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236.レスターとボストン

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国王達は一通りロイ達からの報告を聞くとため息をついた…

「それで…ローズ嬢の様子は?」

国王が心配そうに聞くと

「今ダンテ先生にお任せして治療をしてもらっています。そばにはスチュアートにいてもらってます」

「そうか…ダンテには最優先の治療をと伝えてくれ、回復薬も惜しみなく使って欲しいと…」

レインは従者に指示を出すと従者は医務室へと走った。

「まさかあの馬鹿がそこまで馬鹿だとは…」

レイン国王が頭を抱えた…

「ローズ嬢には後で私が直々に謝罪にいこう…身の安全は保証出来ると思っていたが私の考えが甘かったようだな…」

国王が項垂れる。

「それは私もです…なるべくローズやバルトのそばにいるようにしておりましたが…色々と誤算がありました」

ロイが頭を下げる。

「ですのでローズ嬢から了承を得れれば彼女を私の妻に迎えたいと…」

「ま、待て!」

レインはロイの発言を途中で止めると

「そういう事は全て片付いてからだ、それにお前も後ろのカイルとよく話し合え、この場でのその発言は重いぞ」

「覚悟の上です」

「お前が覚悟をしたとしても彼女はどうなんだ?相手の事をよく考えろ。先程の発言は保留!」

国王がロイを黙らせると

「ではまずはボストンをここに…あいつの言い訳とやらも聞いてみよう」

レインが頷くと兵士が扉を開き、ボストンを引きずってきた…

「なんだその格好は…」

レインはボストンの惨状に呆れる…あの高飛車なボストンは立ち上がる事も出来ずに這いつくばりながら現れた。

「申し訳ございません。この者両足と片腕の骨が折れており目も潰れています。ですが耳も口も鼻も無事ですから問題ないと思い引きずって参りました」

兵士が敬礼しながら惨状を説明する。

「そうか、それなら仕方ないな…でボストン。お前ローズ嬢の監禁暴行の現行犯で捕まったそうだが申しひらきはあるか?」

ボストンは国王の声に慌てて片手で上半身をあげると…

「私は騙されたのです…隣国に…そしてマデリンに…」

「マデリン?何故ここでレスター大臣の妻の名がでる」

レインが淡々と聞く、レスターを見るが顔色ひとつ変えずにボストンの言葉を聞いていた。

「は、はい!あれはマデリンが計画した事なんです!私はその甘い罠にまんまと乗せられてしまった憐れな男です…本当に悪いのはあの女です!」

「レスター大臣…どういう事だ?」

レインがレスターに声をかける。

「はい、私の方からもその事でちょうどご報告があります。私の妻だったマデリンですが…」

レスターの言葉をボストンが途中で遮った。

「だった…だと…?」

レスターは話の途中で遮られボストンを睨むと

「全く…人の物を取るのが本当に好きだな…」

やれやれとため息をつく。

「あの女はもう私の妻ではない、先程国王にも報告して正式に離縁をした」

「聞いてないぞ…」

「何故お前に言う必要が?私の妻だった女とずっと不倫をしていただろう、そんなに奴に何を伝える。私が何も知らないと思ったか?」

レスターは氷の様に冷たい声でボストンを睨みつける。

「あの女が欲しいなら熨斗をつけて送ってやろう…いつか目を覚ますのではないかと待つまでいたがお前の書類を見つけてそんな気持ちも消え失せた」

バサッとレスターはボストンの前に書類を落とした…

「俺の書類だと…」

ボストンは嫌な予感に顔を顰めた。
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