220 / 318
連載
281.ジュリア
しおりを挟む
「い、い…やだ…」
ジョロロ…
ジュリアはカタカタと震えて尿を垂らした…
「凄い!すぐ漏らすのも親と同じだ!」
ジロジロとジュリアが垂らした尿を興味深く見つめていると
「や、やめて…みな…いで…」
ジュリアが泣きながら慌てて隠そうとする。
スカートで必死に拭いていると
パシンッ!
乾いた音が地下牢の廊下に響いた。
「いった…」
スミスは叩かれた頬を押さえると、ローズを見つめる。
「どういう事かな?」
スミスが笑ってなんで叩いたのかローズに問いかける…
「いくら罪人だからといって今のはどうかと思います!しかも今は尋問とかじゃないですよね?それならただの囚人いびりですよ!」
ローズがムッと顔を顰めてスミスを睨みつけた。
「へー!君はこの子を庇うんだ!?あんな目にあったのに?」
「それとこれとは違います!今の行為は女として許せない!」
「ローズ…」
ジュリアは涙でぐちゃぐちゃの顔で庇うように前に立つローズを見上げた。
「彼女の罰はちゃんと決まってからにしてください!」
「はーい…でも今の事…僕は本気だから」
スミスはローズの後ろで見えないジュリアに声をかけた。
ジュリアはビクッと肩を震わせると
「もう行きますよ!ほら!スミスさん歩いて!」
ローズはスミスを歩かせようと背中を押すと
「えーもうかい?」
スミスは不貞腐れながらも歩き出す。
ローズはほっとすると持っていたハンカチを取り出して黙ってジュリアに渡した。
「なんで…庇ったのよ…」
精一杯強がってジュリアはローズを見た。
「あれは…さすがに許せないよ!別にジュリアさんだからとかじゃないからね」
まだ怒っているローズにジュリアは信じられないものを見るように見つめる。
「何となく…王子達があなたになぜ惹かれるのかわかった気がするわ…」
「えっ?なんですか?」
ローズが聞き返すと…
「なんでもないわ…でも助けられたのは癪だわ…ねぇローズ、あなたなんで王子達が自分に興味ないって思ってるの?」
「え?何急に?」
ローズが戸惑うと
「これがあなたと話す最後よ…ちゃんと答えて」
なんで…だったっけ…
ローズはロイ王子やカイル様との会話を思い出す。
「それは…王子達が女の人に興味無いって…それに私には釣り合わない」
「釣り合うって何よ?なら私も駄目って事よね?誰なら釣り合うの?」
「それは…」
「それにあの人達がそういう事で人を選ぶの?なら私を選んでくれたはずよ…」
「違う…」
「あんた…少し自分の胸に手を当てて考えなさいよ…ロイ王子がカイル様が誰を見ているのか?彼らの言葉のどれが真実なのか…」
「ジュリア…さん?」
「ふん、コレで借りは返したわ!あとは自分で考えなさい!まぁわからなくて後悔してもいいけどね!私はそれで一向に構わないわ」
「後悔…」
「あんた領地に帰るのよね?それってもうあの二人とは会わないって事だからね。ああーもういつまでいるのよ!さっさと帰りなさいよ!」
ジュリアはシッシッとローズを追い返すと
「わかった…ちゃんと考えて見る…私、ここに来るのすごく迷ったんだけど来てよかった。ジュリアさんとも、もっと本音さらけ出して話してみればよかった…」
ローズが眉を下げると
「ふん…」
ジュリアは顔を背ける…
きっと前にそんな事を言われても素直には受け取れなかっただろう…全てを無くした今だから受け取れる言葉がある。
ジュリアはローズの階段を上がる音をじっと聞いていた。
ジョロロ…
ジュリアはカタカタと震えて尿を垂らした…
「凄い!すぐ漏らすのも親と同じだ!」
ジロジロとジュリアが垂らした尿を興味深く見つめていると
「や、やめて…みな…いで…」
ジュリアが泣きながら慌てて隠そうとする。
スカートで必死に拭いていると
パシンッ!
乾いた音が地下牢の廊下に響いた。
「いった…」
スミスは叩かれた頬を押さえると、ローズを見つめる。
「どういう事かな?」
スミスが笑ってなんで叩いたのかローズに問いかける…
「いくら罪人だからといって今のはどうかと思います!しかも今は尋問とかじゃないですよね?それならただの囚人いびりですよ!」
ローズがムッと顔を顰めてスミスを睨みつけた。
「へー!君はこの子を庇うんだ!?あんな目にあったのに?」
「それとこれとは違います!今の行為は女として許せない!」
「ローズ…」
ジュリアは涙でぐちゃぐちゃの顔で庇うように前に立つローズを見上げた。
「彼女の罰はちゃんと決まってからにしてください!」
「はーい…でも今の事…僕は本気だから」
スミスはローズの後ろで見えないジュリアに声をかけた。
ジュリアはビクッと肩を震わせると
「もう行きますよ!ほら!スミスさん歩いて!」
ローズはスミスを歩かせようと背中を押すと
「えーもうかい?」
スミスは不貞腐れながらも歩き出す。
ローズはほっとすると持っていたハンカチを取り出して黙ってジュリアに渡した。
「なんで…庇ったのよ…」
精一杯強がってジュリアはローズを見た。
「あれは…さすがに許せないよ!別にジュリアさんだからとかじゃないからね」
まだ怒っているローズにジュリアは信じられないものを見るように見つめる。
「何となく…王子達があなたになぜ惹かれるのかわかった気がするわ…」
「えっ?なんですか?」
ローズが聞き返すと…
「なんでもないわ…でも助けられたのは癪だわ…ねぇローズ、あなたなんで王子達が自分に興味ないって思ってるの?」
「え?何急に?」
ローズが戸惑うと
「これがあなたと話す最後よ…ちゃんと答えて」
なんで…だったっけ…
ローズはロイ王子やカイル様との会話を思い出す。
「それは…王子達が女の人に興味無いって…それに私には釣り合わない」
「釣り合うって何よ?なら私も駄目って事よね?誰なら釣り合うの?」
「それは…」
「それにあの人達がそういう事で人を選ぶの?なら私を選んでくれたはずよ…」
「違う…」
「あんた…少し自分の胸に手を当てて考えなさいよ…ロイ王子がカイル様が誰を見ているのか?彼らの言葉のどれが真実なのか…」
「ジュリア…さん?」
「ふん、コレで借りは返したわ!あとは自分で考えなさい!まぁわからなくて後悔してもいいけどね!私はそれで一向に構わないわ」
「後悔…」
「あんた領地に帰るのよね?それってもうあの二人とは会わないって事だからね。ああーもういつまでいるのよ!さっさと帰りなさいよ!」
ジュリアはシッシッとローズを追い返すと
「わかった…ちゃんと考えて見る…私、ここに来るのすごく迷ったんだけど来てよかった。ジュリアさんとも、もっと本音さらけ出して話してみればよかった…」
ローズが眉を下げると
「ふん…」
ジュリアは顔を背ける…
きっと前にそんな事を言われても素直には受け取れなかっただろう…全てを無くした今だから受け取れる言葉がある。
ジュリアはローズの階段を上がる音をじっと聞いていた。
262
お気に入りに追加
8,936
あなたにおすすめの小説
舞台装置は壊れました。
ひづき
恋愛
公爵令嬢は予定通り婚約者から破棄を言い渡された。
婚約者の隣に平民上がりの聖女がいることも予定通り。
『お前は未来の国王と王妃を舞台に押し上げるための装置に過ぎん。それをゆめゆめ忘れるな』
全てはセイレーンの父と王妃の書いた台本の筋書き通り───
※一部過激な単語や設定があるため、R15(保険)とさせて頂きます
2020/10/30
お気に入り登録者数50超え、ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
2020/11/08
舞台装置は壊れました。の続編に当たる『不確定要素は壊れました。』を公開したので、そちらも宜しくお願いします。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
旦那様に離婚を突きつけられて身を引きましたが妊娠していました。
ゆらゆらぎ
恋愛
ある日、平民出身である侯爵夫人カトリーナは辺境へ行って二ヶ月間会っていない夫、ランドロフから執事を通して離縁届を突きつけられる。元の身分の差を考え気持ちを残しながらも大人しく身を引いたカトリーナ。
実家に戻り、兄の隣国行きについていくことになったが隣国アスファルタ王国に向かう旅の途中、急激に体調を崩したカトリーナは医師の診察を受けることに。
年に一度の旦那様
五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして…
しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。