上 下
245 / 318
連載

306.デートカフェ

しおりを挟む
町中を歩くローズとカイルに町の人達はチラチラと目を向ける。

「なんか…凄いいつもより見られてませんか?」

ローズが気になってカイルに聞くと

「ん?何が?」

カイルはニコニコと破顔させローズをずっと見つめている…他の視線など一向に見ていなかった。

「カイル様…ちゃんとお店見てますか?」

ローズが気になって聞くと

「そんなの見てるより俺はこっちを見てる方がいいから…」

ローズの頬をそっと撫でると…

「きゃあぁぁぁ~」

黄色い悲鳴があがった!

「な、なんでしょう!」

ローズが声のした方に目を向けると、数人の女性達が集まって騒いでいた。

「す、素敵ー!この置物ー」

「ほ、本当だーいくらかしらー」

「まー高いわー」

棒読みのような声が返ってきた…

「お店の商品に驚いていたんですね!びっくりしました」

ローズがカイルに笑いかけると

「うん、そうだね」

カイルは聞いているのかニコニコとローズの顔を見つめ続ける。

「ほら、それよりも先に行こうか?この奥に美味しいお菓子が食べれる店があるらしいよ」

「お菓子!」

「いくらでも食べていいから」

カイルの言葉にローズは歩みが思わず早くなってしまった。

そのお店に行くと店内はほぼ満席だったが、外の見えて少し他のテーブルから離れたテーブルが一席だけに空いていた。

「ローズ、あの席に座ろうか?」

カイルがローズを先導すると椅子を引いて座らせる。

「ありがとうございます」

ローズがお礼を言って座るとカイルも自分の席に腰掛けた。

「本当に人気ですね!こんないい席が空いててよかった~」

ローズの嬉しそう顔に周りのテーブル客がざわついた!

「ローズ、ほら何にする?」

カイルがメニューをローズに見せると

「うーん…タルトも美味しそう…クッキー…も捨て難い…マフィンにドーナツ…うーん迷うなぁ~」

真剣な顔でメニューを見つめるローズをカイルは見つめた。

「全部頼もうか?」

「えっ…でもそんなに食べられないかも…」

「俺も一緒に食べるよ…それに余ったらお土産にすればバルトなんか喜ぶんじゃないか」

「そうですね!じゃあそうしよう!」

ローズが決まったようなのでカイルは店の人を呼んだ。

目が会った瞬間数人がこちらに早足で来ると…

「「「ご注文を!!」」」

笑顔で二人を見つめる。

「えっ…と一人で大丈夫ですよ?」

三人が同時に注文聞きに来てしまい戸惑っていると…

「ここは私が注文を聞きますわ」

「いえ!私が…ほら、あなたはあっちの客が呼んでますよ」

「先輩~酷いです~ここは私が聞きますから自分の仕事してください~」

なんだか笑顔で話しているが目の奥が笑ってない?

ローズが心配になると…

「ここは公平にじゃんけんしましょ!」

「そうしましょ!はい!じゃんけん」

「ぽん!」

「よっしゃあ~!」

可愛い制服をきた店員さんが雄叫びをあげた…

「あっ!失礼致しました!ご注文どうぞ?」

雄叫びをあげた店員さんがとびっきりの笑顔で微笑んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

天才になるはずだった幼女は最強パパに溺愛される

雪野ゆきの
ファンタジー
記憶を失った少女は森に倒れていたところをを拾われ、特殊部隊の隊長ブレイクの娘になった。 スペックは高いけどポンコツ気味の幼女と、娘を溺愛するチートパパの話。 ※誤字報告、感想などありがとうございます! 書籍はレジーナブックス様より2021年12月1日に発売されました! 電子書籍も出ました。 文庫版が2024年7月5日に発売されました!

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。