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連載
211.誘拐
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カイルとスチュアートはローズ達と別れた場所へと急いで向かうと…途中城下の人達が集まって騒ぎがおきていた…
「スチュアートさん!あそこにクリスが!」
人混みにクリスを見つけると、カイルとスチュアートは人をかき分けクリスの元に向かう!
「クリス!」
「クリス様!なぜまだこんな場所に?」
二人の姿にクリスは顔を強ばらせた…
そんなクリスの様子にカイルは嫌な予感がする。
「ローズは!?」
カイルがガシッとクリスの肩を掴んだ。
「ね、姉さんは…今、行方不明です…ここで休んでいたはずなのに…急に姿が見えなくなって…今みんなで探していたところなんです…」
クリスがガクッとうなだれると
「僕が少し目を離した隙に…」
「一体何があったのですか?この惨状は?」
すぐ近くでは店に突っ込んだと思われる馬車が消し炭になっていた…火は消えているが周りにはまだ馬車の残骸が残っている。
「僕らが帰っている途中になんか視線を感じたので急いで戻っていたんです…そしたらすぐ近くで馬車が暴走したらしくこの有様で…火も出ていまして、僕らは乗っていた人の救出をしていました…」
「馬車…暴走…」
スチュアートさんが顔をしかめると
「中の人達は姉さんやガルムさんのおかげでどうにか無事でした…しかし中の人が目が覚めたようなのでガルムさんが確認に向かい…疲れた姉さんはここにバルトさんと座って待っていたんです…」
そこには木が置いてあり、座って休むにはちょうどいい場所だった。
「僕も様子を見に少し離れて…戻ってくるともう姿は無く…ジェシカさんやロドムさんが街の人に声をかけて探しているのですが…」
クリスはそこまで説明してぐっと拳を握る。
「クリスくん!ローズ様はいた?」
はぁはぁと息を切らしてジェシカさんが走って戻ってきた。
「あっ…スチュアートさん…」
スチュアートさんとカイルに気がつくと…
「すみません…今手伝ってもらい街中探しているんですが…」
ジェシカさんが謝ると
「いえ、あなた達のせいではありません。私達が追っていた男達の仕業でしょう…」
「えっ…それってどういう事ですか!」
クリスが詰め寄ると
「私達が捕まえた男達が言っておりました…私達を二手に分けたのは作戦だと…バルトさんとローズ様を狙っていたのでしょう…今や二人はあの木の果実の事を知る唯一の人物ですから…」
「しかしそれは口外していないはずです!」
「そうですが、ローズ様はあの果実をお茶会で披露してしまいました…いくらなんでもあの大人数の全ての口を塞ぐのは難しいと思っていました…」
「姉さんがそんな秘密を?バルトさんもただのカーバンクルとは思っていませんでしたが…なんで僕に話してくれなかったんだろ」
クリスが寂しそうな顔をする。
「それはもちろんクリス様を巻き込みたくなかったからでしょう」
スチュアートさんがそっとクリスの肩に手を置く。
「とりあえず戻りましょう。あの男達が何か知っているかも知れません!」
「そうですね」
クリスもコクッと頷くと
「そういえばガルムは?」
「それが責任を感じて酷い様子でしたので…馬車に乗っていた人の方を優先するように言ってしまいました…あのままだと自分の命を投げ打っても構わなそうだったので…そんな事したらきっと姉さんは喜びませんから」
クリスが力なく笑うと
「ありがとう…きっとローズは見つけて見せる」
カイルはしっかりと頷くと
「ぼくも行かせて下さい!きっと役になってみせますから!」
力強い眼差しにカイルとスチュアートは頷くと王宮へと走り出した。
「スチュアートさん!あそこにクリスが!」
人混みにクリスを見つけると、カイルとスチュアートは人をかき分けクリスの元に向かう!
「クリス!」
「クリス様!なぜまだこんな場所に?」
二人の姿にクリスは顔を強ばらせた…
そんなクリスの様子にカイルは嫌な予感がする。
「ローズは!?」
カイルがガシッとクリスの肩を掴んだ。
「ね、姉さんは…今、行方不明です…ここで休んでいたはずなのに…急に姿が見えなくなって…今みんなで探していたところなんです…」
クリスがガクッとうなだれると
「僕が少し目を離した隙に…」
「一体何があったのですか?この惨状は?」
すぐ近くでは店に突っ込んだと思われる馬車が消し炭になっていた…火は消えているが周りにはまだ馬車の残骸が残っている。
「僕らが帰っている途中になんか視線を感じたので急いで戻っていたんです…そしたらすぐ近くで馬車が暴走したらしくこの有様で…火も出ていまして、僕らは乗っていた人の救出をしていました…」
「馬車…暴走…」
スチュアートさんが顔をしかめると
「中の人達は姉さんやガルムさんのおかげでどうにか無事でした…しかし中の人が目が覚めたようなのでガルムさんが確認に向かい…疲れた姉さんはここにバルトさんと座って待っていたんです…」
そこには木が置いてあり、座って休むにはちょうどいい場所だった。
「僕も様子を見に少し離れて…戻ってくるともう姿は無く…ジェシカさんやロドムさんが街の人に声をかけて探しているのですが…」
クリスはそこまで説明してぐっと拳を握る。
「クリスくん!ローズ様はいた?」
はぁはぁと息を切らしてジェシカさんが走って戻ってきた。
「あっ…スチュアートさん…」
スチュアートさんとカイルに気がつくと…
「すみません…今手伝ってもらい街中探しているんですが…」
ジェシカさんが謝ると
「いえ、あなた達のせいではありません。私達が追っていた男達の仕業でしょう…」
「えっ…それってどういう事ですか!」
クリスが詰め寄ると
「私達が捕まえた男達が言っておりました…私達を二手に分けたのは作戦だと…バルトさんとローズ様を狙っていたのでしょう…今や二人はあの木の果実の事を知る唯一の人物ですから…」
「しかしそれは口外していないはずです!」
「そうですが、ローズ様はあの果実をお茶会で披露してしまいました…いくらなんでもあの大人数の全ての口を塞ぐのは難しいと思っていました…」
「姉さんがそんな秘密を?バルトさんもただのカーバンクルとは思っていませんでしたが…なんで僕に話してくれなかったんだろ」
クリスが寂しそうな顔をする。
「それはもちろんクリス様を巻き込みたくなかったからでしょう」
スチュアートさんがそっとクリスの肩に手を置く。
「とりあえず戻りましょう。あの男達が何か知っているかも知れません!」
「そうですね」
クリスもコクッと頷くと
「そういえばガルムは?」
「それが責任を感じて酷い様子でしたので…馬車に乗っていた人の方を優先するように言ってしまいました…あのままだと自分の命を投げ打っても構わなそうだったので…そんな事したらきっと姉さんは喜びませんから」
クリスが力なく笑うと
「ありがとう…きっとローズは見つけて見せる」
カイルはしっかりと頷くと
「ぼくも行かせて下さい!きっと役になってみせますから!」
力強い眼差しにカイルとスチュアートは頷くと王宮へと走り出した。
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