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308.デート 甘いお菓子

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「じゃあローズ、どれが食べたい?」

カイルがローズに食べたい物を聞いてきた。

「うーん…まずはタルトにします!」

ローズがフォークに手を伸ばすと、カイルがそれをひょいと奪った。

「カイル様?」

「あれ?もう忘れたの?食べさせ合うんだよ」

「で、でも…」

「だって半額だよ?ローズがそんなお得な事を見逃すのかい?別に俺はいいけど…ここは全部俺が払うつもりだから」

「えっ!だ、駄目ですよ!」

カイルの言葉にローズは首を振る。

「恋人なんだ、それくらいさせてよ」

「は、はい…それじゃあ、お願いします」

ローズはあーんと口を開けた…

「えっ…」

「えっ?あっ!違いましたか?やだ…どうしよう…」

ローズが顔を真っ赤にすると熱くなった頬を押さえた。

「違うよ。ローズがあんまりにも素直だから驚いて…ごめんね。ほらあーんして」

カイルが笑ってタルトを一口に切るとすまなそうにしてローズの口に近づける。

「カイル様、最近意地悪ですね!」

ローズは頬を膨らませてガブッ!とタルトにかぶりついた。

「ごめんごめん!ほらどう?美味しい?」

「ん~!美味しい!果実と相性バッチリです!何個でも食べられそう!」

「よかった、はい。もう一口あーん…」

カイルはローズの美味しそうに食べる様子に幸せを感じて次々に笑顔でローズに食べさせていく。

気がつくとローズはほとんどのお菓子を食べ尽くしていた!

「あっ!カイル様の分が!」

ドーナツがあと一口のところでローズはやらかした事に気がついた。

「カイル様言って下さいよ!私が全部食べちゃったじゃないですか!」

「え?大丈夫だよ俺もなんだかお腹いっぱいだから」

ホクホクの笑顔でそう言うカイル様は確かに満足そうに見えた。

「でも最後はカイル様が食べて下さい!」

「うん、わかった…じゃあはい…あーん…」

カイルは目を閉じて口を開いた。

「あっ…」

そっか私が食べさせないといけないのか…

ローズはドーナツを摘むとカイル様の口に近づける…緊張しながら口元に持っていくと…

「カイル様…あーん…」

口元にドーナツが当たると…パクっ…

カイルがドーナツをパクっと食べた。

しっかりと口に入った事に安堵すると…

「美味しい…」

いつの間にか目を開いてローズの顔を見つめていた…

ローズがピシッ!と固まっているとローズの指に付いたジャムに気がついた。

そのままローズの手を掴むとその指をカイルがペロッと舐める。

指の先にカイル様の舌が触れると体にビリッと電気が走った様な気がした…

「か、か、か、カイル様…」

「んーこのジャム凄く美味しい…」

手を離してくれないカイル様に見つめられて…ローズは自分が食べられているような感覚に全身が熱くなるのを感じた…

すると…

バタッ!

ドサッ!

ガタンッ!

周りの椅子から女性達が次々に落ちて倒れていく!

「えっ?な、なに?」

ローズが慌てていると

「あー!気にしないで下さい!うちの料理食べるとみんな悶えて椅子から落ちるんですよ」

先程の店員さんが説明してくれた。

なるほど…確かに美味しかった。うん!落ちるのも納得だわ!

ローズはうんうん!と頷く。

「すみません、今食べたタルトとマフィンとドーナツお土産にして貰えますか?」

全部食べてしまった為お土産の分がなくなってしまったので新たに注文する。

「喜んで!ジャム多めにしときますね!」

店員さんが嬉しそうにウインクする。

ん?なんでジャム多目?
ローズは不思議に思ったが美味しいジャムがタップリなのを想像してそれもいいなと嬉しそうに笑った。



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