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「ま、まさか…全部本当に本当?」

イブは伺うようにクリスを見つめると

「さっきからそうだと言ってるよね?」

「な、なんでそんな方がこんな辺境地に…こんなド田舎なら何しても大丈夫だと思った…」

「ば、馬鹿!イブ何を言うんだ!!クリス様!知らないです!私は知りませんでした!」

「そうだ!俺も知らない!あんなの娘でもない!」

二人は呆けたイブを切る事にしたようだ。

「私達親子でも夫婦でもないの!ただの仲間!だからこいつらとは関係ない!悪いのは全部こいつらです!助けていただけるならなんでも話します!それこそ王都での貴族達の秘密でもなんでも!」

「おい!それなら俺も話します!こいつより詳しいですから!」

リスリーとドリーは醜い争いをしだした。

「本当に呆れるね…」

クリスは喧嘩し合う二人を見つめると…

こいつらは王都に連れ帰って離して尋問した方が良さそうだな…

お互いが何を話したかわからなければベラベラとなんでも話そうだ。

「わかった、お前らは王都に連れていき話を聞こう。優良な情報を話せば…ね」

クリスは言葉を濁して微笑んだ。

「わかった!俺から……!」

ドリーが早速話出そうとすると…

「ああ、あともうひとつ、今から決して声は出すな。喋るのは王都に行ってからその前に話せば全て無かった事にするからね」

「いっ!!……」

コクコク!

二人は口を閉じると何度も頷きあいお互いを睨み合った。

「よし、絶対に喋るなよ…その不快な声を聞かせた途端、首を刎ねるからね」

「えっ?」

ドリーはクリスの言葉に一言声を上げた。

ドサッ…

重い物が落ちる音にリスリーは横を向くとそこにはドリーの首のない体から血が吹き出していた…

「んー!んんんー!」

リスリーは必死に口を押さえて叫び声をおさえる。

「何、早速喋ってるの?別に話をする奴は一人居ればいいからね…」

クリスはリスリーとイブを冷たい眼で見つめた。

ジョロロロ…

リスリーは穴という穴から汁を垂れ流した。

目や鼻からは涙や鼻水がタレ流れ、口からは嗚咽が漏れるが必死に我慢する。

口を押さえる手の指の間からはヨダレが流れた。

我慢しすぎて下は失禁するがそんな事はお構い無しだった。

隣で首を切られたドリーの体がピクピクと痙攣しているのがただただ恐ろしかった。

自分は手を出しては行けない人に手を出したのだとようやくわかった。

そして我慢の限界を超えるとプッツンと緊張の糸が切れて地面に顔から倒れ込んだ。

「あーあ気絶したか…まぁいいや。で?あんたはどうするの?」

今だブツブツとなに言っているイブに話しかけると

「おかしい!おかしい!なんで私じゃなくてあんな田舎臭くて可愛くない女が幸せで私が不幸になるのよ!」

クリスはイブに近づくとガっとその細い首を掴んだ。

「あのさぁ…さっき言ったよね?ハルジオンは僕の婚約者だって。僕の悪口ならまだ流せるけど彼女の事を悪く言う事は決して許さないから…」

「グッ…フッ…」

イブは締め付けられる首に意識が遠くなった…
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