貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

連載

252.拷問(少し不快な表現があります苦手な方は飛ばして下さい)

｢じゃあまずはこいつからかな｣

チャートはボストンを冷たい石の椅子に座らせると体が動かない様に縛り付ける。

｢どうせなら同時進行で説明だけでもした方がよろしいかと…｣

スチュアートはボストンの前によく見えるようにマデリンを縛り付けた。

｢ではよろしいですか？我々の質問に正直に答えて下さい。もし嘘をついたら…｣

ポキンッ…

｢んー！｣

スチュアートさんは小枝を折るようにボストンの指を一本折った。

ボストンはうんうんと分かったと言うように頷く。

｢書記官いいかい？｣

チャートは尋問(拷問)の内容を記録するためについてきたスピアを見る。

｢はい、もちろんです｣

スピアはニコリと頷いた。

｢じゃあまずはお前達の企みだが…いつから計画していた？まぁレスターを巻き込んだ所を見るとかなり前から企んでいたようだが…｣

二人を見ると違うと首を振っている。

｢なんだ？違うのか？｣

チャートが聞くとコクコクと頷く。

｢はいアウトだな｣

チャートは駄目だなぁと呆れたように首を振ると二人の指を折った。

｢指は十本だぞ？そんな調子だとすぐに全部折れちゃいそうだな…｣

指が足りるか心配になると

｢でしたら全部折れたら次は一本ずつナイフで切断しましょうか？｣

スチュアートさんの提案にチャートはそれはいいな！と手を叩く。

ガクッ…

マデリンは二人の会話に耐えられずに気を失ってしまった…すると…

｢駄目ですよ。気を失って逃げるなど許しません、特にレスターを長年苦しめたあなたはね…｣

スチュアートさんはマデリンの足にナイフを突き立てて激痛で目を覚まさせた。

｢ひゅーひゅー！｣

マデリンは必死に何か話そうとするが何を言っているのかわからない。

｢すみませんが何をおっしゃりたいのか分かりません。ですのでこちらの質問に必ず正直に頷いて下さい…嘘はすぐにわかりますからね｣

スチュアートさんがニッコリと笑いかけるとマデリンはガタガタ震えながらコクコクと必死に頷いた。

｢チャート様、どうもこの女の方が先の方がよろしいかと…｣

スチュアートさんがマデリンを見せると今にも気を失いそうな白い顔をしている。

｢そうだな、じゃあボストンは後で先にその女の方を始めよう｣

スチュアートは頷くと

｢では…あのジュリアと言う娘ですが、父親はこの屑で間違いないですか？｣

目の前のボストンを指さすと、

コクッ…と目を瞑りそっと頷く。

ボキッ！

｢ひゅー｣

なんで！とマデリンがスチュアートを見ると

｢返事はハッキリとそんな小さく頷かれては分かりませんから｣

コクコク！

マデリンは勢いよく頷く。

｢あの娘を妊娠してからレスター様と婚約したのですか？｣

コクコク！

｢レスター様の前妻のアメリア様は…あなたが殺したのですか？｣

ビクッ…マデリンは少し考えるとコクリと頷く。

｢なんでしょう…何故考えたのか…まさか直接手を下したのは自分じゃないから自分は殺してないとでも思ってはいませんよね？｣

スチュアートが聞くとマデリンは驚いて顔をあげた。

その顔は自分の考えを読まれたと言っているようなものだった。

｢まさに…この親にしてこの子あり。親子で同じ様な考えなのですね…本当に嘆かわしい。アメリア様はお前が足元にも及ばないほど出来た素晴らしい方でした｣

スチュアートは悲しい顔を見せると

｢クッ！｣

スピアが堪らずに声を漏らした…

｢ああ、あなたもレスター様とアメリア様にずっとお仕えしていましたからね…｣

スチュアートは同情するように頷く。

｢あんなにお似合いのお二人はいませんでした…それがこんな女に全て壊されるとは…｣

悔しそうにマデリンを睨みつけた。

｢伯爵夫人を殺害とは…もう一生あなたは日の目を見ることはありませんね…これ以上立場を悪くしたくなければ他の事も残さず吐き出しなさい｣

｢ビュービュー…｣

マデリンは顔中の穴から汁を垂れ流しコクコクと頷き続けた。