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238.ダミアンの告白
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ダミアンは忘れもしないあの日の事を話し出す…
「あれはマデリン様がご懐妊された時の事です…」
「という事はもうレスターと婚姻していた時だな?」
「…いえ…それがわかったのはその一週間前にございます…」
「ダミアン、それの意味をちゃんと己の言葉で伝えよ」
レインは顔を顰めてダミアンを見つめた。
「は、はい。レスター様との婚約はほぼ決まっておりましたがマデリン様の懐妊がわかったのはその少し前…」
「そ、そんなのやる事をやってりゃ子もなるだろ!」
ボストンが大声で口を挟むと
「その者を黙らせろ!ボストン…それ以上喋るならその口縫い合わせるぞ…」
レインの言葉にボストンはブルっと震えてじっと我慢をする。
続けよと先を促されると
「確かにボストンの様な人ならそうでしょうが…レスター様は違いました。あの方はきちんとマデリン様との婚礼の儀が終わるまで決して手を出されなかったそうです」
「どうだ?レスター?」
レインが聞くと
「紳士として当然の事かと…」
レスターは当たり前だと顔色を変えずに答えると
「私もそれを知ったのはジュリア様が生まれてからでした…ジュリア様はどう考えても、未熟児で生まれる歳月しかマデリンのお腹の中にいませんでした。ジュリア様は予定よりも早くお生まれになったのです」
ダミアンの説明にレインは首を傾げる。
「それはおかしいな…私も生まれた後にすぐに見せて貰ったが丸々としていて未熟児には見えなかったぞ?」
レインが聞くと
「ええ、ですので私は秘密裏にジュリア様の血液を調べました…レスター様はA型、マデリン様もA型…」
「してジュリア嬢は?」
「B型でした…A型同士の場合生まれる可能性があるのはA型かO型…B型になるのはありえないのです」
「ちなみにボストンお前は何型だ」
ボストンは何も言えないでいると
「B型にございます」
代わりにダミアンが答えた。
「私はこの事をすぐにマデリン様にお伝えしました…理由があるのなら早くレスター様に話された方がいいと…するとマデリン様は笑って黙っているようにいい、私はその後遠くの辺境の町へと、飛ばされました…」
「何故今まで黙っていた」
国王がダミアンを責めると
「申し訳ございません…医師としてこの罪は償わせていただきたいと…」
ダミアンがそう言うと…
「すみません…発言よろしいでしょうか?」
クリスが小さく手をあげた。
国王が頷くと
「ダミアンさんの事ですが少し補足させて下さい。僕が調べた所によるとダミアンさんの奥様がこの王都にお住いなんですよね?」
ビクッ…
ダミアンさんの肩が揺れる…
「しかもその奥様のお仕事がどうもボストンの屋敷の清掃係なんだそうですよ…しかもダミアンさんが飛ばされてお仕事も少なくなり家計も苦しい所にその仕事を紹介されたとか…それって変だなと思って調べたらどうも奥様を人質に取られてこの事を口止めされていたみたいなんですよね、それって脅迫だと思うんですが違いますか?ダミアンさん?」
ダミアンはクリスを見ると
「それでも私が黙っていた事に変わりはありません」
ダミアンは申し訳無さそうに顔を下げる。
「妻もおかしいと思っていたようです…数年前に看取りましたが最後にこの事を告白すると馬鹿だと怒られました…ですから私は罪を償いたいのです。クリス様のそのお気持ちには感謝致します」
ダミアンはそう言うと自分の告白は以上だと国王からの判決の言葉を待った。
「あれはマデリン様がご懐妊された時の事です…」
「という事はもうレスターと婚姻していた時だな?」
「…いえ…それがわかったのはその一週間前にございます…」
「ダミアン、それの意味をちゃんと己の言葉で伝えよ」
レインは顔を顰めてダミアンを見つめた。
「は、はい。レスター様との婚約はほぼ決まっておりましたがマデリン様の懐妊がわかったのはその少し前…」
「そ、そんなのやる事をやってりゃ子もなるだろ!」
ボストンが大声で口を挟むと
「その者を黙らせろ!ボストン…それ以上喋るならその口縫い合わせるぞ…」
レインの言葉にボストンはブルっと震えてじっと我慢をする。
続けよと先を促されると
「確かにボストンの様な人ならそうでしょうが…レスター様は違いました。あの方はきちんとマデリン様との婚礼の儀が終わるまで決して手を出されなかったそうです」
「どうだ?レスター?」
レインが聞くと
「紳士として当然の事かと…」
レスターは当たり前だと顔色を変えずに答えると
「私もそれを知ったのはジュリア様が生まれてからでした…ジュリア様はどう考えても、未熟児で生まれる歳月しかマデリンのお腹の中にいませんでした。ジュリア様は予定よりも早くお生まれになったのです」
ダミアンの説明にレインは首を傾げる。
「それはおかしいな…私も生まれた後にすぐに見せて貰ったが丸々としていて未熟児には見えなかったぞ?」
レインが聞くと
「ええ、ですので私は秘密裏にジュリア様の血液を調べました…レスター様はA型、マデリン様もA型…」
「してジュリア嬢は?」
「B型でした…A型同士の場合生まれる可能性があるのはA型かO型…B型になるのはありえないのです」
「ちなみにボストンお前は何型だ」
ボストンは何も言えないでいると
「B型にございます」
代わりにダミアンが答えた。
「私はこの事をすぐにマデリン様にお伝えしました…理由があるのなら早くレスター様に話された方がいいと…するとマデリン様は笑って黙っているようにいい、私はその後遠くの辺境の町へと、飛ばされました…」
「何故今まで黙っていた」
国王がダミアンを責めると
「申し訳ございません…医師としてこの罪は償わせていただきたいと…」
ダミアンがそう言うと…
「すみません…発言よろしいでしょうか?」
クリスが小さく手をあげた。
国王が頷くと
「ダミアンさんの事ですが少し補足させて下さい。僕が調べた所によるとダミアンさんの奥様がこの王都にお住いなんですよね?」
ビクッ…
ダミアンさんの肩が揺れる…
「しかもその奥様のお仕事がどうもボストンの屋敷の清掃係なんだそうですよ…しかもダミアンさんが飛ばされてお仕事も少なくなり家計も苦しい所にその仕事を紹介されたとか…それって変だなと思って調べたらどうも奥様を人質に取られてこの事を口止めされていたみたいなんですよね、それって脅迫だと思うんですが違いますか?ダミアンさん?」
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「それでも私が黙っていた事に変わりはありません」
ダミアンは申し訳無さそうに顔を下げる。
「妻もおかしいと思っていたようです…数年前に看取りましたが最後にこの事を告白すると馬鹿だと怒られました…ですから私は罪を償いたいのです。クリス様のそのお気持ちには感謝致します」
ダミアンはそう言うと自分の告白は以上だと国王からの判決の言葉を待った。
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