貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

連載

169.休息

うーん！

ローズは気持ちのいい朝に伸びをして目を覚ますと…

「おはようございます。昨日はお疲れ様でございました」

クレアさんの優しい声が上から降ってくる

「クレアさんおはようございます」

ローズはベッドから起き上がると

「疲れがすっかり取れました！」

笑顔で腕をぐるぐると回す。

「それはよかったです。たくさん寝ましたからね。ですがその腕を回すのはどうかと思いますよ、もう少しおしとやかにお願い致します」

「はーい」

「ローズはしょうがないな…」

ローズは呆れるバルトに向かってしまったと舌を出すと

「ローズ様は今日も元気なご様子ですね、それなら朝食もたくさん食べれるでしょうか？」

スチュアートさんが声をかけた。

「はい！それはもうたくさん食べれます！」

早速と席に向かおうとすると…

ガシッとクレアさんに捕まえられる。

「あれ？」

ローズはクレアさんを見ると

「あれ？ではございません！先に身支度を整えてからですよ！」

「そ、そんなぁ～もうお腹が準備万端だったのに…」

ローズがしゅんとすると同時に

ぐうぅぅ…

お腹が同意するように鳴り出した。

「俺は先に行ってるぞ」

バルトはサッサとスチュアートの後をついて行く。

「バルト！バルトだって身支度は！？」

「俺はもう終わった」

バルトは振り返って前脚で顔を洗う。

「ううぅぅバルトはいいなぁ！あれで終わりなの」

恨めしそうにバルトを見つめながらクレアさんに引きずられて行った…

時間をかけてバッチリと身支度を整えると部屋ではスチュアートさんがすっかり用意を終えてローズが来るのを待っていた。

「ローズ様今朝のパンは何に致しますか？」

席に座ったローズにスチュアートさんが数種類のパンを見せると…

「えー！どれも美味しそう…どうしよう！」

どれにしようかとじっくりとパンを見つめる。

「これも美味しそう…でも隣も捨てがたい、ああやっぱりこっちかなぁ～」

そんなローズにスチュアートさんは苦笑すると

「でしたら全て少しずつ食べますか？」

「いえ！少しずつって事は残りは残すってことですよね？それなら全部食べます！」

「ぜ、全部ですか？」

さすがのスチュアートさんも驚くと

「もうお腹ペコペコなので朝飯前です！あっ！まさに朝メシ前ですね！」

「ローズ…」

バルトが首を振って呆れている…クレアさんとスチュアートさんは驚き口を開きっぱなしにしているがローズは構わず一人で笑ってパンに手を伸ばした。

言葉通りローズは全て綺麗に食べ終えると…

「今日の予定はなんでしょうか？」

スチュアートさんとクレアさんに確認をする。

「お披露目会の合否の発表は明日ですから…今日はお休みですね。どうしますか？ゆっくり休むか何かしたい事でもありますか？」

「そうですね…少し食べすぎたし、バルトとお散歩でもしようかな」

「少し…」

「あれで…」

スチュアートさんとバルトは思わず顔を見合わせた。