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146.願い

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バルトは果実は前から時折大樹に実が実ることがある事…魔物達は実がなると匂いで気が付き食べに行くが、余程困っていない限り取りには行かないと伝えた。

そして下からでは人では認識出来ない高さにあることを教える。

「まぁ知っているのはこれくらいだ」

「そうか…」

レインはふーんと思案顔をする。

「やはり魔物達はあの果実の効果はご存知かな?」

「効果?あぁ…少し体が楽になるな、魔物達は自分達が傷つくとよく食べる傾向にあったな…」

何かを考えるように答えると

「もういいか?」

バルトはもう十分話しただろうとローズの肩に乗ると目を閉じてしまった。

「ありがとう…また聞きたいことが出来たらよろしく」

レインがお礼を言うがバルトは答えなかった…

「結局…詳しい事はわかりませんな、あの後兵士を向かわせて見ましたが果実など生えていませんでしたし…」

大臣の言葉にローズはびっくりして顔をあげる。

それをみてレインが笑うと

「すぐに捜索隊を出させて貰ったんだ、しかし実はもちろん…木の頂上まで登れる兵士は一人もいなかった」

えっ…

ローズが首を傾げると

「君が一人で登ったように身の軽い者を向かわせたが登っても登っても上にたどり着けなかったんだよ」

「そ、そんな…私嘘はついてません!」

「わかっている、実際にあの果実を我々も食べたからね」

レインが頷くと

「どういうわけか君の時に限り果実を採取出来たようだ…」

「あれ…それってもう果実は取れないと言うことですか?」

「まぁこれからも調査は続けて見るがあそこは兵士が警護に立つことになったからね…」

少し残念そうに頷く…あれがもう食べられないのは残念だな…

「君にはこの婚約者候補決めの合間もこの事で少し協力をお願いしたいのだがどうかな?」

「は、はい。私で力になれることなら…」

ローズが頷くとレインは満足そうに頷く。

「悪い様にはしないから…頼むぞその代わり何か欲しいものや願いがあれば言ってみよ。余程の事でなければ叶えよう」

「陛下!?」

大臣達が初耳だと声をかけると

「まぁここまで協力的なんだ、これからも彼女らの協力が必要になるかもしれないからな」

レイン陛下の言葉に大臣達はローズの願いに注目すると…

「では…もし可能ならこの王宮や私達令嬢の暮らしてる宮殿を自由に歩ける許可を…」

「自由に歩いて何をする気だ…?」

大臣達の顔が強ばると…

「あっ!すみません…自由にと言っても普通の人が許可なく入れる所だけで大丈夫です!そしてその許可が欲しいのは私でなく…バルトに…」

バルトの目が開くとローズを見つめる。

「そしてバルトを誰も傷つけさせない様にしていただきたいです」

ローズの願いが思ってもいないことに大臣達は顔を見合わせて困惑していた…
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