貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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209.バケモノ

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「優男とジジイに敵わないあなた達は一体なんなんですかね?」

スチュアートさんは男達を足蹴にするとニッコリと笑う。

「なんだ…このジジイ…めちゃくちゃ強いぞ…」

ゴリッ!

スチュアートさんは男を踏んでいた足に力を込めると骨が折れる音がした。

「ぎゃあああ!」

男は泡を吹いて白目を向いて気絶した。

「さ、先に優男をやっちまえ!」

不気味な老紳士は後回しにしてカイルに矛先を変えると男達が一斉に剣を振り上げた!

「はあぁぁぁ!!」

カイルは剣を受け止めると力を込めて押し返す!

「うわっ!」

「あの細腕からこんなに力が出るのかよ!」

吹き飛ばされた男達が急いで起き上がろうとするとカイルはすかさずに男達の肩を剣を打ち付ける!

ドスッ!ドスッ!ドスッ!

刃を当てないように男達に一撃を食らわせて行く。

「グッアア…」

「なんなんだよ…こいつら…」

打ち付けられた肩を押さえて男達がカイルとスチュアートを見上げる。

「たった二人だから大丈夫だって言ったの誰だよ…」

「に、逃げろ!」

かろうじて動ける男達が逃げ出そうとすると…

ドカッ!

扉に向かって何かが飛んできて男達が避ける!

見ると倒れた仲間が放り投げられてきた…

「えっ?」

「仲間を見捨てて逃げ出すとは何事ですか?男なら最後まで足掻きなさい」

スチュアートは腕をポキポキと鳴らしながら男達に近ずいていくと…

「お、おい!早く逃げろ!」

我先にと男達が扉に群がる!

「は、早く開けろ!」

「まて!投げられた男が邪魔で開かない!」

男達が扉を開こうとするが飛んだきた男が行く手を塞いでいた…

「は、早く!」

男達は慌てて思うように逃げ出せずにいると…

ガシッ…恐ろしい手が肩を掴んだ…


逃げ出そうとする男達をスチュアートさんがちぎっては投げちぎっては投げている間にカイルは指示を出していた男を追い詰める。

「さぁ素直に吐くんだ、誰に頼まれた」

「頼まれた?なんの事だ…」

男はこの状況でもまだニヤニヤと笑っている。

「俺達はただあそこに王子が来てるって聞いて見に行っただけだぜ!別になんにもしてねぇよ」

「ここまで来てもまだシラを切るつもりか!」

「うるせえ!力なら負けねぇ!」

男は剣を振りかぶってカイルに襲いかかると…

ガシャン!

カイルは顔色ひとつ変えずに男の剣を受け止める。

「この…馬鹿力が…」

ギリギリと歯を食いしばって男は剣を押し込める…カイルはそれをサッと流すと男は前に倒れ込んだ。

男に剣を突き立てると…

「あきらめろ、もう誰も立っていないぞ」

カイルの言葉に男は周りを確認すると…扉に向かっていた男達は山積みになって気を失っていた…

「バケモノが…」

男はスチュアートを睨みつけると

「ありがとうございます」

スチュアートさんがニッコリと笑ってお礼を言う。

「さぁあきらめろ、お前らの狙いは王子か?」

カイルの言葉に男はニヤリと笑いだした…
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