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127.お茶会※
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◆
私はあれからカイル様のお見舞いに行こうとしたが、スチュアートさんにしばらくは会わない方がいいと止められていた。
そうこうしてるうちに私はカイル様に会えないままのお茶会の日を迎えてしまった。
クレアさんはいつも通りに朝の支度を済ませると私に笑顔で話しかける。
普段通りの変わらないクレアさんの態度に緊張もほぐれる。
「本日は先にアンダーソン伯爵のご令嬢のジュリア様のお茶会ですね。その後はいよいよローズ様の番です。アンダーソン家も格式あるお家柄です、きっと素晴らしいお茶会でしょう」
クレアさんにそこまで言わせるとはと素直に感心してしまう。
「それは凄いお茶会なんですね」
私の言葉にクレアさんは眉を下げて困った顔をした。
「そうですね、ですが私はあの方達はあまり好きではありませんね。格式ばかり気にして周りの人達を雑に扱います。ローズ様の方がきっと心あるおもてなしをしてくれると信じておりますよ」
私はクレアさんの言葉に驚いて口をあんぐりと開けてしまった。
その顔に注意するどころか笑ってしまっている。
「ローズ様、そのお顔はお茶会でしないで下さいませ」
「は、はい。私、皆さんが楽しんで貰えるお茶会にしたいと思っています」
顔を戻してキリッとしてやる気を見せるとクレアさんが頷き微笑んだ。
トントン……
お茶会の復習をしているとノックの音にクレアさんが扉を開けに向かう。
「失礼致します」
中に入ってきたのは黒い服をビシッと纏い、礼儀正しく頭を下げる立派な執事とメイドが立っていた。
クレアさんの知り合いかな?
私は立ち上がって挨拶をしようと近づき顔を見て驚いた。
「ジェシカさんとロドムさん!?」
二人の見違える姿に思わず空いた口が塞がらない。不躾ながらジロジロと二人の姿を凝視してしまった。
「ローズ様この度はお力になれること大変光栄に思います」
「まだまだ未熟な我々ですが、今日は精一杯努めさせていただきます」
二人がきっちりと同じ角度で頭を下げるとニコッと笑って顔をあげた。
そこには白馬亭でおじさん達相手に元気に対応するジェシカさんの姿はない。
「凄い! お二人共クレアさんとスチュアートさんみたいです!」
私は興奮して二人に駆け寄って最上級に褒めた。
「いえ、私達などお二人には遠く及びません。しかしローズ様のお助けになれるように頑張ります」
「そんな事有りません! お二人が来てくれただけでもとっても嬉しいです。私も令嬢として未熟です、ですのでお二人がそばに居てくれて助けてくれると思うだけで心強いです!」
私は感謝の気持ちを込めて二人の手を握りしめた。
「ローズちゃん……」
ジェシカさんが思わず前の口調が戻ると目を潤ませて握り返してくれた。
しかし口調に気がついてハッと口元を押さえた。
「ふふ、私達だけの時はそっちの方がいいですね」
私が笑いかけると緊張していた様子の二人も思わず肩の力を抜いて微笑んだ。
「それにしてもお二人共本当の執事とメイドみたいですね!」
感心しながら改めて二人の姿をじっくりと眺めた。
「それはもう、みっちりとしごかれましたから……」
ロドムさんがスっと表情を暗くして斜め下を見つめた。
「私も……本当に為になる時間を過ごさせていただきました……」
ジェシカさんがなんだか遠くを見ながら視点が合っていないように感じる。
「お二人共とてもスジが良くて教え甲斐がある方達でございました」
クレアさんが微笑むと二人に近づいてきた。
「「ク、クレアさん……」」
クレアさんに褒められて感激のあまりジェシカさんは目を潤ませ、ロドムさんは口を覆った。
その様子に一体どんな修行を受けていたのかと心配になる。
「スチュアートさんもお二人のこと褒めていましたよ」
「ほ、本当ですか! い、いやスチュアートさんに限ってそんなことないはずです」
ロドムさんが一瞬嬉しそうな顔をした後に思い直して冷静になっていた。
「そんな事ございません。本当にお二人には短い時間でここまで我々に指導にお付き合いいただいたこと、感謝しております。私も人に教える楽しさを改めて教えていただきました」
クレアさんの言葉に二人ははにかみながら顔を見合わせた。
私はあれからカイル様のお見舞いに行こうとしたが、スチュアートさんにしばらくは会わない方がいいと止められていた。
そうこうしてるうちに私はカイル様に会えないままのお茶会の日を迎えてしまった。
クレアさんはいつも通りに朝の支度を済ませると私に笑顔で話しかける。
普段通りの変わらないクレアさんの態度に緊張もほぐれる。
「本日は先にアンダーソン伯爵のご令嬢のジュリア様のお茶会ですね。その後はいよいよローズ様の番です。アンダーソン家も格式あるお家柄です、きっと素晴らしいお茶会でしょう」
クレアさんにそこまで言わせるとはと素直に感心してしまう。
「それは凄いお茶会なんですね」
私の言葉にクレアさんは眉を下げて困った顔をした。
「そうですね、ですが私はあの方達はあまり好きではありませんね。格式ばかり気にして周りの人達を雑に扱います。ローズ様の方がきっと心あるおもてなしをしてくれると信じておりますよ」
私はクレアさんの言葉に驚いて口をあんぐりと開けてしまった。
その顔に注意するどころか笑ってしまっている。
「ローズ様、そのお顔はお茶会でしないで下さいませ」
「は、はい。私、皆さんが楽しんで貰えるお茶会にしたいと思っています」
顔を戻してキリッとしてやる気を見せるとクレアさんが頷き微笑んだ。
トントン……
お茶会の復習をしているとノックの音にクレアさんが扉を開けに向かう。
「失礼致します」
中に入ってきたのは黒い服をビシッと纏い、礼儀正しく頭を下げる立派な執事とメイドが立っていた。
クレアさんの知り合いかな?
私は立ち上がって挨拶をしようと近づき顔を見て驚いた。
「ジェシカさんとロドムさん!?」
二人の見違える姿に思わず空いた口が塞がらない。不躾ながらジロジロと二人の姿を凝視してしまった。
「ローズ様この度はお力になれること大変光栄に思います」
「まだまだ未熟な我々ですが、今日は精一杯努めさせていただきます」
二人がきっちりと同じ角度で頭を下げるとニコッと笑って顔をあげた。
そこには白馬亭でおじさん達相手に元気に対応するジェシカさんの姿はない。
「凄い! お二人共クレアさんとスチュアートさんみたいです!」
私は興奮して二人に駆け寄って最上級に褒めた。
「いえ、私達などお二人には遠く及びません。しかしローズ様のお助けになれるように頑張ります」
「そんな事有りません! お二人が来てくれただけでもとっても嬉しいです。私も令嬢として未熟です、ですのでお二人がそばに居てくれて助けてくれると思うだけで心強いです!」
私は感謝の気持ちを込めて二人の手を握りしめた。
「ローズちゃん……」
ジェシカさんが思わず前の口調が戻ると目を潤ませて握り返してくれた。
しかし口調に気がついてハッと口元を押さえた。
「ふふ、私達だけの時はそっちの方がいいですね」
私が笑いかけると緊張していた様子の二人も思わず肩の力を抜いて微笑んだ。
「それにしてもお二人共本当の執事とメイドみたいですね!」
感心しながら改めて二人の姿をじっくりと眺めた。
「それはもう、みっちりとしごかれましたから……」
ロドムさんがスっと表情を暗くして斜め下を見つめた。
「私も……本当に為になる時間を過ごさせていただきました……」
ジェシカさんがなんだか遠くを見ながら視点が合っていないように感じる。
「お二人共とてもスジが良くて教え甲斐がある方達でございました」
クレアさんが微笑むと二人に近づいてきた。
「「ク、クレアさん……」」
クレアさんに褒められて感激のあまりジェシカさんは目を潤ませ、ロドムさんは口を覆った。
その様子に一体どんな修行を受けていたのかと心配になる。
「スチュアートさんもお二人のこと褒めていましたよ」
「ほ、本当ですか! い、いやスチュアートさんに限ってそんなことないはずです」
ロドムさんが一瞬嬉しそうな顔をした後に思い直して冷静になっていた。
「そんな事ございません。本当にお二人には短い時間でここまで我々に指導にお付き合いいただいたこと、感謝しております。私も人に教える楽しさを改めて教えていただきました」
クレアさんの言葉に二人ははにかみながら顔を見合わせた。
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