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バルトが実を食べるのをローズとカイルとチャートはじっと見つめる。

「……そんなに見られると食べずらいんだが…」

バルトがチラッと三人を見ると

「あっごめんね。どうなるのか気になって…なんか変化ある?」

「いや、特段無いぞ。痛みが消えて良くなるぐらいだ」

「酷い怪我の時はみるみる治ったんだがな…」

「それは実を取ってすぐに食べたのかい?」

チャートが聞くと

「すぐと言うわけではありませんが…確かに今の実よりも新鮮な感じだったな」

「ああ」

バルトも頷くと

「もしかしたらそこら辺も効果に違いがあるのかもしれないなぁ…」

チャートが顎に手を当てて考える。

「まぁそこら辺は本職に任せよう、早速戻ってローズの足を直してやりたい」

チャートが心配そうにローズを見つめると

「お父さん…ありがとう」

ローズが笑うと

「治ったらローズを鍛え直さないと…」

「「えっ…」」

ロイとカイルがチャートを見ると

「そうですね…私もあんな事で負けるとは思いませんでした。今度はもう少し体力も鍛えないといけませんね」

ローズが眉間にシワを寄せて考えると

「そうだな、また襲われるとも限らんからな!クラウディアとの約束の為にもまたしっかりと鍛錬をしよう」

「はい!」

ローズはグッと力を込めて拳を握りしめた。

「ロ、ローズもうそんなに強くならなくてもいいんじゃないか?」

カイルが恐る恐る聞くと

「いえ!一人であの程度払えのけられなくては…皆さんにも心配かけてしまいましたし…私がもう少し強ければ…」

悔しそうにしていると

「いや…十分強いだろ…それ以上強くなったら…」

ロイとカイルはお互いの顔を見る。

「なぁに!ローズぐらいの女子などたくさんいるだろ?なぁ?」

チャートが笑いかけると

「そうですね!」

ローズの笑顔に二人はそんな奴いないと言えなかった。

チャートは早速馬に乗るとローズを支える。

「では…城まで一緒に…」

ロイとカイルも馬に跨ると

「では先に実を持って城に戻っている。引き続きここの警護と魔獣の処理を頼む」

ロイ達は兵士に指示を出して王宮へと馬を走らせた。

「ではチャート様とローズは医務室に…私達は陛下にこの事の報告をして研究者達を連れてきますから」

ロイとカイルは実を持つと

「すぐに食べさせて貰えるように掛け合ってくる…もう少し我慢していてくれ」

カイルはローズの足を見てすまなそうにすると

「はい、待っていますね」

ローズは気にしないで欲しいと笑いかけた。

「じゃあローズ行くぞ」

ロイとカイルが行くとチャートはローズをだき抱える。

「しかし…ローズの足が治ったらもうこうやって抱っこも出来んなぁ」

寂しそうに笑うと

「この年で抱っこされてたらおかしいでしょ…たまになら…またね」

ローズが恥ずかしそうに答えると…チャートの顔が曇った。

「お父さん?どうしたの?」

ローズは不安げな表情の父に何事かと声をかけた。
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