299 / 318
連載
360. 人の目
しおりを挟む
「え?人の目?あっ、あの人は!?」
ハルジオンは自分を落とそうとしたイブの事を今更ながら思い出した!
「ああ大丈夫、さっき逃げていく足音がしたけど町の人達が追ってく音もしたから今頃、捕縛されてるよ」
「え?町の人?」
「もうみんな出てきてよ!いるのわかってますよ」
クリス様が何も居ない森の中に向かって声をかけると…
「あーあ、クリス様はやっぱり騙せないか」
「せっかくあと少しだったのに!誰!音出した馬鹿は!」
お姉さん達がギロっと睨みをきかせながら町の人達が数名ゾロゾロと顔を出した。
「お、俺じゃねぇからな!」
誰のせいかと騒ぎ出すがハルジオンにはさっぱりなんの事かわからなかった、それよりも何処から見られていたのか気になり頬を染めてクリス様の背中に隠れようとすると逃がさないと言うように掴まれた。
「ちょっとみんなに話をしてたら駆けつけるのが遅くなっちゃったんだ…怖い目にあわせてごめん」
クリス様がイブに掴まれ赤くなった腕をさすってくれると、そのままそっと愛おしいそうに口をつけた。
痛かった腕にピリッと衝撃が走りポカポカと火照り出す。
「クリス様、あの娘と両親もこちらで拘束しておきました」
町の巡回に携わっているおじさんがクリスに声をかけてきた。
「お疲れ様です、その人達多分他所でも何かしでかしてそうなので先に調べて下さい。特にその娘、名前は…興味無さすぎて忘れたけど絶対に逃がさないで下さい」
「は、はい!」
クリス様の顔に町のおじさんの顔が引き締まった。
「クリス様…あの人ってどうなるんですか?」
ハルジオンは気になってクリス様の服を引っ張ると
「そうだね…ハルジオンの事を殺そうとしてたから極刑にしておく?」
「え!?い、いやそれってクリス様が決めていいんですか!?それに極刑って…私こうして無事でしたから」
「ハルジオンを傷つけたんだよ?許されないよね?」
クリス様の笑顔が怖い…
「で、でも私もこうして罪を犯したのになんの罰もなく幸せにしてもらっています」
「それとこれとでは全然罪の重さが違うよね?それにハルジオンはちゃんと姉さんからの罰を受けてるよね?」
「罰のうちに入りませんよ…」
「ふぅ…ハルジオンは優しすぎて困るね…まぁそういうところが好きなんだけど」
「え?なんですか?」
「ん、なんでもないよ。じゃあハルジオンに対する罪は少し軽めにしておくよ。それでどうかな?」
「はい、ありがとうございます」
ハルジオンはほっとしてクリス様に微笑んだ。
「そういう顔は良くないね」
「あっ!すみません…不謹慎でした」
ハルジオンはしゅんと縮こまると…クリスがため息をつく。
そしてハルジオンを前でだき抱えると…
「ク、クリス様!なにを!?」
いきなりお姫様抱っこをされてハルジオンが暴れると
「ハルジオン、暴れると可愛い下着また見えちゃうよ」
ハルジオンはバッと胸を隠した大人しくなる。
クリス様が満足そうに笑った。
「すみません皆さん、ハルジオンが怪我をしているので屋敷に一度連れて帰ります。手当てを終えたら戻って来ますのでそれまで頼めますか?」
クリスの言葉に町の人達は眉をひそめて顔を見合わせた。
ハルジオンは自分を落とそうとしたイブの事を今更ながら思い出した!
「ああ大丈夫、さっき逃げていく足音がしたけど町の人達が追ってく音もしたから今頃、捕縛されてるよ」
「え?町の人?」
「もうみんな出てきてよ!いるのわかってますよ」
クリス様が何も居ない森の中に向かって声をかけると…
「あーあ、クリス様はやっぱり騙せないか」
「せっかくあと少しだったのに!誰!音出した馬鹿は!」
お姉さん達がギロっと睨みをきかせながら町の人達が数名ゾロゾロと顔を出した。
「お、俺じゃねぇからな!」
誰のせいかと騒ぎ出すがハルジオンにはさっぱりなんの事かわからなかった、それよりも何処から見られていたのか気になり頬を染めてクリス様の背中に隠れようとすると逃がさないと言うように掴まれた。
「ちょっとみんなに話をしてたら駆けつけるのが遅くなっちゃったんだ…怖い目にあわせてごめん」
クリス様がイブに掴まれ赤くなった腕をさすってくれると、そのままそっと愛おしいそうに口をつけた。
痛かった腕にピリッと衝撃が走りポカポカと火照り出す。
「クリス様、あの娘と両親もこちらで拘束しておきました」
町の巡回に携わっているおじさんがクリスに声をかけてきた。
「お疲れ様です、その人達多分他所でも何かしでかしてそうなので先に調べて下さい。特にその娘、名前は…興味無さすぎて忘れたけど絶対に逃がさないで下さい」
「は、はい!」
クリス様の顔に町のおじさんの顔が引き締まった。
「クリス様…あの人ってどうなるんですか?」
ハルジオンは気になってクリス様の服を引っ張ると
「そうだね…ハルジオンの事を殺そうとしてたから極刑にしておく?」
「え!?い、いやそれってクリス様が決めていいんですか!?それに極刑って…私こうして無事でしたから」
「ハルジオンを傷つけたんだよ?許されないよね?」
クリス様の笑顔が怖い…
「で、でも私もこうして罪を犯したのになんの罰もなく幸せにしてもらっています」
「それとこれとでは全然罪の重さが違うよね?それにハルジオンはちゃんと姉さんからの罰を受けてるよね?」
「罰のうちに入りませんよ…」
「ふぅ…ハルジオンは優しすぎて困るね…まぁそういうところが好きなんだけど」
「え?なんですか?」
「ん、なんでもないよ。じゃあハルジオンに対する罪は少し軽めにしておくよ。それでどうかな?」
「はい、ありがとうございます」
ハルジオンはほっとしてクリス様に微笑んだ。
「そういう顔は良くないね」
「あっ!すみません…不謹慎でした」
ハルジオンはしゅんと縮こまると…クリスがため息をつく。
そしてハルジオンを前でだき抱えると…
「ク、クリス様!なにを!?」
いきなりお姫様抱っこをされてハルジオンが暴れると
「ハルジオン、暴れると可愛い下着また見えちゃうよ」
ハルジオンはバッと胸を隠した大人しくなる。
クリス様が満足そうに笑った。
「すみません皆さん、ハルジオンが怪我をしているので屋敷に一度連れて帰ります。手当てを終えたら戻って来ますのでそれまで頼めますか?」
クリスの言葉に町の人達は眉をひそめて顔を見合わせた。
189
お気に入りに追加
8,923
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。


婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。