303 / 318
連載
364.三兄弟
しおりを挟む
クリス達は町の収容所に向かうと…
「こんなことをしてただで済むと思うなよ!俺達は王都の商人達に顔が聞くんだぞ!」
「そうよ!こんな事王都の御用達の貴族の人達が聞いたらこんな町取り潰しになるからね!」
外にまで響く声であの両親が醜く叫んでいた。
「うわぁ…あれってここまで一緒に来た空気読めない商人の人達だよな?」
ロイ王子が顔をしかめた。
「そうですよ!ロイ王子がキャシー様に夢中で全然気にしてもいなかったあの人達です!」
「クリス…なんか怒ってる?」
ロイ王子はクリスに伺うように問いかけた。
「怒ってませんけど?一文官の僕が王子に文句なんて言える訳ありませんよね!?」
クリスに睨まれてロイ王子はカイルのそばにそっと近づくと…
「なんかクリス機嫌悪いよな?そんなにあの親子の事を怒ってるのか?」
そっと耳打ちすると
「それもあるけど一番はいい所で邪魔されたからじゃないか?」
二人でボソボソ話し合っていると
「お二人共僕の特技知ってますね?全部聞こえてますからね」
先を歩いていたクリスが振り向きもせずに注意した。
「はいはい!クリス怒るなよー!この後ちゃんと手伝ってやるから!」
ロイとカイルはプクッと頬を膨らましたクリスを両側から肩を組む。
「本当…ですか?」
クリスは二人をジロっと見ると
「ああ!俺達はみんな自分の彼女に夢中なただの男だ、王子も領主も兄も関係ない!ここは三人思いは一緒!ならさっさとこの件、片付けて愛しのあの子の元に戻ろうぜ」
「そうですね、それは大賛成です!もう王子達が来てから全然ローズと二人っきりになれなくてイライラの限界でしたから」
カイルが頷く。
「なんか一言余計だが俺達はお互い相手と二人っきりになりたいんだ。なら協力し合おうぜ」
クリスは二人の顔を見つめると…
「悪くないと思います…」
コクっと頷く。
「よし!ならさっさとその馬鹿親子を片付けちまおうぜ」
「そうですね」
三人は小屋の前に立ちノックすると…
「はい」
町民が声をかけた。
「クリスです」
「ああ、クリス様待ってました!もうこの人達全然話が通じなくて…」
町の人が扉を開けるなり困り顔を浮かべて三人を見た。
「あれ?クリス様に…カイル様…それと…」
ロイ王子をみて顔を蒼白にする。
「やぁ!クリスの雇い主のロイです!」
ロイが笑顔で手を上げる。
「あ、ああロイ様までこんなところに…クリス様!いいんですか!?」
「本人が来たいって言ってるからいいんですよ、それよりもあの人達はどうですか?」
クリスは捕まえたドリー親子を冷たい眼差しで見つめた。
「こんなことをしてただで済むと思うなよ!俺達は王都の商人達に顔が聞くんだぞ!」
「そうよ!こんな事王都の御用達の貴族の人達が聞いたらこんな町取り潰しになるからね!」
外にまで響く声であの両親が醜く叫んでいた。
「うわぁ…あれってここまで一緒に来た空気読めない商人の人達だよな?」
ロイ王子が顔をしかめた。
「そうですよ!ロイ王子がキャシー様に夢中で全然気にしてもいなかったあの人達です!」
「クリス…なんか怒ってる?」
ロイ王子はクリスに伺うように問いかけた。
「怒ってませんけど?一文官の僕が王子に文句なんて言える訳ありませんよね!?」
クリスに睨まれてロイ王子はカイルのそばにそっと近づくと…
「なんかクリス機嫌悪いよな?そんなにあの親子の事を怒ってるのか?」
そっと耳打ちすると
「それもあるけど一番はいい所で邪魔されたからじゃないか?」
二人でボソボソ話し合っていると
「お二人共僕の特技知ってますね?全部聞こえてますからね」
先を歩いていたクリスが振り向きもせずに注意した。
「はいはい!クリス怒るなよー!この後ちゃんと手伝ってやるから!」
ロイとカイルはプクッと頬を膨らましたクリスを両側から肩を組む。
「本当…ですか?」
クリスは二人をジロっと見ると
「ああ!俺達はみんな自分の彼女に夢中なただの男だ、王子も領主も兄も関係ない!ここは三人思いは一緒!ならさっさとこの件、片付けて愛しのあの子の元に戻ろうぜ」
「そうですね、それは大賛成です!もう王子達が来てから全然ローズと二人っきりになれなくてイライラの限界でしたから」
カイルが頷く。
「なんか一言余計だが俺達はお互い相手と二人っきりになりたいんだ。なら協力し合おうぜ」
クリスは二人の顔を見つめると…
「悪くないと思います…」
コクっと頷く。
「よし!ならさっさとその馬鹿親子を片付けちまおうぜ」
「そうですね」
三人は小屋の前に立ちノックすると…
「はい」
町民が声をかけた。
「クリスです」
「ああ、クリス様待ってました!もうこの人達全然話が通じなくて…」
町の人が扉を開けるなり困り顔を浮かべて三人を見た。
「あれ?クリス様に…カイル様…それと…」
ロイ王子をみて顔を蒼白にする。
「やぁ!クリスの雇い主のロイです!」
ロイが笑顔で手を上げる。
「あ、ああロイ様までこんなところに…クリス様!いいんですか!?」
「本人が来たいって言ってるからいいんですよ、それよりもあの人達はどうですか?」
クリスは捕まえたドリー親子を冷たい眼差しで見つめた。
181
お気に入りに追加
8,923
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。