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279.女同士
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「もし何かあったらまたその足調べさせて欲しいな!」
スミスが笑いかけると、ローズはスチュアートさんの言葉やカイル達の心配する顔が浮かんだ。
「そ、それは…ごめんなさい。ちゃんと断れと言われたので…お断りします」
ローズがキッパリと否定すると
「あっそ?ならもし気が変わったら言ってね!」
スミスは気にした様子もなくさらに奥へと進む。
「えっと…ここかな?」
スミスは牢屋の中を覗き込む…
「あっ…ああ…」
中からは女性と思われる呻き声が聞こえた。
「うっ…」
ローズは鼻を抑えた…先程から嫌な匂いがしていたがここはさらに酷い。
「ああ!ここだここだ!おーい居ますか~」
スミスが声をかけると
「あーあー」
ボサボサの髪を垂らした女が柵に掴みかかった!
「あぁーーー!!」
口が空きっぱなしで顔が曲がり涙とヨダレを垂れ流しながら何かを訴えるようにスミスさんに叫んでいる。
「ジュリア…さん?」
そこにはあの頃の綺麗に着飾っていた面影の全くないジュリアがいた。
ジュリアはローズに気がつくとさらに目を釣りあげた!
「あー!!」
「うわっ!すごい怒ってますねー」
スミスがニヤニヤとローズとジュリアを見比べた。
「一人は牢屋で顔もボロボロ、すっごい差が着いたねー」
ニコッと笑ってジュリアに話しかけると
ギッ!!とジュリアがスミスを睨みつけると手を前に出してスミスを掴もうとする。
スミスはスレスレのちょうど届かない所で笑いながら空をかくジュリアの手を笑ってみていると
「こっわーい!まぁまぁそんなに怒らないでよ。僕は君のその顎を治しに来たんだから」
スミスの言葉にジュリアの手が止まった。
「そうそういい子だね!君がなんにも喋れなくて尋問したいって人達が困ってるんだよ。だからその顎だけは治してあげるね」
スミスが言うと、早くしろとばかりにジュリアが喚く。
「はいはい、じゃあこの柵の間から顔を出してくれる?」
ジュリアは言われた通りに顔を出すとスミスが口と顎に大樹の実で作った液体をかけた。
「さて…効果はどうかな…」
スミスは見逃すまいとじっとジュリアを見つめていると
「あー…んっ…はぁはぁ…く、口が…」
ジュリアのずっと開きっぱなしだった口がようやく閉じた。
「口が閉じれる!よ、よかった…」
ジュリアは慌ててヨダレで汚れた場所を手で拭くと…
「すごい…瞬時に治ったよ!でも効果高すぎるな…もっと薄めてもいいかも…」
スミスは床にへばりつくと何やら数式を書き出した。
ブツブツとつぶやき自分の世界に入り込んでしまった…
するとジュリアがローズを睨みつける。
「なんでこんな所にあんたがいるのよ!何?哀れな私を見に来たわけ!?あんたも結構いい性格してるじゃない!」
ジュリアはふんっ!と鼻息を荒くしていると
「そんなつもりはない。ただスミスさんにここにジュリアさんがいるって聞いて…少し話したいなって…」
「それでノコノコついてきたわけ?あんた馬鹿?」
ジュリアが呆れると
「あの男にあんな目にあってまでまだそんな軽率な行動取るなんて…本当にロイ王子もカイル様もどこがいいのよこんな女!」
ジュリアが悔しそうにすると
「二人は…そんなつもりないよ」
ローズの言葉にジュリアは怒りのあまり睨みつけた!
スミスが笑いかけると、ローズはスチュアートさんの言葉やカイル達の心配する顔が浮かんだ。
「そ、それは…ごめんなさい。ちゃんと断れと言われたので…お断りします」
ローズがキッパリと否定すると
「あっそ?ならもし気が変わったら言ってね!」
スミスは気にした様子もなくさらに奥へと進む。
「えっと…ここかな?」
スミスは牢屋の中を覗き込む…
「あっ…ああ…」
中からは女性と思われる呻き声が聞こえた。
「うっ…」
ローズは鼻を抑えた…先程から嫌な匂いがしていたがここはさらに酷い。
「ああ!ここだここだ!おーい居ますか~」
スミスが声をかけると
「あーあー」
ボサボサの髪を垂らした女が柵に掴みかかった!
「あぁーーー!!」
口が空きっぱなしで顔が曲がり涙とヨダレを垂れ流しながら何かを訴えるようにスミスさんに叫んでいる。
「ジュリア…さん?」
そこにはあの頃の綺麗に着飾っていた面影の全くないジュリアがいた。
ジュリアはローズに気がつくとさらに目を釣りあげた!
「あー!!」
「うわっ!すごい怒ってますねー」
スミスがニヤニヤとローズとジュリアを見比べた。
「一人は牢屋で顔もボロボロ、すっごい差が着いたねー」
ニコッと笑ってジュリアに話しかけると
ギッ!!とジュリアがスミスを睨みつけると手を前に出してスミスを掴もうとする。
スミスはスレスレのちょうど届かない所で笑いながら空をかくジュリアの手を笑ってみていると
「こっわーい!まぁまぁそんなに怒らないでよ。僕は君のその顎を治しに来たんだから」
スミスの言葉にジュリアの手が止まった。
「そうそういい子だね!君がなんにも喋れなくて尋問したいって人達が困ってるんだよ。だからその顎だけは治してあげるね」
スミスが言うと、早くしろとばかりにジュリアが喚く。
「はいはい、じゃあこの柵の間から顔を出してくれる?」
ジュリアは言われた通りに顔を出すとスミスが口と顎に大樹の実で作った液体をかけた。
「さて…効果はどうかな…」
スミスは見逃すまいとじっとジュリアを見つめていると
「あー…んっ…はぁはぁ…く、口が…」
ジュリアのずっと開きっぱなしだった口がようやく閉じた。
「口が閉じれる!よ、よかった…」
ジュリアは慌ててヨダレで汚れた場所を手で拭くと…
「すごい…瞬時に治ったよ!でも効果高すぎるな…もっと薄めてもいいかも…」
スミスは床にへばりつくと何やら数式を書き出した。
ブツブツとつぶやき自分の世界に入り込んでしまった…
するとジュリアがローズを睨みつける。
「なんでこんな所にあんたがいるのよ!何?哀れな私を見に来たわけ!?あんたも結構いい性格してるじゃない!」
ジュリアはふんっ!と鼻息を荒くしていると
「そんなつもりはない。ただスミスさんにここにジュリアさんがいるって聞いて…少し話したいなって…」
「それでノコノコついてきたわけ?あんた馬鹿?」
ジュリアが呆れると
「あの男にあんな目にあってまでまだそんな軽率な行動取るなんて…本当にロイ王子もカイル様もどこがいいのよこんな女!」
ジュリアが悔しそうにすると
「二人は…そんなつもりないよ」
ローズの言葉にジュリアは怒りのあまり睨みつけた!
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