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第1話エージェントSIX①
しおりを挟むある男に照明が照らされる。男は日本国内に存在する施設の中にいた。周りは機械のような無機質な壁に囲まれている。男は正座で硬い床に脚をつけていた。
『エージェントSIX、よく来てくれた』
スピーカーから流れてくる男の声が聞こえて証明に照らされていた男が答える。
「あー、はい」
エージェントSIXそう呼ばれた男はボサボサの髪に身長175cmの髭が生えていた。猫背で欠伸をしている。顔はそれなりに整っていて某有名俳優に似ている。目のクマからしてあまり良い生活をしているようには見えない。
『君に任務を与える』
「お久しぶりです。ありがとうございます」
深々お辞儀をする男に対して上官らしきスピーカーの男の直れの司令で男は頭を元の位置に戻す。
『君も知っている通り、現在日本は暗殺者の存在に脅かされている』
この国、日本は現在秘密裏に動いている暗殺者の存在を確認している。政府は"緊急対策理事会"を発足し、対応に追われている。暗殺者の存在を政府は明らかにはしておらずあくまでも通常通り国を運営している。
2024年8月21日に県知事の襲撃があり、一般人にも被害が出たことから国は緊急で事に当たっている。また、暗殺者の標的は現在明らかになっておらず、政府関係者に重点を起き、警護をするなど対策を取ることとなっている。
「はい、隣人の新聞を拝借して読んでいます」
『んッ?まぁいい。君に来てもらったのは他でもない、その暗殺者から日本を守って貰いたい』
「お易い御用です」
深々とお辞儀する男に対してまた上官らしきスピーカーの男は直れと司令をする。
「それでは、任務の内容を伝える。君にしてもらうことは東京に潜む暗殺者を殺すことだ」
"殺す"その言葉を聞いてエージェントSIXのだらけった目付きが真剣な目付きに変わる。
「暗殺者を暗殺ですか」
「あぁ、その暗殺者は現内閣総理大臣、丸山忠臣のご子息にあたる丸山零の暗殺を企てている可能性がある。君には来年丸山零が入学する高校に潜入し、暗殺者を殺害してもらう」
「えっと、聞いていいですか?」
「何だ、質問か」
「暗殺者は学校にいるんすか?」
「いる、確実に同じ高校に入学及び在籍しているだろう。どこからか情報漏れが起きたことは事実だからな」
「じゃあ、暗殺者の殺害と丸山何とかの護衛ってことですか?」
「あぁ、守護することも任務には含まれているがあくまでも暗殺者の殺害を優先しろ。学校以外の人間にも暗殺者が紛れている可能性は十分にあるからな」
あくまでも暗殺者の殺害を優先…ってことは、警護する人間は他にいるってことか。恐らく俺は自由に暗殺者を探せるか。
「聞いているかエージェントせっ…SIX」
「今噛みました?」
「噛んでなどいない!君の住居や学校の制服及びその他必要な物は既に用意してある。君には来年4月に高校に入学してもらい、暗殺者を探せ」
4月まではあと一週間と言ったところか。さぁ、ここからどうするか。一応聞くか。
「それまでの間はどうするんすか」
「それについては司令書を既に住居に置いてある」
「分かりましたー」
とりあえず、その住居に行くとするか。
「君には期待しているぞ。あの"実験"の6番目の生還者なのだからな」
「はい────」
男はまたも深々とお辞儀する。そして、例のごとく上官らしきスピーカーから聞こえる男の声で身体を戻した。
「では、エージェントSE…SIX。健闘を祈る」
「今、噛みましたよね。絶対噛みましたよね」
「うるさい、さっさと任務に戻れ!」
男の地面が急に動き、天井へと向かう。
エージェントSIX、俺がそう呼ばれているのは他にもエージェントがいるからだ。俺は6番目の被検体。生き残った俺は死ぬまで政府で働くことを義務付けられている。
そして、今回の任務は日本に潜む暗殺者の殺害及び標的の警護。
敵があの実験の生還者なら今回の任務、死人が出るな。
仲間がいるならあの"実験"の他の生還者かそれとも…
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