はとても小さな声で伝える。
「き、気をつけてください…」
そう言って金髪の少女は気を失った。思ったよりも深刻な状態らしい。
「この傷や気を失うほど衰弱している様子を見るとさすがに心配…」
妖花は改めてこの子をどうにかして救いたいと思い、決心した。例え、彼女の言葉が嘘だとしてもこの子を救うことに意味がある。ここで彼女を見捨てる意味は無い。
「病院…。いや、妖怪を見てもらえるはずないか…。とりあえず、家に向かおう」
しかし、これからどうすれば良いだろうか。
この子曰く、その鬼から逃げているらしいがその鬼の特徴さえも分からない。
鬼といえばとても大柄の男、という勝手なイメージがある。それが本当なのかそうでは無いのか確認の仕様がない。
「ここから移動しようかな。この子のためにも」
気を失った少女を背中に背負ってゆっくりと移動を開始しようとするものの、すぐに立ち止まる。
「和服のままでは逆に目立ってしまうかもしれないよね」
そう思い、とりあえず妖花は自分のバックを探る。何かこの子に使えそうなもの……。
「こ、これならまだ…」
取り出したのは体操服。それも自分が使った物。うん、やめておこう。
例え、彼女の服装が目立つといえど私が着せるのは不味い気がする。
家まではまだ少しあるけれど仕方がないか。
妖花は金髪の少女を背負って走り始めた。言い方は悪いけれど、とても走りやすい。なぜなら人にしては軽いと思ったからだった。
自らの足で走り始めてから少し経ってからふと立ち止まる。
「鬼と言われてもどういう姿なのか検討もつかない。もし普通の人間と同じくらいの体つきなら見分けがつかない…」
いや、待て。彼女はこうも言っていた。
『ツノのついた妖怪』
ツノだ。ツノ、鬼にはツノが生えているらしい。ならばその頭に生えているツノを頼りに…と考えたがそううまくもいかないだろう。ツノが生えているなら普通に分かる。何かしら帽子をかぶったり髪を長くしたりしている人がいたら注意するくらいしかできない。
「と言うよりもこの子…」
追われていた金髪の子はやはり鬼だろう。このおでこにあるコブ?のようなものが証拠。それに自分が鬼と伝えて貰ってないけれど、考察するまでもなく彼女が鬼であることは確実。
同胞に追われているということは何かしらこの子が仲間にしたのかそれともされたのか。どちらにせよ、助けることに変わりない。
「ということはこれくらいのコブがある人が居ればそれは鬼ってことなのかな。でも仮に見つけたとして追われたらどう対処するべきか」
それにこの子のツノを見る限り髪で隠れていた場合、把握出来ないだろう。鬼が何体この場所にいるかも把握出来ていないのに動くことは危険。
「とりあえずは家に向かうしかないかな」
考えすぎかもしれない。でも、緊張感は持っておくべきだろう。夜市の件で妖怪の恐ろしさは知っている。妖花はいるかいないかすら分からないその鬼のために神経をすり減らす。
「家はここからだと…」
脇道に入り、考えてみる。
どうやって家に向かうか。
この子の服装さえ変えれればいいんだけど…。
もちろん起きてくれれば話が早い。しかし、彼女はこんなにも血が出ているのだ。流石に起こすことは出来ない。
そこで考え、考え、考える。
そしてあることを思いついた。
「これなら、簡単にできるはず!」
妖花は近くに設置された公衆電話に向かった。
そして持っていたお金を入れてある場所に電話をかける。受話器を耳に当てて、出ることを祈る。
「はい、千子ですけど。どちら様でしょうか」
音声が聞こえた。
「もしもし、私だよ。妖花」
簡単な事だった。とても簡単なこと。
電話で親を呼べば解決することだった。ただ、鬼に見られている可能性はゼロではない。しかし、この方法しか無かった。
歩けば人目に付く。それは避けたかった。
「あら、妖花。どうしたの、電話なんてかけて」
「うん、実はちょっと車で来て欲しいんだ」
「別にいいけれど…どうかしたの?」
「後で説明するから」
「うん。今は品原のおじさんのところに出前に行ってたから。急なら店長さんに言ってすぐに向かうね」
最近、妖花の母親はパートを始めていた。町中華のお店らしく、出前に行った先のお客さんの話を良くしてくれている。どうやら、母親と元々仲の良い人みたいだ。
「うん!なら……」
そう言って来て欲しい場所を言ってから電話を切った。
「これで多分大丈夫。あとは見つかってないことを祈るだけ」
程なくして白い軽自動車が妖花の前に現れた。
「妖花ー」
そう言って出てきたのは妖花の母親だった。パート終わりで疲れているのに申し訳ないなと思いつつ妖花は母親を見つけて手を振る。
「あっ、お母さん。こっち!」
「うん、じゃあ乗って。ってどうしたのよその子」
「わけは後で話すからとりあえず帰ろう」
「え、えぇ」
状況が呑み込めていないような返事をとり、そのまま車を走らせた。車の中は冷房がかかっていてとても涼しい。先程の暑さが嘘のようだった。
「で、妖花。その子どうしたのよ。その和服きた女の子」
「あ…」
どうする。正直に話すことは出来ない。
何かいい案は…。そうだ、こうしよう。
「えっとね。この子、私の友達なんだ」
「と、友達ね。そっか、そっか」
妖花の母親は友達という単語に弱いことを妖花は知っている。友達のことをいえば喜んで母親は力をいつも貸してくれる。娘を思ってのことなのだろうと妖花は思う。それに漬け込むことは嫌だとは思ったが今は致し方ない。
「それでその子どうかしたの?」
「う、うん。ちょっと熱中症で倒れちゃったから」
そう言うと母が妖花に正論を言った。
「なら、病院行った方がいいんじゃないの?」
「あっ、えっと。この子がさっきまで意識あって病院には行かなくていいって言ってて」
言い訳が持たないが、今は突き通すしかない。
「この子もいずれ起きるから。その時に色々と聞くから後で話はするから!」
これで私から告げることは何もない。変な喋り方にもなっていた気がする。
正直言い訳が下手すぎて自分が嫌になる…。
「あ、うん。その子の家の電話番号とか知ってる?それが分かればあとで連絡しとくけど」
「ご、ごめん。この子の電話番号知らないかなぁ~」
首を横に振って知らないことを猛アピールする。
「そっか。分かった。それでその子名前はなんて言うのよ。妖花の友達なら起きてから少し妖花との話とか聞きたいし」
いや、まずい。名前?名前なんて知らない。この子とはさっき出会ったばかりなのだから。
やばい、名前?名前って?何かいい名前ないかな。これからこの子が呼ばれるわけだし。
えっと…えっと…
その時、テレビからの音を聞いた。
「今井さんが奏でるピアノの音色は素晴らしい出すねー」
この時テレビから流れた言葉が妖花の耳に入り直ぐに名前が口から出た。
「か、かなでだよ。音を奏でるの奏」
「かなでちゃんね。分かったわ」
とりあえず、何とか乗り切った。ごめん、金髪の少女さん。あなたの名前を勝手に奏にしてしまった。起きた時にちゃんと説明するからね。
「その子、同じ中学の子でしょ?明日のテスト大丈夫なのかしら」
「あ、この子は同じ中学校では無いよ」
これだけは嘘をつけない。なぜなら母親は夏海とも仲が良いからだ。
ここで嘘をついてしまうと色々と面倒なことになる。もし、夏海が家に遊びに来た場合このことについて聞かれたら答えようが無くなるからだ。
「そうなんだ。同じ中学校じゃないのね」
「う、うん。ちょっと私、疲れたから寝るね」
もう正直無理だ。これ以上嘘を重ねることは出来ない。
寝る。そうすることで母親が私へと話しかけることはなくなる。確かに家に帰ってからは質問されるだろうが質問される量が変わる。それだけでいい。
「そう、おやすみ。でも、夜に眠れなくなったら困るから程々にね」
「おやすみ…」
本当は目を瞑っているだけでよかったのだが疲れからか本当に寝てしまった。
「すぅー、すぅー」
寝てしまった妖花を見て笑顔になっている母親。
「妖花の友達か。夏海ちゃんとなごみちゃんくらいしか知らなかったけど沢山いるんだね」
妖花と金髪の少女、奏は頭をくっつけて静かに眠っていた。
「良かった。安心した」
車を運転しながら妖花の母親は呟く。そんなことも知らずに妖花は眠っていたのだった。
あれからどれくらいたったのだろう。
私の意識が覚醒したのは母親の声が聞こえたからだ。
「妖花、妖花。着いたよ」
肩をゆらされて目を開ける。
「ん?ここは…」
「家だよ。着いたから起きて」
「あっ!うん!」
直ぐに妖花は起き上がった。どれくらい時間が経ったのだろうか。もう日が沈んでいる。
「お母さん、ありがとう」
「いいのよ。それよりその子どうしましょう」
私の肩で目を瞑る金髪の少女はまだ起きないようだった。
「だ、大丈夫だよ」
「そういう訳にはいかないわよ。この子の両親も心配しているだろうし」
確かにその通りだ。母親の言っていることは正しい。
しかし、この子を助けたい。
「今日私の家泊まって行かせたらダメかな」
「え?でもあなた明日テストでしょ?」
そうだった。明日テストだった。すっかり忘れていた。
「わ、わかってるよ。でもしょうがないじゃない?親御さんとも連絡つかないし」
「そ、そうね…。学校も違うのよね。どうしようかしら」
「大丈夫だよ。この子が起きたら伝えてくれればいいし」
「わかったわ。この子のご両親も心配しているだろうから今度改めてご挨拶しましょう」
そう言って何とか母親を説得して今日のところは金髪の少女を家に泊まらせることに成功した。
「じゃあこの子、私の部屋に連れていくね」
「うん、お客さん用の部屋もあるけど。友達なら妖花が一緒の部屋に泊まらせた方がいいわね」
「うん!」
妖花は金髪の少女を持ち上げると直ぐに自室へ向かった。
「何とかなった…」
とりあえず、自分のベットの上に横たわらせる。改めて見てみてもこの子はとても可愛いと思った。
「血、大丈夫なのかな」
妖花はそっと、血のついた着物を脱がす。
ダメだという感情もあったがあれだけの血。このままでは血でバレてしまうし、なによりも傷があるならどうにかしなければ。
妖花は着物を脱がせて、傷のあるであろう場所を見て驚く。
「傷がない。いや、傷はあったんだと思う。でも、もう治っている」
本当に妖怪なのか、それとも普通の人間なのか確実に妖怪なのだろう。あれだけの血。傷があったとしたら深いものだろうと思っていた。
なのに、その傷はなく、血が出ていたであろう血痕だけはある。
「とりあえず、良かった…」
でも、とりあえず傷が塞がっていて何より苦しい表情ではないところを見るとおそらくは大丈夫なのだろう。
「ん…。これからどうしよう。この子が起きないと説明も出来ないわけだし、何も進まない」
鬼に追われている少女を成り行きとはいえ匿ってしまった。
おそらくその追手は血眼になってこの子を探しているはずだろう。もし、この家にいると分かればすぐに来るはず。
もし、お母さんの身に何かあれば…。
その時、インターフォンが鳴る音が聞こえた。
「え!?」
すぐに1階に降りるともう母親が玄関の扉に手をかけていた。
「あっ!」
そして母親は玄関の扉を開いた。
扉の向こう側には…
「やっほー!私です!」
夏海が立っていた。手を挙げて私の方に手を振ってくる。
「な、夏海か…」
ホッとした。ここで鬼と出くわすなんてことになれば最悪だ。改めて考えて見ると大変なことを引き受けたのでは無いかと思う。
「あら、夏海ちゃんじゃない。久しぶり」
母親がそう話しかけると夏海は鞄からプリントを取り出した。
「お久しぶりです。これを妖花に…って妖花いるじゃん!」
母親も後ろを振り返り私の存在を確認したらしい。
「あら、妖花。夏海ちゃんがプリント届けに来てくれたわよ」
「あ、うん」
玄関で夏海から直接プリントを受け取る。
「それでこれなんのプリント?」
「これは忘れ物だよ。ほら」
よく見ると私の書いた文字がある。どうやら本当に忘れ物のようだ。
「ありがとう」
「ううん。あの後もう一度部室に行ったらプリントあったから誰のだろうって確認したら妖花のだったから。それで私が届けようってなったわけ」
「わざわざありがとうね」
母親もお礼を伝える。すると母親があることを言った。
「そういえば夏海ちゃん。今、妖花の友達が来てるんだけど」
…。え!?
「ねぇ、妖花?」
名前を呼ばれて妖花は返事を返す。
「あ、うん。でも夏海は知らない子かな。私が知り合いってだけだから」
「そうなんだ!何?同じ中学の子!?」
「ううん。ち、違うよ…」
正直違うとしか言えない。私はあの子のことを知らないのだから。知っていることといえば鬼に追われていることだけ。
「そっか、妖花の友達か!気になるけど今日はおいとまさせていただきます!明日のテストで頭いっぱいなので!」
「うん。わかったわ」
母親が返事を返すと夏海は帰るために玄関の扉に手をかける。
「バイバイ、妖花」
「うん、またあしたね」
「気をつけて帰ってね。またいつでも遊びに来ていいから」
母親がそう言うと夏海は深くうなづいた。
「はい!もちろんです!」
夏海は玄関の扉を開け、ゆっくり閉めると走って帰っていった。夏海は明日のテストのために張り切っているということは伝わった。
「夏海ちゃんも知らない子だったのね」
「う、うん。私が個人的に知り合ったから」
「そうなのね。そうだ、もうご飯出来てるから食べちゃいなさい。奏ちゃんはまだ起きない?」
「見てくるよ」
妖花は2階の自室の扉を開くと金髪の少女はベッドに横たわったまま目を瞑り、気を失っている。
「目が覚めないのも無理ないかな。あんなに血を流していたから。早く起きてくれることを願ってるけど仕方ないか」
無理に起こそうとはせずにすぐに1階に母親に伝える。
「まだぐっすり眠ってるみたい」
「そっか。一応作っておいたんだけどね。置いておくから起きたら温めて食べてって伝えて」
「うん。わかった」
母親の優しさに感謝しつつ妖花は今日の夕飯に手をつけようとした時、一瞬手が止まる。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。いただきます」
妖花は笑顔でそう言って手を合わせてから夕飯を口に運んだ。
「どう?」
「美味しいよ」
今日の夕飯は豚のしょうが焼きだった。
咀嚼しながらふと思い出してしまう。
今日の出来事を。金髪の少女の腹部からの血。思い出してしまうと食欲が無くなっていくのを感じる。
テレビの音が聞こえる。
どうやら、政治についての討論をしているらしい。
「ねぇ、妖花。明日テストだからお昼ないわよね?」
声をかけられて妖花は驚きながら反応する。
「え、あ、うん。明日テストだからないよ」
明日はテスト。勉強はしてきたがあの子のことが心配で集中出来そうにない。
しかし、今は仕方ない。これからどうするかは後々考えよう。仮に明日私のいない間に起きてしまったとしても大丈夫。おそらく、事情は察してくれるはず…
そんな期待をしつつ、妖花は明日のテストのために夕飯を食べたあとすぐに勉強を開始した。
後ろで眠る少女のことを気にすることなく。
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