80 / 318
連載
141.呼び出し
しおりを挟む
「それで…スティーブ体の具合はどうだい?」
レスターがタルトを食べ終えたスティーブに聞くと
「なんだか…体が軽くなったような気がします…」
そう言うと持っていたフォークを握りしめると…ぐにゃっとフォークが曲がった。
「ス、スティーブ!お前そんなに怪力だったか!?」
スピアが驚いていると
「いや…力が溢れ出るようだ!」
ぐっと拳を握りしめると…
「やはり果実に秘密がありそうだな…」
「そ、そんな凄いものだったのですか?私も一口食べたかった…」
スピアが残念そうに空になった皿を見つめた。
お茶会の次の日、結果を決める前にローズは国王陛下に呼び出されていた…
「スチュアートさ~んクレアさ~ん!どうしよう…なんて説明すればいいんですかねぇ…」
ローズは部屋で落ち着かずにウロウロとしていると
「ありのままお話するのがいいと思いますよ」
クレアさんが落ち着いて笑って答える。
「そうですね。下手に嘘をつく方がよくありませんから」
スチュアートさんが落ち着くようにとお茶を入れると
「それはもちろん!それよりも色々と…不味いことがありまして…」
ローズは言いにくそうに口を開いた…
話を聞いたクレアさんとスチュアートさんは驚いて顔を見合わせ固まっている。
「あの…」
二人に声をかけると
「まさか…もう既にフリード様とレイン様とお会いしていたとは…」
「そうなんです!私全然気が付かなくて…フリード様にはお店でお金を頂いた方だと思います。どうしよう…返すお金…ジェシカさんにあげちゃった…」
ローズの顔が真っ青になる。
「し、しかも国王陛下とは一緒にお茶を飲んじゃいました!ご飯も出して…さらに野菜を食べろとか注意までした気がします…」
「国王陛下のお顔をご存知なかったのですか?」
「遠いところから拝見した事はありますが…まさか盗み食いに来るとは…ただの警備のおじさんかと…」
「ふっ…」
スチュアートさんがおじさんと聞いて顔を逸らして笑いをこらえる。
「笑い事じゃないですよースチュアートさん!」
ローズがムッと顔をしかめると
「申し訳ございません…でもそうですね。確かによく夜に抜け出す方でした」
スチュアートさんが懐かしそうに微笑むと
「知っているんですか?」
「それは勿論、昔まだレイン様が王子の頃に執事としてお仕えしておりましたから」
「思っていたよりずっと…ずっと凄い方なんですね…スチュアート…様…」
ローズが思わず様をつけて呼ぶと
「やめてください」
スチュアートさんが笑いながら首を振る。
「もう本当に昔の事ですし、一度引退した身です。今はだだのローズ様にお仕えする老いぼれの執事ですよ」
ローズはあまり釈然としない様子でバルトと顔を見合わせた。
レスターがタルトを食べ終えたスティーブに聞くと
「なんだか…体が軽くなったような気がします…」
そう言うと持っていたフォークを握りしめると…ぐにゃっとフォークが曲がった。
「ス、スティーブ!お前そんなに怪力だったか!?」
スピアが驚いていると
「いや…力が溢れ出るようだ!」
ぐっと拳を握りしめると…
「やはり果実に秘密がありそうだな…」
「そ、そんな凄いものだったのですか?私も一口食べたかった…」
スピアが残念そうに空になった皿を見つめた。
お茶会の次の日、結果を決める前にローズは国王陛下に呼び出されていた…
「スチュアートさ~んクレアさ~ん!どうしよう…なんて説明すればいいんですかねぇ…」
ローズは部屋で落ち着かずにウロウロとしていると
「ありのままお話するのがいいと思いますよ」
クレアさんが落ち着いて笑って答える。
「そうですね。下手に嘘をつく方がよくありませんから」
スチュアートさんが落ち着くようにとお茶を入れると
「それはもちろん!それよりも色々と…不味いことがありまして…」
ローズは言いにくそうに口を開いた…
話を聞いたクレアさんとスチュアートさんは驚いて顔を見合わせ固まっている。
「あの…」
二人に声をかけると
「まさか…もう既にフリード様とレイン様とお会いしていたとは…」
「そうなんです!私全然気が付かなくて…フリード様にはお店でお金を頂いた方だと思います。どうしよう…返すお金…ジェシカさんにあげちゃった…」
ローズの顔が真っ青になる。
「し、しかも国王陛下とは一緒にお茶を飲んじゃいました!ご飯も出して…さらに野菜を食べろとか注意までした気がします…」
「国王陛下のお顔をご存知なかったのですか?」
「遠いところから拝見した事はありますが…まさか盗み食いに来るとは…ただの警備のおじさんかと…」
「ふっ…」
スチュアートさんがおじさんと聞いて顔を逸らして笑いをこらえる。
「笑い事じゃないですよースチュアートさん!」
ローズがムッと顔をしかめると
「申し訳ございません…でもそうですね。確かによく夜に抜け出す方でした」
スチュアートさんが懐かしそうに微笑むと
「知っているんですか?」
「それは勿論、昔まだレイン様が王子の頃に執事としてお仕えしておりましたから」
「思っていたよりずっと…ずっと凄い方なんですね…スチュアート…様…」
ローズが思わず様をつけて呼ぶと
「やめてください」
スチュアートさんが笑いながら首を振る。
「もう本当に昔の事ですし、一度引退した身です。今はだだのローズ様にお仕えする老いぼれの執事ですよ」
ローズはあまり釈然としない様子でバルトと顔を見合わせた。
316
お気に入りに追加
8,923
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。


愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。