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スミスは余った果実を見つめてブツブツと何かを呟いている。

「あの…スミスさんは大丈夫ですか?」

ローズがこちらに関心が無くなったスミスを見つめると

「ああなると中々帰ってこないから放っておこう」

気にするなと言われると

「それより…ローズ足は本当に治ったのか?」

ロイが聞くと

「はい、痛みも全然無いし…ちょっと立ってみますね」

ローズは椅子から立ち上がると

「ほら!」

両足で立ってみせる。

「やっぱり大丈夫です!片足でも立てるかも!」

怪我をしていた方の足で立つと…

「あっ!」

使っていなかったせいかバランスを崩して倒れそうになると…

「ローズ!」

カイルがまっさきにローズを支えた。

「大丈夫か!?」

カイルが心配してローズの顔を覗き込むと…すぐ間近で驚くローズの顔があった。

「は、はい…」

ローズはカイルの腕に手を掛けさせて貰い立ち上がると…

「ありがとう…ございます」

サッとカイルから手を離そうとすると…

ガシッ…カイルが思わずその手を掴んで止めた。

「あ、あの…」

ローズはカイルを見ると

「これだから目が離せない…」

カイルはじっとローズの瞳を見つめた…

「おっほん…さてローズ嬢は足はすっかりと治ったようだね。ただ筋力がまだ戻って無いようだから無理はしないように」

レインが咳払いをしてローズに話しかけると

「は、はい。貴重な実を本当にありがとうございました」

ローズはサッとカイルから離れてレイン陛下に頭を下げる。

「いや…怪我の落ち度はこちらにあるからね。この検証はどちらにとってもいい結果となった」

レインが笑うと

「若いお嬢さんを被験者にしてしまい申し訳無かったね」

「いえ!無事治りましたし…問題ないです」

ローズが笑うとほっとして後ろに立つチャートと目を合わせた。

チャートは複雑そうな顔をしていると…

「じゃあこれでローズが王都ここにいる意味はなくなったな」

チャートが答えると

「「えっ…」」

ローズとカイルが同時に反応する。

「それですが…まだ婚約者候補の最後の審査が終わってないんですよ。出来ればローズには最後まで付き合って貰いたいんだが…」

ロイが困った顔でローズを見ると

「まだキャリー嬢とのデートが終わってないんだ…彼女の為にもローズにはもう少しいて欲しいんだが…」

ロイが聞くと

「キャリーが…」

ローズが少し考えると…

「私がいて…役に立つでしょうか?」

「そりゃ君らは親友だろ?キャリーの悩みを聞けるのはローズだけじゃないのか?」

「キャリーの役に立てるなら…」

ローズはこくっと頷くと

「ローズ?」

チャートが驚いて顔を覗き込むと

「お父さんごめんなさい…もう少しだけ」

ローズがチャートを伺うように見ると

「チャートだってもう少し王都に居られるんだろ?」

レイン国王がチャートに確認すると

「まぁ…そうだが…」

「よし!ならもう少し王都にいてもらおうかな」

レインが嬉しそうにチャートの肩を叩いた。
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