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287.遠乗り
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「お嬢さんそれこの怖い顔の男が作ってんだぜ!優しさなんて微塵もない顔だよ」
「そうそう!すぐに酒を止められるしもう本当におっかないのこいつ!」
常連客達が笑うと
「だと思いました!店主さん優しそうですもんね」
ローズは笑って言い返した。
「だって常に私達の様子伺っててタイミングよく話しかけたり料理を運んだり…おじさん達のお酒だって飲みすぎを注意されただけなんじゃないですか~?」
ローズがジッと二人の顔を見つめる。
「そ、それは…」
「普通のお店の人なら飲んでくれた方が儲けになりますもんね!まぁお二人もそれがわかっててここに通ってるんだと思いますけど」
ローズがパチッとウインクする。
「なんで俺達が通ってるってわかるんだ?」
「そりゃメニュー頼んでないのに料理は出るしカイル様も全然警戒してないから知り合いなんだと思いましてね」
「あはは!こりゃ参った。カイル様凄い女の子捕まえて来たもんだな」
「本当に、カイル様が連れてくるだけの事はある!よし、ここはこいつが奢ってやる!」
男が隣の男の肩を掴むと
「なんで俺なんだ!奢るならお前だろ」
二人が言い争うと店主がすかさず止めに入った。
「わかった、じゃあ二人のつけに半々に入れとくからな」
「まぁそれなら…」
二人が頷くと
「プッ!」
ローズが笑うと呆れていたカイルも一緒に笑い出す。
「じゃあカイル様高いもの沢山頼みましょうか!?」
「そうしよう!あいつらのお酒が飲めなくなるぐらい頼んどこうか」
カイルがニヤッと笑って二人を見る。
「「それは…」」
二人はやめてと泣きそうになっている、それを見てローズとカイルは顔を合わせるとさらに笑いあった。
馴染みの店の料理を堪能して店を出ると
「ご馳走様です。でも…本当に奢って貰って良かったんですか?」
ローズがすまなそうに聞くと
「彼らには今度何か奢っとくから大丈夫だ」
カイルが笑って頷く。
「はい!その時はよろしく言っといて下さいね」
「ローズとまた来てもいいんだけど…彼らもまた会いたいと言っていたし…」
カイルが目を逸らしながら伺うように言うと
「そう…ですね」
ローズは寂しそうに笑った。
「じゃあ次はどこにいる行きますか?」
話を変えるようにローズが明るい声で聞くと
「そうだな…ローズはどこか行きたい所はないのか?」
「私…ですか?そうですね…」
ローズは王宮の方を見つめた。
二人はローズの提案で馬に乗って遠乗りに来ていた。
ローズが今回はスカートだったのでカイルの馬で前に乗せてもらい以前に行った湖を目指していた。
「ローズしっかりと捕まっててくれよ」
「はーい」
ローズは緊張するカイルとは違ってのんびりと答えて遠くの風景を見つめる…
しかし手網を握るその手は微かに震えていた…
崖の上の湖が一望出来るところに来るとカイルが馬を止めた。
「凄い…ここから王都が少し見えますね」
「ああ」
カイルは先に馬から降りるとローズに手を差し出す。
ローズはおずおずとその手を掴むと…カイルはローズの腰に手を当てて軽々と抱き下ろした。
「あ、ありがとうございます」
一緒カイルの腕の中に抱かれてローズは下を向く。
「あれ?ローズ少し顔が赤くないか?もしかして馬の上は寒かったかい?」
カイルは上着を脱ぐとローズの肩にかけた。
「あ、ありがとうございます…」
ローズは上手く言葉が出ずに下を向くとカイルの香りがする上着をギュッと握った。
「そうそう!すぐに酒を止められるしもう本当におっかないのこいつ!」
常連客達が笑うと
「だと思いました!店主さん優しそうですもんね」
ローズは笑って言い返した。
「だって常に私達の様子伺っててタイミングよく話しかけたり料理を運んだり…おじさん達のお酒だって飲みすぎを注意されただけなんじゃないですか~?」
ローズがジッと二人の顔を見つめる。
「そ、それは…」
「普通のお店の人なら飲んでくれた方が儲けになりますもんね!まぁお二人もそれがわかっててここに通ってるんだと思いますけど」
ローズがパチッとウインクする。
「なんで俺達が通ってるってわかるんだ?」
「そりゃメニュー頼んでないのに料理は出るしカイル様も全然警戒してないから知り合いなんだと思いましてね」
「あはは!こりゃ参った。カイル様凄い女の子捕まえて来たもんだな」
「本当に、カイル様が連れてくるだけの事はある!よし、ここはこいつが奢ってやる!」
男が隣の男の肩を掴むと
「なんで俺なんだ!奢るならお前だろ」
二人が言い争うと店主がすかさず止めに入った。
「わかった、じゃあ二人のつけに半々に入れとくからな」
「まぁそれなら…」
二人が頷くと
「プッ!」
ローズが笑うと呆れていたカイルも一緒に笑い出す。
「じゃあカイル様高いもの沢山頼みましょうか!?」
「そうしよう!あいつらのお酒が飲めなくなるぐらい頼んどこうか」
カイルがニヤッと笑って二人を見る。
「「それは…」」
二人はやめてと泣きそうになっている、それを見てローズとカイルは顔を合わせるとさらに笑いあった。
馴染みの店の料理を堪能して店を出ると
「ご馳走様です。でも…本当に奢って貰って良かったんですか?」
ローズがすまなそうに聞くと
「彼らには今度何か奢っとくから大丈夫だ」
カイルが笑って頷く。
「はい!その時はよろしく言っといて下さいね」
「ローズとまた来てもいいんだけど…彼らもまた会いたいと言っていたし…」
カイルが目を逸らしながら伺うように言うと
「そう…ですね」
ローズは寂しそうに笑った。
「じゃあ次はどこにいる行きますか?」
話を変えるようにローズが明るい声で聞くと
「そうだな…ローズはどこか行きたい所はないのか?」
「私…ですか?そうですね…」
ローズは王宮の方を見つめた。
二人はローズの提案で馬に乗って遠乗りに来ていた。
ローズが今回はスカートだったのでカイルの馬で前に乗せてもらい以前に行った湖を目指していた。
「ローズしっかりと捕まっててくれよ」
「はーい」
ローズは緊張するカイルとは違ってのんびりと答えて遠くの風景を見つめる…
しかし手網を握るその手は微かに震えていた…
崖の上の湖が一望出来るところに来るとカイルが馬を止めた。
「凄い…ここから王都が少し見えますね」
「ああ」
カイルは先に馬から降りるとローズに手を差し出す。
ローズはおずおずとその手を掴むと…カイルはローズの腰に手を当てて軽々と抱き下ろした。
「あ、ありがとうございます」
一緒カイルの腕の中に抱かれてローズは下を向く。
「あれ?ローズ少し顔が赤くないか?もしかして馬の上は寒かったかい?」
カイルは上着を脱ぐとローズの肩にかけた。
「あ、ありがとうございます…」
ローズは上手く言葉が出ずに下を向くとカイルの香りがする上着をギュッと握った。
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