貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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255.拷問(最後…やっぱり不快になるかな…苦手な方は飛ばそう)

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「あっ!まずいです!」

スチュアートはチャート様を止めようと体を抑えようと手を伸ばす!

が…既に遅くその拳はボストンの顔に深くめり込んでいた…

ボストンはそのまま後ろに吹き飛び壁にめり込みとドサッと地面に顔から倒れ込んだ。

「ああ…遅かった…まぁ自業自得ですね。何故あんな馬鹿な事を言ったのでしょう?理解に苦しみます」

スチュアートは額に手を当ててため息をついた。

我に返ったチャートは…

「すまん…体が勝手に動いていた」

ボストンの様子を伺うスチュアートさんに謝罪すると

「あっ…大丈夫そうですね、かろうじて息をしています。まぁ文字通り虫の息ですが…」

スチュアートさんは少しだけ残っていた回復薬をめり込んだ顔にかけてみる。

「ひゅー…ひゅー…」

ボストンはピクリとも動かずに目だけをキョロキョロと動かしていた…

「なんでしょう…動きませんね?」

スチュアートさんがボストンを動かそうとするが力が入らないのか腕や足をダランとさせている。

様子がおかしいのでダンテ先生を呼んで来るとにした。

ダンテ先生はボストンを見るなり不快な顔をすると仕方がなさそうに様子を伺う。

「これは…脊髄が損傷してますね」

ボストンの目に光を当てたり、手足に針を刺して反応を調べている。

「それはどういう事ですか?」

ロイが聞くと

「意識はあるようですね。こちら言う事も理解しているようですが顎から下の反応がありません。この男は二度と動く事もまともに話す事もできません」

ボストンの目が見開いた!

「まぁ死んでないし良かったんじゃないのか?」

カイルがボストンを見下ろすとその目は恐怖でキョロキョロと動き回っていた。

「ですが…このままでは誰かが世話をしないといけません…私はごめんですよ!」

ダンテ先生が絶対嫌だと顔を顰めると

「それならピッタリの人物がいるではありませんか?」

スチュアートさんの声にみんなが振り返るとスチュアートさんはゆっくりと椅子の上で怯えているマデリンを見つめた。

「え…」

マデリンは床に転がるボロ雑巾のような男を見ると

「い、いやだ!いやです!」

首を振ると

「だからこそ罰になるんでしょうが」

お前は馬鹿かと笑いかけられた。

「よし、決まりだな。この囚人共を同じ独房に世話はお前がするんだ!この男を殺してみろ…その時はお前がこうなると思えよ」

ロイがマデリンに言い放つと

「うぅ…」

マデリンはガックリと項垂れ泣き出した…

兵士達はボストンを運ぶのを躊躇うと…

「おい、お前コイツを運べ」

マデリンを押し倒してボストンを運ばせる。

「お、重い…無理…です…足が痛いし動けない」

マデリンが泣き言を言いながら引きずりボストンをどうにか運ぼうとしたら…足に生暖かいものが垂れた。

「まさか…」

マデリンが見るとボストンの股間からタラタラと尿が垂れている。

「ああ、下半身に神経がありませんから全て垂れ流しになります。そちらの世話もしてくださいね」

ダンテ先生が追加で説明すると…

「ほら、拭いとけよ」

兵士が近くにあった雑巾とバケツを投げつけた。

「これは…」

マデリンが戸惑うと

「これは…じゃねぇよ。そいつの世話はお前がするんだ、そいつの漏らした小便を綺麗に拭き取れ」

「そんな!」

「早くしろよ、そのうち便も漏らすかもしれないぞ」

兵士の言葉にマデリンは慌てて小便を拭く!

「お、おえっ!」

しかしなれない作業と臭いに気分が悪くなり嘔吐してしまった。

「うわっ!さらに汚しやがって!それも綺麗にしろよ!」

中々進まない作業に兵士達もイライラしだす。

「うっ…うう…うう…」

マデリンは嗚咽と涙と鼻水を垂らしながら床を磨き続けた。
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