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連載
289.両思い
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「わ、私…カイル様が前にジュリアさんのところに向かった事が会った時…こう、胸がギューって痛んだんです、その時はよくわからなかったけど…今日カイル様とずっと一緒にいてやっぱりそうなんだって気付きました」
ローズはカイルをじっと見つめると
「私もカイル様が好きです」
「ローズ…」
カイルは嬉しくてローズを抱きしめそうになるがローズはそれを止めた。
そして悲しそうな顔でカイルを見つめると
「あなたが好きです…でも一緒にはいれません」
弱々しく首を振る。
「何故だ?」
カイルが納得できないとローズの腕を強く掴んだ。
「何が足りない?何が駄目なんだ」
「何も足りなくありません。強くて優しくて駄目なところなんてない。だからこそ私達…身分が違いすぎます。貴族と言っても私は辺境の貧乏な男爵家の娘です。比べてカイル様は公爵家…しかも何年も王族に仕える家柄…それに私はあと少しで領地に帰えらないと…」
ローズが寂しそうに笑った。
「家柄なんて関係ない!領地にはチャート様もクリスくんもいる!ローズが帰る必要はないんじゃないのか!?」
「いえ…私が帰りたいんです…私はあの土地をタウンゼントを離れる気はないんです…だからごめんなさい」
ローズはカイルに頭を下げると借りてた上着をそっと脱いでカイルに返した。
「もう女性を怖くないカイル様なら…もっと素敵で相応しい方が現れると思います。私も領地でロイ様とカイル様のこれからの事を祈ってます」
ローズは精一杯の笑顔で笑うと
「今日は最後に素敵な思い出をありがとうございました…もう…帰らないといけませんね」
少し日が沈み世界がオレンジ色に染まり出した。
「ローズはそれでいいのかい?」
カイルは夕日を眺めるローズに聞くとローズは何も答えずに諦めたように微笑んだ。
カイルは一人で帰れると言うローズをやんわりと説得して再び馬に乗せると二人で無言のまま王宮へと戻ってきた。
ローズはカイルが馬を厩舎に戻してくるのをじっと待っていた。
カイルが戻ってくると
「では…今日はありがとうございました」
「部屋まで送るよ」
カイルが手を差し出すのをローズはフルフルと首を振って断る。
「大丈夫です、もう王宮の中ですし部屋もすぐそこです…私達はここで別れましょう」
ローズは最後まで笑顔を絶やさずにカイルに笑いかけるとそれでは…とくるっと向きを変えて王宮の方へと歩き出す。
決して振り返ることないローズをカイルはいつまでも見つめていた…
そしてローズの姿が王宮内に消えるとカイルはやっとその場を動きだした。
とぼとぼと歩きながら目的もなく歩いているといつものにかロイの部屋の前に来ていた。
「そうだ…仕事をしないと…」
カイルは部屋をノックするとカイルの変わりに警護にあたっていた兵士が扉を開けた。
「あれ?カイル様今日はお休みでは?」
なんでここに来たのかと声をかけると
「もういいんだ…だから俺が警護する…お前は戻っていいぞ」
少し様子のおかしなカイルに首を傾げつつ、兵士はその場をカイルと交換した。
カイルは中へと入ると…
「ロイ…」
仕事中のロイに声をかけた。
「あれ?カイルか?今日は休みって聞いていたが…」
ロイは顔をあげてカイルを見るとその元気のない姿に驚いた。
「カイル…どうした?」
ロイはペンを置くとカイルに向き合った。
「今日…俺ローズとデートしてきた…」
「そうか…」
「そこでローズにもう一度気持ちを伝えたんだ」
「なるほど…」
「そしたら…ローズも同じ気持ちだと…言ってくれた」
そこまで聞いてロイは顔を輝かせる!
「よかったな!よかった…本当によかった…」
ロイは言い聞かせるようにカイルを祝福したのだった。
ローズはカイルをじっと見つめると
「私もカイル様が好きです」
「ローズ…」
カイルは嬉しくてローズを抱きしめそうになるがローズはそれを止めた。
そして悲しそうな顔でカイルを見つめると
「あなたが好きです…でも一緒にはいれません」
弱々しく首を振る。
「何故だ?」
カイルが納得できないとローズの腕を強く掴んだ。
「何が足りない?何が駄目なんだ」
「何も足りなくありません。強くて優しくて駄目なところなんてない。だからこそ私達…身分が違いすぎます。貴族と言っても私は辺境の貧乏な男爵家の娘です。比べてカイル様は公爵家…しかも何年も王族に仕える家柄…それに私はあと少しで領地に帰えらないと…」
ローズが寂しそうに笑った。
「家柄なんて関係ない!領地にはチャート様もクリスくんもいる!ローズが帰る必要はないんじゃないのか!?」
「いえ…私が帰りたいんです…私はあの土地をタウンゼントを離れる気はないんです…だからごめんなさい」
ローズはカイルに頭を下げると借りてた上着をそっと脱いでカイルに返した。
「もう女性を怖くないカイル様なら…もっと素敵で相応しい方が現れると思います。私も領地でロイ様とカイル様のこれからの事を祈ってます」
ローズは精一杯の笑顔で笑うと
「今日は最後に素敵な思い出をありがとうございました…もう…帰らないといけませんね」
少し日が沈み世界がオレンジ色に染まり出した。
「ローズはそれでいいのかい?」
カイルは夕日を眺めるローズに聞くとローズは何も答えずに諦めたように微笑んだ。
カイルは一人で帰れると言うローズをやんわりと説得して再び馬に乗せると二人で無言のまま王宮へと戻ってきた。
ローズはカイルが馬を厩舎に戻してくるのをじっと待っていた。
カイルが戻ってくると
「では…今日はありがとうございました」
「部屋まで送るよ」
カイルが手を差し出すのをローズはフルフルと首を振って断る。
「大丈夫です、もう王宮の中ですし部屋もすぐそこです…私達はここで別れましょう」
ローズは最後まで笑顔を絶やさずにカイルに笑いかけるとそれでは…とくるっと向きを変えて王宮の方へと歩き出す。
決して振り返ることないローズをカイルはいつまでも見つめていた…
そしてローズの姿が王宮内に消えるとカイルはやっとその場を動きだした。
とぼとぼと歩きながら目的もなく歩いているといつものにかロイの部屋の前に来ていた。
「そうだ…仕事をしないと…」
カイルは部屋をノックするとカイルの変わりに警護にあたっていた兵士が扉を開けた。
「あれ?カイル様今日はお休みでは?」
なんでここに来たのかと声をかけると
「もういいんだ…だから俺が警護する…お前は戻っていいぞ」
少し様子のおかしなカイルに首を傾げつつ、兵士はその場をカイルと交換した。
カイルは中へと入ると…
「ロイ…」
仕事中のロイに声をかけた。
「あれ?カイルか?今日は休みって聞いていたが…」
ロイは顔をあげてカイルを見るとその元気のない姿に驚いた。
「カイル…どうした?」
ロイはペンを置くとカイルに向き合った。
「今日…俺ローズとデートしてきた…」
「そうか…」
「そこでローズにもう一度気持ちを伝えたんだ」
「なるほど…」
「そしたら…ローズも同じ気持ちだと…言ってくれた」
そこまで聞いてロイは顔を輝かせる!
「よかったな!よかった…本当によかった…」
ロイは言い聞かせるようにカイルを祝福したのだった。
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