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164.立腹

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ぐうぅ~

部屋に可愛い音が響くと…

「す、すみません。ほっとしたらお腹が…」

ローズが顔を赤らめてお腹を押さえる。

「ふふ、すぐにローズ様のお食事もご用意致しますね」

スチュアートさんがクスクスと笑うと

「ではローズ様はお風呂とお着替えを済ませてしまいましょうね」

クレアさんがパンパン!と手を叩くとローズ様を浴室へと連れていく。

スチュアートさんも食事の用意に向かった。

さっぱりと着替え、おなかいっぱいご飯を食べたローズは…

「はぁ~」

大きな欠伸をしてしまう。

「す、すみません…」

慌てて口を押さえると

「今日はもうお疲れでしょうから早めにお休みになってください」

クレアさんがベッドの用意を整えると

「バルトさんも一緒にお休みになってください」

スチュアートさんが二人をベッドへと促す。

「バルト、お言葉に甘えて早めに休もうか?」

「そうだな…いささか疲れた」

バルトがヒョイっとベッドに乗り込むとローズも続く。

二人はベッドに入るとあっという間に眠りについてしまった。

「本当にお疲れ様でございました…」

クレアさんが布団をしっかりとかけると部屋の明かりを落とす。

スチュアートさんと部屋を出ると…

「しっかりと警護をお願いしますよ」

兵士達に声をかけてクレアさんと廊下を歩き出す。

「「は、はい!」」

兵士達はバッ!と敬礼をして二人を見送る…

「み、見たか…」

兵士は隣に立つ仲間に怖々声をかけると…

「見た…凄い怒ってたな…」

ゴクッと唾を飲み込む。

「クレアさんまで怒ってたような…何があったんだ?」

「知らないが俺達はここをしっかりと守ろう!何かあればあの怒りが俺達に向くかもしれないぞ…」

「そ、そうだな!」

兵士達は注意深く周りを警戒した。


クレアさんとスチュアートさんは廊下を歩きながら怒りを抑えられずにいた…

ローズ様の前では決して出さなかった感情が爆発しそうになっていた…

ーバタンッ!

謁見の間の隣の控え室の扉を勢いよく開くと…

「うわっ!ど、どうしたスチュアート…扉が壊れるぞ…」

そこで待っていたレイン様とフリード様、王妃様のラーラ様、ロイ王子とカイルが驚きスチュアートさんを見つめる。

「失礼致しました…」

スチュアートさんが頭を下げると…

「それで?お披露目会で何があったのですか?」

顔をあげるなりそう聞くと…

「ローズが何か言っていたのか?」

ロイが声をかける。

「ローズ様は衣装を破かれていたそうです…どうなっているのですか、ご令嬢達が集まるところの警備は!」

クレアさんがカイル様を睨みつけると…

「す、すみません…外の警備はちゃんとしていましたが…控え室や衣装部屋は兵士がずっと見ている訳にもいかず…しかし事前に変なものなどないか入念にチェックはしました。立ち入れる者も厳選して各々メイドしか入れないようにしてありました」

「では犯人はわかったようなものですね…」

ラーラ様がクスッと笑った。
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