317 / 318
番外編
〇年後…2
しおりを挟む
「そんなわけにいかないよね。はい!お仕事頑張って!」
私は寂しそうにする二人を慰めて、カイルを送り出した。
「うぅ…パァパ…」
セトは顔を埋めながらチラッと仕事に向かっていくカイルの後ろ姿を目で追う。
「セト見て、お仕事に向かうパパってかっこいいね」
「うん…」
「セトもいつかパパみたいにかっこよくなるかな?」
「なる!」
「なら泣いてちゃダメだよ。男の子でしょ?それに…」
私はにっこりと笑うと
「セトはもうすぐお兄ちゃんになるんだよ?」
「おにいちゃん?」
セトは私を見つめて首を傾げた。
セトを下ろして目線を合わせるように屈むと…お腹を撫でた。
「ママのお腹にね…セトの妹か弟がいるんだよ。生まれてきたらセトはお兄ちゃん!下の子を守ってくれるかな?」
「ぼく…おにいちゃん…」
セトは驚くと慌てて涙を拭いた!
「ぼく!もうなかない!おにいちゃんだから」
急にたくましく男の子の顔になった。
「ふふ、パパにそっくりでかっこいいなぁ~」
私は愛おしくてセトを抱きしめる。
「あっセト…パパにはまだ内緒だよ。驚かせるからね」
「うん!」
セトはにっこりと笑った。
そして手を繋ぎ屋敷の中に一緒に戻った…
夕方になりカイルが屋敷に帰ってくると…
「パパおかえり!ごはん!」
セトはカイルを迎えて早く早くと手を引っ張って連れていく。
「おいおい、どうしたんだ?」
手を引かれながらもカイルは嬉しそうにセトの後をついて行く。
「はい!パパすわって!」
するといつもなら私の隣は自分の席なのにカイルに譲った。
「え?ここに座っていいのか?」
「うん!」
カイルは戸惑いながらも席に座ると
「セトはどうしたんだ?」
隣の私にコソッと聞いてくる。
「さぁ…どうしたんだろうね?少し大人になったのかな?」
私はクスクスと笑いながらセトとカイルの様子を眺めていた。
食事も終わり寝る支度を整えてベッドに向かおうとすると…
うつらうつらとセトが頭を傾げている。
「ふふ…今日はたくさんお手伝いをしてくれたから疲れたのね」
私がセトを抱きあげようとすると…
「俺が…」
カイルがサッとセトを抱き上げてくれた。
「大きくなったなぁ…」
しみじみとセトを抱き上げてその重さを噛み締める。
「そうね…毎日本当に色んな成長を見せてくれて…」
その可愛い寝顔を覗き込む。
セトをベッドに寝かせると…
「ローズ…」
部屋を少し暗くしてカイルが手を握りしめた。
優しく手を引かれてソファーへと連れていかれる。
「カイル?セトが起きちゃうよ…」
「あんなにぐっすりなんだ…ローズが声を我慢すれば大丈夫だよ…」
髪を耳にかけられながらじっと顔を見つめられる。
それだけで体が熱くなるのを感じた。
「愛してる…」
カイルはそういいながら唇を押し当てる。
私もそれを待っていたかのように受け止めた…カイルの熱くなる舌先に自分の舌を絡めると…
「ローズ…」
カイルの吐息がおでこにあたる。
火照った体にぎゅっと抱きつくと…
「ごめんなさい…今日はここまで…」
私の言葉にカイルは目を見開いた!
「えっ!?な、なんで!」
少し大きな声に慌てて口に手を押し当てる。
そっと振り返ってベッドを見るがセトが起きた様子はなかった。
ほっと息を吐くと…私はカイルの手を握りしめてその手をお腹へと運ぶ…
そしてお腹を撫でさせると…
「まさか!?」
カイルの驚く顔ににっこりと微笑んだ。
「セトは知ってるのか?」
「ええ」
「だからあんなに張り切ってたのか…」
セトの様子を思い出したのかクスッと笑う。
「ごめんなさい…だからしばらくは…」
私はカイルの思いに答えられないことを謝ると
「何を謝る…こんな嬉しいことを…それに…」
そう言って笑うと私をそっと抱き上げた。
「別にキスはし放題だよな」
「え?ええ…もちろん」
私は笑いながら頷いた。
「なら大丈夫…可愛い我が子のためならなんだって我慢出来る」
カイルはそう言うと頬に優しく手を添えて舐めるようにキスをする…
あんまり甘くしないでほしい…
カイルを見つめて熱くなった体をよじる。
自分の方が我慢できなくなりそうだった…
そのままカイルに抱きしめられながら眠りについた。
♡
「ローズ…ローズ…」
カイル様の声にローズは目を開けた。
「おはよう…」
目覚めてカイル様の笑顔に一瞬自分が何処に居るのかわからなくなった…
「どうした?」
ボーッとする私にカイルは構わずにキスを落としていく。
「あれ…カイル様…セトは?」
「セト?それって誰?」
カイル様が男の人の名前に顔をしかめる。
「セトです…私とカイル様の可愛い子供…」
「ふっ…ローズ気が早いね。まだ俺達には子供はいないよ?」
カイル様がクスクスと笑うと、ようやく頭が晴れてきて今の状況を思い出した。
ああ…そうだ。
私達は結婚したばかりでまだ子供は出来ていない…いつか可愛い子がなんて話をして寝たから夢を見たようだ…
「なんか…すごいリアルな夢を見ました…カイル様にそっくりな可愛い子供がいる夢です」
「へぇ…それがセト?」
「はい…」
ああ…あの可愛い子は夢だったのか…
隣にいないあの温もりが恋しくなる。
「セト…か。すごく可愛い名前だね、本当に男の子が産まれたらそう名ずけようか?」
「え?いいんですか?」
「もちろん…でもその為にはまずは子供を作らないとね…」
カイル様はそう言って笑うと私の服を脱がせる。
「こ、こんな朝から!?」
「だってローズ…早くセトにに会いたくない?」
「会いたい…です」
「なら決まり…今日はゆっくり一日一緒にいよう」
カイル様は嬉しそうに上着を脱ぐと覆いかぶさってきた。
カイル様に似た可愛い子供…
私はカイル様の顔を引き寄せて自分からキスをした…
もう少し待っててね…私達の愛しい子。
私は寂しそうにする二人を慰めて、カイルを送り出した。
「うぅ…パァパ…」
セトは顔を埋めながらチラッと仕事に向かっていくカイルの後ろ姿を目で追う。
「セト見て、お仕事に向かうパパってかっこいいね」
「うん…」
「セトもいつかパパみたいにかっこよくなるかな?」
「なる!」
「なら泣いてちゃダメだよ。男の子でしょ?それに…」
私はにっこりと笑うと
「セトはもうすぐお兄ちゃんになるんだよ?」
「おにいちゃん?」
セトは私を見つめて首を傾げた。
セトを下ろして目線を合わせるように屈むと…お腹を撫でた。
「ママのお腹にね…セトの妹か弟がいるんだよ。生まれてきたらセトはお兄ちゃん!下の子を守ってくれるかな?」
「ぼく…おにいちゃん…」
セトは驚くと慌てて涙を拭いた!
「ぼく!もうなかない!おにいちゃんだから」
急にたくましく男の子の顔になった。
「ふふ、パパにそっくりでかっこいいなぁ~」
私は愛おしくてセトを抱きしめる。
「あっセト…パパにはまだ内緒だよ。驚かせるからね」
「うん!」
セトはにっこりと笑った。
そして手を繋ぎ屋敷の中に一緒に戻った…
夕方になりカイルが屋敷に帰ってくると…
「パパおかえり!ごはん!」
セトはカイルを迎えて早く早くと手を引っ張って連れていく。
「おいおい、どうしたんだ?」
手を引かれながらもカイルは嬉しそうにセトの後をついて行く。
「はい!パパすわって!」
するといつもなら私の隣は自分の席なのにカイルに譲った。
「え?ここに座っていいのか?」
「うん!」
カイルは戸惑いながらも席に座ると
「セトはどうしたんだ?」
隣の私にコソッと聞いてくる。
「さぁ…どうしたんだろうね?少し大人になったのかな?」
私はクスクスと笑いながらセトとカイルの様子を眺めていた。
食事も終わり寝る支度を整えてベッドに向かおうとすると…
うつらうつらとセトが頭を傾げている。
「ふふ…今日はたくさんお手伝いをしてくれたから疲れたのね」
私がセトを抱きあげようとすると…
「俺が…」
カイルがサッとセトを抱き上げてくれた。
「大きくなったなぁ…」
しみじみとセトを抱き上げてその重さを噛み締める。
「そうね…毎日本当に色んな成長を見せてくれて…」
その可愛い寝顔を覗き込む。
セトをベッドに寝かせると…
「ローズ…」
部屋を少し暗くしてカイルが手を握りしめた。
優しく手を引かれてソファーへと連れていかれる。
「カイル?セトが起きちゃうよ…」
「あんなにぐっすりなんだ…ローズが声を我慢すれば大丈夫だよ…」
髪を耳にかけられながらじっと顔を見つめられる。
それだけで体が熱くなるのを感じた。
「愛してる…」
カイルはそういいながら唇を押し当てる。
私もそれを待っていたかのように受け止めた…カイルの熱くなる舌先に自分の舌を絡めると…
「ローズ…」
カイルの吐息がおでこにあたる。
火照った体にぎゅっと抱きつくと…
「ごめんなさい…今日はここまで…」
私の言葉にカイルは目を見開いた!
「えっ!?な、なんで!」
少し大きな声に慌てて口に手を押し当てる。
そっと振り返ってベッドを見るがセトが起きた様子はなかった。
ほっと息を吐くと…私はカイルの手を握りしめてその手をお腹へと運ぶ…
そしてお腹を撫でさせると…
「まさか!?」
カイルの驚く顔ににっこりと微笑んだ。
「セトは知ってるのか?」
「ええ」
「だからあんなに張り切ってたのか…」
セトの様子を思い出したのかクスッと笑う。
「ごめんなさい…だからしばらくは…」
私はカイルの思いに答えられないことを謝ると
「何を謝る…こんな嬉しいことを…それに…」
そう言って笑うと私をそっと抱き上げた。
「別にキスはし放題だよな」
「え?ええ…もちろん」
私は笑いながら頷いた。
「なら大丈夫…可愛い我が子のためならなんだって我慢出来る」
カイルはそう言うと頬に優しく手を添えて舐めるようにキスをする…
あんまり甘くしないでほしい…
カイルを見つめて熱くなった体をよじる。
自分の方が我慢できなくなりそうだった…
そのままカイルに抱きしめられながら眠りについた。
♡
「ローズ…ローズ…」
カイル様の声にローズは目を開けた。
「おはよう…」
目覚めてカイル様の笑顔に一瞬自分が何処に居るのかわからなくなった…
「どうした?」
ボーッとする私にカイルは構わずにキスを落としていく。
「あれ…カイル様…セトは?」
「セト?それって誰?」
カイル様が男の人の名前に顔をしかめる。
「セトです…私とカイル様の可愛い子供…」
「ふっ…ローズ気が早いね。まだ俺達には子供はいないよ?」
カイル様がクスクスと笑うと、ようやく頭が晴れてきて今の状況を思い出した。
ああ…そうだ。
私達は結婚したばかりでまだ子供は出来ていない…いつか可愛い子がなんて話をして寝たから夢を見たようだ…
「なんか…すごいリアルな夢を見ました…カイル様にそっくりな可愛い子供がいる夢です」
「へぇ…それがセト?」
「はい…」
ああ…あの可愛い子は夢だったのか…
隣にいないあの温もりが恋しくなる。
「セト…か。すごく可愛い名前だね、本当に男の子が産まれたらそう名ずけようか?」
「え?いいんですか?」
「もちろん…でもその為にはまずは子供を作らないとね…」
カイル様はそう言って笑うと私の服を脱がせる。
「こ、こんな朝から!?」
「だってローズ…早くセトにに会いたくない?」
「会いたい…です」
「なら決まり…今日はゆっくり一日一緒にいよう」
カイル様は嬉しそうに上着を脱ぐと覆いかぶさってきた。
カイル様に似た可愛い子供…
私はカイル様の顔を引き寄せて自分からキスをした…
もう少し待っててね…私達の愛しい子。
298
お気に入りに追加
8,923
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。