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81.追っ手※
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「ほら、ここです!」
私はローズベリーが、たわわに実る場所にスチュアートさんとバルトを連れてきた。
「本当にあったな……」
「ローズ様、本当に鼻がよろしいみたいですね」
「へへへ……」
褒められて嬉しくて頭をかいた。
鼻が良くてよかったと改めて思った。
「たくさん採ってローズベリータルト作りましょうね!」
私は夢中で籠いっぱいにローズベリー集めているとバルトの耳がピクンと反応する。
バルトがチラッと周りの様子をうかがっている。
バルトはチラッとスチュアートを見ると同じように目が合った。
バルトはローズから少し離れてスチュアートのそばによるとコソッと声をかける。
「おい、気がついたか?」
「はい……見られているようですね」
スチュアートもわかっているようで頷いた。
ここに着いたらねっとりとした視線を感じた。
「俺か? ローズか?」
「ローズ様は今は男装をしていますので……バルトさんかと思われます」
「そうか、じゃあ俺はここまでだな世話になったな、ローズによろしく言っといてくれ」
バルトがローズ達から離れ、反対の方向に歩き出す。
「どこに行く気ですか?」
スチュアートがバルトの後ろ姿に声をかける。
「きっとこの前のハンター達だろう、狙われているのは俺だけだ、恩人のお前やローズに迷惑はかけん」
俺の言葉にスチュアートが笑った。
「今更なにを……そんな厄介事込みで私もローズ様もバルトさんといる事を選んだのですよ。それなのにバルトさんが逃げるのですか?」
「逃げる……だと、違うお前らには関係の無いことだからだ!」
バルトはスチュアートを睨むと気配がする方へと走り出した!
「あっ……全く、飼い主に似ると言いますがまだ会って数日なのに……これは類は友を呼ぶってところでしょうかね」
スチュアートは苦笑しながらそっくりな飼い主を見つめて微笑んだ。
「ローズ様、お忙しいところちょっとよろしいですか?」
私は一生懸命ローズベリーを摘んでいるローズ様に声をかけた。
「ん、なんですか?」
ローズ様は手は常に実を掴みながらこちらを向く。
「実はバルトさんとはぐれてしまいまして、私が探して来ますのでローズ様はクレアさんの元に戻って頂きたいのです」
「えっ! バルトが!」
ローズ様はガバッと立ち上がるとその手を止めた。
「それは大変です、こんな広いところで迷子なんてきっと不安ですよね、私も探します!」
「いえ、ローズ様は何かあっては大変ですからお戻り下さい。もうローズベリーも十分ですよね?」
「それは大丈夫ですが……」
ローズ様は何か言いたそうにモジモジとする。
「では行きましょう」
私はローズベリーがたくさん入った籠を掴むと屋敷の方へとローズ様をお連れした。
建物が見えてくると籠を渡す。
「では、ローズ様はここからちゃんと戻って下さいね」
「でも……」
ローズ様はバルトさんが気になるのか後ろを何度も振り返っている。
「バルトさんがもし屋敷にひとりでお戻りになったら誰かいないと寂しがりますよ、ですからローズ様はお部屋で待機しててください」
ローズを見つめると「はい」と納得したように頷いた。
「大丈夫ですよ、もし迷子なら必ず見つけて連れ帰って来ますからね」
心配そうに見つめるローズ様の頭を優しく撫でた。
「お願い……します」
ローズ様は籠を受け取るとギュッと抱きしめて頭を下げた。
魔物のバルトさんのためにここまでしてくれる人がいるだろうか?
でも、だからこそバルトさんもローズ様に迷惑をかけないようにひとりで行ってしまったのだろう。
素敵な主人とその友の為に……私は森の中に入るとバルトさんを見つけるために走り出した。
私はローズベリーが、たわわに実る場所にスチュアートさんとバルトを連れてきた。
「本当にあったな……」
「ローズ様、本当に鼻がよろしいみたいですね」
「へへへ……」
褒められて嬉しくて頭をかいた。
鼻が良くてよかったと改めて思った。
「たくさん採ってローズベリータルト作りましょうね!」
私は夢中で籠いっぱいにローズベリー集めているとバルトの耳がピクンと反応する。
バルトがチラッと周りの様子をうかがっている。
バルトはチラッとスチュアートを見ると同じように目が合った。
バルトはローズから少し離れてスチュアートのそばによるとコソッと声をかける。
「おい、気がついたか?」
「はい……見られているようですね」
スチュアートもわかっているようで頷いた。
ここに着いたらねっとりとした視線を感じた。
「俺か? ローズか?」
「ローズ様は今は男装をしていますので……バルトさんかと思われます」
「そうか、じゃあ俺はここまでだな世話になったな、ローズによろしく言っといてくれ」
バルトがローズ達から離れ、反対の方向に歩き出す。
「どこに行く気ですか?」
スチュアートがバルトの後ろ姿に声をかける。
「きっとこの前のハンター達だろう、狙われているのは俺だけだ、恩人のお前やローズに迷惑はかけん」
俺の言葉にスチュアートが笑った。
「今更なにを……そんな厄介事込みで私もローズ様もバルトさんといる事を選んだのですよ。それなのにバルトさんが逃げるのですか?」
「逃げる……だと、違うお前らには関係の無いことだからだ!」
バルトはスチュアートを睨むと気配がする方へと走り出した!
「あっ……全く、飼い主に似ると言いますがまだ会って数日なのに……これは類は友を呼ぶってところでしょうかね」
スチュアートは苦笑しながらそっくりな飼い主を見つめて微笑んだ。
「ローズ様、お忙しいところちょっとよろしいですか?」
私は一生懸命ローズベリーを摘んでいるローズ様に声をかけた。
「ん、なんですか?」
ローズ様は手は常に実を掴みながらこちらを向く。
「実はバルトさんとはぐれてしまいまして、私が探して来ますのでローズ様はクレアさんの元に戻って頂きたいのです」
「えっ! バルトが!」
ローズ様はガバッと立ち上がるとその手を止めた。
「それは大変です、こんな広いところで迷子なんてきっと不安ですよね、私も探します!」
「いえ、ローズ様は何かあっては大変ですからお戻り下さい。もうローズベリーも十分ですよね?」
「それは大丈夫ですが……」
ローズ様は何か言いたそうにモジモジとする。
「では行きましょう」
私はローズベリーがたくさん入った籠を掴むと屋敷の方へとローズ様をお連れした。
建物が見えてくると籠を渡す。
「では、ローズ様はここからちゃんと戻って下さいね」
「でも……」
ローズ様はバルトさんが気になるのか後ろを何度も振り返っている。
「バルトさんがもし屋敷にひとりでお戻りになったら誰かいないと寂しがりますよ、ですからローズ様はお部屋で待機しててください」
ローズを見つめると「はい」と納得したように頷いた。
「大丈夫ですよ、もし迷子なら必ず見つけて連れ帰って来ますからね」
心配そうに見つめるローズ様の頭を優しく撫でた。
「お願い……します」
ローズ様は籠を受け取るとギュッと抱きしめて頭を下げた。
魔物のバルトさんのためにここまでしてくれる人がいるだろうか?
でも、だからこそバルトさんもローズ様に迷惑をかけないようにひとりで行ってしまったのだろう。
素敵な主人とその友の為に……私は森の中に入るとバルトさんを見つけるために走り出した。
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