75 / 318
連載
136.お茶会終了🔺
しおりを挟む
これは…口にした事の無い味だ…
レイン様はその余韻を楽しんでいたが食べ終わるとローズを見る。
「それで?この果実の事は何処で知ったんだ」
「これは…私の…猫が…見つけてくれました…庭園の中を何かいい食材は無いかと探していたら…」
チラッとロイとカイルを見つめると…
「私もその場にいました…」
カイルが声をあげる。
「カイルが?何故だ?」
「ローズ嬢が庭園を歩きたいと言うので護衛も兼ねてお供しました…その際にこの果実を見つけました」
「それは…カイル様に手伝ってもらったと言うことですか?」
大臣達が顔を曇らせる…
「まさかカイル様を使って実をとらせたと?」
話を聞いていた夫人が顔を曇らせるとカイルは慌てて否定する!
「いえ!ローズ嬢自ら…とりに行かれました…」
言いにくそうに顔を逸らした
「どういう事かな?果実はそんな低い所に生えていたのか?なら庭園を警備している者が気が付いてもよさそうだが」
レイン様が聞くと…
「いえ…実がなっていたのは木のてっぺんです…」
「それならなおのこと彼女には無理じゃないかい?あの木はこの国で一番大きい大木だ。登るだけでも何時間かかるか…」
さすがのフリード様も嘘はよくないと顔を曇らせると…
「彼女は…ローズ嬢は自らあの木に登り、そしててっぺんまで行ってこの果実を採っておりました…本当は私も一緒について登ろうと思っておりましたが木の上は枝も細く私では登りきれなかったのです」
「君はあの木を登りきったのかい?」
さすがに驚いてローズに確認すると
「はい、木登りは得意なんです」
ローズは恥ずかしがる事なくむしろ誇らしげに頷いた。
「令嬢が木登り…」
ご夫人はもちろん大臣達も呆れる中…
「ふふふ…」
小さな笑い声が静寂な空気を破った。
声の主を見ると耐えられないと王妃様がクスクスと笑っている。
「お前…」
レイン様が驚いて王妃様を見つめると
「別に令嬢が木を登ってはいけないわけじゃ無いわよ。それにそのおかげでこうして美味しいタルトが食べられているんですもの…しかもお義父さまも食べた事の無い貴重な物よ」
王妃様はにっこりと笑うとタルトをパクッと口にする。
「まぁ…そうだが…」
レイン様はため息をつくと
「ローズ嬢…後でこの果実について少しお話をお聞きしたいのだが…」
レインがローズに言うと
「は、はい!…でも知っている事などあまりありませんが…」
「それでも唯一見つけたのが君だ」
「わかりました…私の知っている事なら全てお話します」
ローズは頭を下げて了承すると
「うむ…ではとりあえず今はこのタルトを堪能しようかな」
レインはそう言うとタルトを平らげておかわりを頼む。
「まぁあなたずるいわ…すみません私にもお願い出来ますか?」
王妃様がそれに続くとロイやカイルもおかわりを要求する。
「多分もうここでしか食べる機会がないだろうからね」
フリード様もおかわりを頼むと…
「まだ私の分もあるかな…」
手作りだと文句を言っていた大臣達もおかわりがあるか聞いてくる。
「皆様の分を御用してありますから大丈夫です」
ローズは微笑んで答えると
「ならこれに合うお茶と一緒におかわりを貰えるかしら…」
ご夫人達の綺麗に無くなったタルトのお皿を見てローズは嬉しそうに頷いてお茶を入れに向かった。
レイン様はその余韻を楽しんでいたが食べ終わるとローズを見る。
「それで?この果実の事は何処で知ったんだ」
「これは…私の…猫が…見つけてくれました…庭園の中を何かいい食材は無いかと探していたら…」
チラッとロイとカイルを見つめると…
「私もその場にいました…」
カイルが声をあげる。
「カイルが?何故だ?」
「ローズ嬢が庭園を歩きたいと言うので護衛も兼ねてお供しました…その際にこの果実を見つけました」
「それは…カイル様に手伝ってもらったと言うことですか?」
大臣達が顔を曇らせる…
「まさかカイル様を使って実をとらせたと?」
話を聞いていた夫人が顔を曇らせるとカイルは慌てて否定する!
「いえ!ローズ嬢自ら…とりに行かれました…」
言いにくそうに顔を逸らした
「どういう事かな?果実はそんな低い所に生えていたのか?なら庭園を警備している者が気が付いてもよさそうだが」
レイン様が聞くと…
「いえ…実がなっていたのは木のてっぺんです…」
「それならなおのこと彼女には無理じゃないかい?あの木はこの国で一番大きい大木だ。登るだけでも何時間かかるか…」
さすがのフリード様も嘘はよくないと顔を曇らせると…
「彼女は…ローズ嬢は自らあの木に登り、そしててっぺんまで行ってこの果実を採っておりました…本当は私も一緒について登ろうと思っておりましたが木の上は枝も細く私では登りきれなかったのです」
「君はあの木を登りきったのかい?」
さすがに驚いてローズに確認すると
「はい、木登りは得意なんです」
ローズは恥ずかしがる事なくむしろ誇らしげに頷いた。
「令嬢が木登り…」
ご夫人はもちろん大臣達も呆れる中…
「ふふふ…」
小さな笑い声が静寂な空気を破った。
声の主を見ると耐えられないと王妃様がクスクスと笑っている。
「お前…」
レイン様が驚いて王妃様を見つめると
「別に令嬢が木を登ってはいけないわけじゃ無いわよ。それにそのおかげでこうして美味しいタルトが食べられているんですもの…しかもお義父さまも食べた事の無い貴重な物よ」
王妃様はにっこりと笑うとタルトをパクッと口にする。
「まぁ…そうだが…」
レイン様はため息をつくと
「ローズ嬢…後でこの果実について少しお話をお聞きしたいのだが…」
レインがローズに言うと
「は、はい!…でも知っている事などあまりありませんが…」
「それでも唯一見つけたのが君だ」
「わかりました…私の知っている事なら全てお話します」
ローズは頭を下げて了承すると
「うむ…ではとりあえず今はこのタルトを堪能しようかな」
レインはそう言うとタルトを平らげておかわりを頼む。
「まぁあなたずるいわ…すみません私にもお願い出来ますか?」
王妃様がそれに続くとロイやカイルもおかわりを要求する。
「多分もうここでしか食べる機会がないだろうからね」
フリード様もおかわりを頼むと…
「まだ私の分もあるかな…」
手作りだと文句を言っていた大臣達もおかわりがあるか聞いてくる。
「皆様の分を御用してありますから大丈夫です」
ローズは微笑んで答えると
「ならこれに合うお茶と一緒におかわりを貰えるかしら…」
ご夫人達の綺麗に無くなったタルトのお皿を見てローズは嬉しそうに頷いてお茶を入れに向かった。
327
お気に入りに追加
8,938
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。