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134.ケーキ
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ローズがお茶を振る舞っている間にジェシカとロイドがお菓子を用意する。
焼き菓子にカップケーキなどこの日の為に作ったお菓子をテーブルに並べていく。
「こちらは甘さ控えめになっております。こちらは逆に甘みの強いものですよ」
ローズがお菓子の説明を一つ一つ丁寧にしていくと
「私にはこのクッキーとケーキを取ってくださる」
「では私はそれをもらおうかな」
ジェシカとロイドが対応に追われていると…ハラハラとしながらローズが二人を見つめる…
二人の手伝いをしたかったがさすがに配膳まではと席に着いているように言われていた。
「ん!このケーキ美味しいわ…何処のお店のシェフが作ったのかしら…」
カップケーキを口にしたご夫人がケーキをマジマジと見つめると…
「見た目はそれほど綺麗ではないけど味はよろしいですね」
「ありがとうございます」
ローズは嬉しそうに頬を染める。
「後でシェフを紹介してもらえるかしら?今度私のお茶会でも使ってみようかしら」
カップケーキを気に入ったのかもう一つ取るように頼んでいる。
「す、すみません…それは…手作りでして」
どう答えていいのかローズが気まずそうに答えると
「ええ、だからその作ったシェフを教えていただける?」
「私…です…」
ローズが声を落として返事をする。
「あなたが…作ったの?」
ご夫人が驚きのあまりフォークを落としてしまう。
ジェシカがサッと拾って何事もなかったかのように新しいフォークを用意すると
「も、申し訳ございません…私…お菓子を用意する…ものがなくて…」
ローズがごにょごにょと誤魔化すように答えると
「あなた…お茶会に自分の手作りのお菓子を出したの?」
他の人達もご夫人の声にローズ達の会話に注目すると
「婚約者候補決めのお茶会で自分の手作りとはどうなんだ?」
「さすがに…あまり宜しくないと思いましてよ…」
先程まで美味しそうに食べていた皆の手が止まると
「手作りでここまでの物を用意出来るなら十分じゃないかい?」
そんな中フリード様が美味しそうに素朴なスコーンを口にしていた。
「私は甘いのが苦手だからこういうのを用意しておいてくれるのは凄く嬉しいよ…それにこれは小さい頃に食べた味に似ていてとても懐かしいね」
もう一つとスコーンに手を伸ばす。
「お爺様の言う通りですね…それにこのケーキどこかで食べた事がある気が致します」
王妃様もローズが作ったと聞いたケーキを綺麗な口に合うように小さく切って召し上がっている。
「はい…それはメイドのクレアさんのレシピを元に作ってみました」
「クレアさん!あのメイド長だった?」
何人かのご夫人がクレアさんのケーキと聞いてカップケーキを確保する。
「なるほど…通りで知った味だと思いました…クレアは元気かしら?」
王妃様はローズに聞くと
「はい!とても良くして頂いてます。たまに怒られていますが…」
恥ずかしそうに答えると
「そう…」
何故だか嬉しそうに王妃様が笑っていた。
焼き菓子にカップケーキなどこの日の為に作ったお菓子をテーブルに並べていく。
「こちらは甘さ控えめになっております。こちらは逆に甘みの強いものですよ」
ローズがお菓子の説明を一つ一つ丁寧にしていくと
「私にはこのクッキーとケーキを取ってくださる」
「では私はそれをもらおうかな」
ジェシカとロイドが対応に追われていると…ハラハラとしながらローズが二人を見つめる…
二人の手伝いをしたかったがさすがに配膳まではと席に着いているように言われていた。
「ん!このケーキ美味しいわ…何処のお店のシェフが作ったのかしら…」
カップケーキを口にしたご夫人がケーキをマジマジと見つめると…
「見た目はそれほど綺麗ではないけど味はよろしいですね」
「ありがとうございます」
ローズは嬉しそうに頬を染める。
「後でシェフを紹介してもらえるかしら?今度私のお茶会でも使ってみようかしら」
カップケーキを気に入ったのかもう一つ取るように頼んでいる。
「す、すみません…それは…手作りでして」
どう答えていいのかローズが気まずそうに答えると
「ええ、だからその作ったシェフを教えていただける?」
「私…です…」
ローズが声を落として返事をする。
「あなたが…作ったの?」
ご夫人が驚きのあまりフォークを落としてしまう。
ジェシカがサッと拾って何事もなかったかのように新しいフォークを用意すると
「も、申し訳ございません…私…お菓子を用意する…ものがなくて…」
ローズがごにょごにょと誤魔化すように答えると
「あなた…お茶会に自分の手作りのお菓子を出したの?」
他の人達もご夫人の声にローズ達の会話に注目すると
「婚約者候補決めのお茶会で自分の手作りとはどうなんだ?」
「さすがに…あまり宜しくないと思いましてよ…」
先程まで美味しそうに食べていた皆の手が止まると
「手作りでここまでの物を用意出来るなら十分じゃないかい?」
そんな中フリード様が美味しそうに素朴なスコーンを口にしていた。
「私は甘いのが苦手だからこういうのを用意しておいてくれるのは凄く嬉しいよ…それにこれは小さい頃に食べた味に似ていてとても懐かしいね」
もう一つとスコーンに手を伸ばす。
「お爺様の言う通りですね…それにこのケーキどこかで食べた事がある気が致します」
王妃様もローズが作ったと聞いたケーキを綺麗な口に合うように小さく切って召し上がっている。
「はい…それはメイドのクレアさんのレシピを元に作ってみました」
「クレアさん!あのメイド長だった?」
何人かのご夫人がクレアさんのケーキと聞いてカップケーキを確保する。
「なるほど…通りで知った味だと思いました…クレアは元気かしら?」
王妃様はローズに聞くと
「はい!とても良くして頂いてます。たまに怒られていますが…」
恥ずかしそうに答えると
「そう…」
何故だか嬉しそうに王妃様が笑っていた。
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