上 下
115 / 318
連載

174.勘違い

しおりを挟む
「さっき廊下を歩いてたらさ…」

一人の兵士が深刻な顔で鍛錬場に顔を出すと…

「どうした?何か変なもんでも拾って食ったのか?」

他の兵士達が笑い出すと

「馬鹿野郎!そんなんじゃねぇよ…そんな程度ならどれほど良かったか…」

兵士がどんどん元気を無くしていく…

「な、なんだよ。言ってみろよ…」

皆があまりの落ち込み様に心配になり兵士の言葉に耳を傾けると

「さっき廊下でローズ様が男と腕組んで歩いてた…」

「「「「え…」」」」

兵士達は思わぬ報告に言葉を無くす…

「腕を?まさか!見間違えだろ?」

「そうだよ、ローズ様と腕なんて…一体誰がだ!?」

「カイル様だって腕なんて組んだことないはずだぞ!ま、まさか…ローズ様…好きな人が…」

「どんなやつだったんだ!兵士か?俺たちの知ってるやつなのか!?」

「いや…見た事無いやつだ…服装からいって文官だと思う」

ガックリ肩を落として答えると

「クソ…頭が良い奴かよ…ででも顔はどうなんだ!?」

兵士達が希望を持って聞くと

「それが…凄い綺麗な顔したやつだった…あれは、イケメンの分類に入ると思う…」

「くそー!」

「ローズ様が頭のいいイケメンと…俺らに勝ち目ねぇのかよ!」

「いや…腕っ節なら俺達の方が上じゃないか?」

「そ、そうだよな!ローズ様も強いやつが好きって言ってなかったか?」

「いや…聞いたことないが、でもスチュアートさんと打ち合ってる時楽しそうだもんな!」

「なら望みはあるかも…」

兵士達がワイワイと騒いでいると…

「その話…詳しく教えろ…」

低い声が聞こえると思い…皆が振り返ると…恐ろしい形相のカイルが睨みながら立っていた…

カイルはローズが男と腕を組んで歩いていた話を聞くと…

「ローズがそんな事…そいつはどこのどいつだ!?」

「い、いや俺も見た事ないやつで…」

兵士が慌てて答えると…

「おい!ローズ様が庭園で誰かと打ち合いをしてるらしいぞ!しかもかなりの腕でイケメンらしい」

庭園の警護から帰ってきた兵士達が大声で報告すると…

「庭園…」

カイルは兵士達を見ると

「俺は今から庭園の警護に行ってくる…付き合うやつはいるか?」

「「「「はい!」」」」

兵士達は全員手をあげると

「よし!行くぞ!」

カイルを先頭に庭園へと走り出した!

しおりを挟む
感想 1,399

あなたにおすすめの小説

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

継母の心得 〜 番外編 〜

トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。 【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】

卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな

しげむろ ゆうき
恋愛
 卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく  しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ  おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。