貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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225.一難去ってまた一難

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ローズはふっと力を抜くと…油断した男の股間目掛けて足を振り上げる!

「グッ!」

足枷が邪魔をするが構わずに力いっぱい膝を立てた!

「あっ…」

男はモロに急所を蹴られて声も出ずに倒れ込んだ…

ローズはサッと横に避けると男はベッドの上で顔を青くして油汗を流す…

ローズは胸元を隠すと男から離れた。

「この…アマがぁ…」

男はようやく息ができたのかローズをギロッと睨みつけると震えながらそろっと動き出す…

「ふんっ!来なさいよ!もう一発お見舞してあげる」

ローズは近づかせまいと腕を前に出して構えると…

「何を騒いでる!」

扉が開いて…思わぬ人物が姿をあらわした…

ローズはその姿を見て目を見開く!

「なんであなたがここに?」

そこにはボストン大臣がガブリエルと立っていた…

「全く…令嬢らしく大人しく捕まってることもできないのか…」

ボストンはローズを睨みつけると乱れた服に気がつく…

横で股間を押さえて縮こまっている男を睨みつけた。

「まさかお前…人質に手を出したのか?」

カブリエルが男を立たせると

「ま、まだ出しちゃいない!で、でもどうせ返す気は無いんだろ?ならここで遊んだって構わないだろ?」

男は慌てて言い訳をすると…

「まぁそうですね…顔を見られたからな、返す訳にはいかない」

ボストンの言葉に男はニヤッと笑うと

「ガブリエル!このお偉いさんはやけに話が分かるじゃねぇか!」

男はならばと再びローズに近づこうとすると

「だがな…それをお前がするべきではないよな?」

ボストンは冷めた目で男を見つめる…

「えっ…?」

「言う事を聞けない部下を使うつもりはない、ガブリエルこの者の処分は頼むぞ」

「処分?ま、待てよガブリエル!ちょっと手ぇ出そうとしただけだろ?まだなんにもしてねぇから」

男が待てと手をあげると

「余計な事を…俺もお前のその行為は許せねぇわ」

ガブリエルは男の腹に思いっきり拳を突き立てた。

ドスッ…

「うっ…」

鈍い音と共に男は気を失ってその場に崩れる落ちた…

「ふん、まさか先に手を出すとは…部下の躾ぐらいちゃんとしておけ!」

ボストンはガブリエルに怒鳴りつける。

「まぁいい…じゃあその娘を押さえつけろ」

「えっ…はっ?な、何を?」

ガブリエルは驚いてボストンを見つめると…

「その娘には王子の前に二度と姿を見せないで貰いたいんだ」

ボストンはローズの肌けた首元をじっと見つめる…

「いや…まだこの娘には利用価値が…今は手を出すべきではないのでは?」

ガブリエルが止めようとするが

「別に生きてれば大丈夫だろ、別に殺すわけでもない…まぁ死にたくなっても死なせないがな…」

ボストンが醜く笑うと

「その為には不本意だが…その体を頂こう」

言葉とは裏腹にボストンはニヤつきながらローズの体を上から下まで舐め回すように見つめた。

「何言ってるの…近づかないで!」

ローズがボストンを睨みつける。

「ガブリエルさんも言ってやって!そんな事をしたってなんにもならないって!」

ローズはガブリエルを見つめると…サッとめを逸らされた。

「ローズ…悪いな…」

ガブリエルはローズに謝りながら近づいていくとその手を掴む。

「やめて!」

抵抗するローズをあっさりと掴むと

「クックック…いいぞ、そのまま抵抗しないように押さえておけ、さすがの王子ももう穢れた令嬢など婚約者にはしまい。さすれば次は…」

ボストンはゆっくりとローズに手を伸ばした。

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