209 / 318
連載
270.
しおりを挟む
バルトが実を食べるのをローズとカイルとチャートはじっと見つめる。
「……そんなに見られると食べずらいんだが…」
バルトがチラッと三人を見ると
「あっごめんね。どうなるのか気になって…なんか変化ある?」
「いや、特段無いぞ。痛みが消えて良くなるぐらいだ」
「酷い怪我の時はみるみる治ったんだがな…」
「それは実を取ってすぐに食べたのかい?」
チャートが聞くと
「すぐと言うわけではありませんが…確かに今の実よりも新鮮な感じだったな」
「ああ」
バルトも頷くと
「もしかしたらそこら辺も効果に違いがあるのかもしれないなぁ…」
チャートが顎に手を当てて考える。
「まぁそこら辺は本職に任せよう、早速戻ってローズの足を直してやりたい」
チャートが心配そうにローズを見つめると
「お父さん…ありがとう」
ローズが笑うと
「治ったらローズを鍛え直さないと…」
「「えっ…」」
ロイとカイルがチャートを見ると
「そうですね…私もあんな事で負けるとは思いませんでした。今度はもう少し体力も鍛えないといけませんね」
ローズが眉間にシワを寄せて考えると
「そうだな、またいつ、誰に襲われるとも限らんからな!クラウディアとの約束の為にもまたしっかりと鍛錬をしよう」
「はい!」
ローズはグッと力を込めて拳を握りしめた。
「ロ、ローズもうそんなに強くならなくてもいいんじゃないか?」
カイルが恐る恐る聞くと
「いえ!一人であの程度払えのけられなくては…皆さんにも心配かけてしまいましたし…私がもう少し強ければ…」
悔しそうにしていると
「いや…十分強いだろ…それ以上強くなったら…」
ロイとカイルはお互いの顔を見る。
「なぁに!ローズぐらいの女子などたくさんいるだろ?なぁ?」
チャートが笑いかけると
「そうですね!」
ローズの笑顔に二人はそんな奴いないと言えなかった。
チャートは早速馬に乗るとローズを支える。
「では…城まで一緒に…」
ロイとカイルも馬に跨ると
「では先に実を持って城に戻っている。引き続きここの警護と魔獣の処理を頼む」
ロイ達は兵士に指示を出して王宮へと馬を走らせた。
「ではチャート様とローズは医務室に…私達は陛下にこの事の報告をして研究者達を連れてきますから」
ロイとカイルは実を持つと
「すぐに食べさせて貰えるように掛け合ってくる…もう少し我慢していてくれ」
カイルはローズの足を見てすまなそうにすると
「はい、待っていますね」
ローズは気にしないで欲しいと笑いかけた。
「じゃあローズ行くぞ」
ロイとカイルが行くとチャートはローズをだき抱える。
「しかし…ローズの足が治ったらもうこうやって抱っこも出来んなぁ」
寂しそうに笑うと
「この年で抱っこされてたらおかしいでしょ…たまになら…またね」
ローズが恥ずかしそうに答えると…チャートの顔が曇った。
「お父さん?どうしたの?」
ローズは不安げな表情の父に何事かと声をかけた。
「……そんなに見られると食べずらいんだが…」
バルトがチラッと三人を見ると
「あっごめんね。どうなるのか気になって…なんか変化ある?」
「いや、特段無いぞ。痛みが消えて良くなるぐらいだ」
「酷い怪我の時はみるみる治ったんだがな…」
「それは実を取ってすぐに食べたのかい?」
チャートが聞くと
「すぐと言うわけではありませんが…確かに今の実よりも新鮮な感じだったな」
「ああ」
バルトも頷くと
「もしかしたらそこら辺も効果に違いがあるのかもしれないなぁ…」
チャートが顎に手を当てて考える。
「まぁそこら辺は本職に任せよう、早速戻ってローズの足を直してやりたい」
チャートが心配そうにローズを見つめると
「お父さん…ありがとう」
ローズが笑うと
「治ったらローズを鍛え直さないと…」
「「えっ…」」
ロイとカイルがチャートを見ると
「そうですね…私もあんな事で負けるとは思いませんでした。今度はもう少し体力も鍛えないといけませんね」
ローズが眉間にシワを寄せて考えると
「そうだな、またいつ、誰に襲われるとも限らんからな!クラウディアとの約束の為にもまたしっかりと鍛錬をしよう」
「はい!」
ローズはグッと力を込めて拳を握りしめた。
「ロ、ローズもうそんなに強くならなくてもいいんじゃないか?」
カイルが恐る恐る聞くと
「いえ!一人であの程度払えのけられなくては…皆さんにも心配かけてしまいましたし…私がもう少し強ければ…」
悔しそうにしていると
「いや…十分強いだろ…それ以上強くなったら…」
ロイとカイルはお互いの顔を見る。
「なぁに!ローズぐらいの女子などたくさんいるだろ?なぁ?」
チャートが笑いかけると
「そうですね!」
ローズの笑顔に二人はそんな奴いないと言えなかった。
チャートは早速馬に乗るとローズを支える。
「では…城まで一緒に…」
ロイとカイルも馬に跨ると
「では先に実を持って城に戻っている。引き続きここの警護と魔獣の処理を頼む」
ロイ達は兵士に指示を出して王宮へと馬を走らせた。
「ではチャート様とローズは医務室に…私達は陛下にこの事の報告をして研究者達を連れてきますから」
ロイとカイルは実を持つと
「すぐに食べさせて貰えるように掛け合ってくる…もう少し我慢していてくれ」
カイルはローズの足を見てすまなそうにすると
「はい、待っていますね」
ローズは気にしないで欲しいと笑いかけた。
「じゃあローズ行くぞ」
ロイとカイルが行くとチャートはローズをだき抱える。
「しかし…ローズの足が治ったらもうこうやって抱っこも出来んなぁ」
寂しそうに笑うと
「この年で抱っこされてたらおかしいでしょ…たまになら…またね」
ローズが恥ずかしそうに答えると…チャートの顔が曇った。
「お父さん?どうしたの?」
ローズは不安げな表情の父に何事かと声をかけた。
275
お気に入りに追加
8,922
あなたにおすすめの小説
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。