58 / 80
☆
空間移動
しおりを挟む
「セバスさん!セバスさん!テレポートってわかります?」
ミヅキが唐突にセバスに聞く…
「てれ…いえ、一体どういうものですか?」
「物体や自分自身を一瞬で移動させる事です!どうにか魔法で出来ないかなぁ~って…」
「ミヅキさん…あなたのその小さな頭には一体何が詰まっているのですか?」
セバスはミヅキの頭を敬うように撫でる。
「確かにその魔法を使おうとした者はいましたが誰も成功した者はいなかったかと…」
「そうなんだ…」
ミヅキがシュンとすると
「それを使って何をしようと?」
「えっ?そしたら移動が楽だし!王都にも町にも直ぐに行けそうだから!」
ミヅキがあっさりと答える…
「まぁミヅキさんの事ですか、そんなものですよね…」
セバスさんが苦笑する。
「収納魔法の応用編で空間を作ってそこに入って違う場所に空間を作って出す…ってのをやれば出来るんじゃないのかなぁ…って思ってるんだけど…」
「ミヅキさん…簡単に言いますがそれ物凄く高度な事ですからね」
「そ、そう?」
ミヅキは石を拾うと…
「これをしまって…あっちで出す…」
ミヅキは石を空間に閉じ込め5mほど先で空間から出すイメージをすると…
コロッ…
石が何も無い所から落ちてきた…
「みて!出来た!」
「デキマシタネ…」
セバスが真顔で答える…
「これ人でも出来るかな?」
「えっ…いきなり人でやるんですか?」
セバスが心配すると
「ちょっとだけやってみるから…」
「駄目です!ミヅキさん自分で試そうとしてますよね?」
「うっ…だって自分でやるのが一番だから」
「もしなにかあったらどうするんですか!?」
「だからって他の人で試せないし…」
「ベイカーさんは?」
セバスさんが言うと…
「えっ…だ、駄目だよ!ベイカーさんに何かあったら…」
「ベイカーさんならどうにかなると思いますがねぇ…なんならアランでもいいですよ。いなくなっても誰も困りませんし…」
「セ、セシルさんが困るんじゃ…」
「いえ、かえって喜ぶんじゃないですか?」
「ま、まさか…いや!やっぱり駄目です!やるならまずは自分で!」
「それならば私を移動させて下さい、ミヅキさんがやるくらいなら私が…」
セバスさんが笑って答える。
「えっ…」
「もし失敗したとしても決してミヅキさんを恨んだりは致しませんから安心してください」
「そ、そんな事出来ないよ…」
「じゃ、じゃあ最初は虫とかそういうので練習してみます!それならいい?」
ミヅキがセバスを上目遣いで見上げると…
「ま、まぁミヅキさん自身でやらないのであれば…」
セバスさんが渋々頷くと
「はーい!」
ミヅキは笑顔で返事をしてそこら辺にいる虫を捕まえると…
「入れて…出す!」
空間にしまって1mほど先で出そうとするが…
「あれ?出てこない…」
ミヅキは空間を探すがどこにも虫の姿は無い…
「どうしました?」
「な、なんか…どっか行っちゃた」
へへ…
笑って誤魔化すが
「ミヅキさん…この魔法は使用禁止です…決して自分でやってはいけませんよ!」
「ひっ!は、はい!」
セバスさんがにっこりと笑いながらミヅキを見つめる。
(おかしいなぁ…取り出すイメージが足りなかったのかなぁ…)
ミヅキはもう一度こっそり虫を捕まえて空間にしまうと…
(しまって…あそこだ!)
出す場所をじっと見つめると…
ボトッ…
虫が落ちてきた!
「やった!出来た!」
思わず叫ぶと
「何が出来たのですか?」
セバスさんが後ろに立っている…
「あっ…えっと…」
ミヅキがチラッとセバスさんを振り返って見ると…
そこにはもはや笑っていないセバスさんが腕を組んで仁王立ちで立っていた…。
(きゃー!)
ミヅキはあまりの恐怖に思わず自分を空間に入れてしまった…。
ミヅキが唐突にセバスに聞く…
「てれ…いえ、一体どういうものですか?」
「物体や自分自身を一瞬で移動させる事です!どうにか魔法で出来ないかなぁ~って…」
「ミヅキさん…あなたのその小さな頭には一体何が詰まっているのですか?」
セバスはミヅキの頭を敬うように撫でる。
「確かにその魔法を使おうとした者はいましたが誰も成功した者はいなかったかと…」
「そうなんだ…」
ミヅキがシュンとすると
「それを使って何をしようと?」
「えっ?そしたら移動が楽だし!王都にも町にも直ぐに行けそうだから!」
ミヅキがあっさりと答える…
「まぁミヅキさんの事ですか、そんなものですよね…」
セバスさんが苦笑する。
「収納魔法の応用編で空間を作ってそこに入って違う場所に空間を作って出す…ってのをやれば出来るんじゃないのかなぁ…って思ってるんだけど…」
「ミヅキさん…簡単に言いますがそれ物凄く高度な事ですからね」
「そ、そう?」
ミヅキは石を拾うと…
「これをしまって…あっちで出す…」
ミヅキは石を空間に閉じ込め5mほど先で空間から出すイメージをすると…
コロッ…
石が何も無い所から落ちてきた…
「みて!出来た!」
「デキマシタネ…」
セバスが真顔で答える…
「これ人でも出来るかな?」
「えっ…いきなり人でやるんですか?」
セバスが心配すると
「ちょっとだけやってみるから…」
「駄目です!ミヅキさん自分で試そうとしてますよね?」
「うっ…だって自分でやるのが一番だから」
「もしなにかあったらどうするんですか!?」
「だからって他の人で試せないし…」
「ベイカーさんは?」
セバスさんが言うと…
「えっ…だ、駄目だよ!ベイカーさんに何かあったら…」
「ベイカーさんならどうにかなると思いますがねぇ…なんならアランでもいいですよ。いなくなっても誰も困りませんし…」
「セ、セシルさんが困るんじゃ…」
「いえ、かえって喜ぶんじゃないですか?」
「ま、まさか…いや!やっぱり駄目です!やるならまずは自分で!」
「それならば私を移動させて下さい、ミヅキさんがやるくらいなら私が…」
セバスさんが笑って答える。
「えっ…」
「もし失敗したとしても決してミヅキさんを恨んだりは致しませんから安心してください」
「そ、そんな事出来ないよ…」
「じゃ、じゃあ最初は虫とかそういうので練習してみます!それならいい?」
ミヅキがセバスを上目遣いで見上げると…
「ま、まぁミヅキさん自身でやらないのであれば…」
セバスさんが渋々頷くと
「はーい!」
ミヅキは笑顔で返事をしてそこら辺にいる虫を捕まえると…
「入れて…出す!」
空間にしまって1mほど先で出そうとするが…
「あれ?出てこない…」
ミヅキは空間を探すがどこにも虫の姿は無い…
「どうしました?」
「な、なんか…どっか行っちゃた」
へへ…
笑って誤魔化すが
「ミヅキさん…この魔法は使用禁止です…決して自分でやってはいけませんよ!」
「ひっ!は、はい!」
セバスさんがにっこりと笑いながらミヅキを見つめる。
(おかしいなぁ…取り出すイメージが足りなかったのかなぁ…)
ミヅキはもう一度こっそり虫を捕まえて空間にしまうと…
(しまって…あそこだ!)
出す場所をじっと見つめると…
ボトッ…
虫が落ちてきた!
「やった!出来た!」
思わず叫ぶと
「何が出来たのですか?」
セバスさんが後ろに立っている…
「あっ…えっと…」
ミヅキがチラッとセバスさんを振り返って見ると…
そこにはもはや笑っていないセバスさんが腕を組んで仁王立ちで立っていた…。
(きゃー!)
ミヅキはあまりの恐怖に思わず自分を空間に入れてしまった…。
14
お気に入りに追加
2,013
あなたにおすすめの小説
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
鬼畜なエロゲ世界にモブ転生!?このままだと鬱ENDらしいので、ヒロイン全員寝取ってハピエン目指します!
ぽんぽこ@書籍発売中!!
ファンタジー
「助けて、このままじゃヒロインに殺される……!!」
気が付いたら俺はエロゲーム世界のモブキャラになっていた。
しかしこのエロゲー、ただヒロインを攻略してエッチなことを楽しむヌルいゲームではない。
主人公の死=世界の崩壊を迎える『ハイスクール・クライシス』というクソゲーだったのだ。
ついでに俺がなっちまったのは、どのルートを選んでも暗殺者であるヒロインたちに殺されるモブキャラクター。このままではゲームオーバーを迎えるのは確定事項。
「俺は諦めねぇぞ……トワりんとのハッピーエンドを見付けるまでは……!!」
モブヒロインの家庭科教師に恋した俺は、彼女との幸せな結末を迎えるルートを探すため、エロゲー特有のアイテムを片手に理不尽な『ハイクラ』世界の攻略をすることにした。
だが、最初のイベントで本来のエロゲー主人公がとんでもないことに……!?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
フェンリル転生 神の子に転生しましたが残念な事に魔法が使えません、魔道具と物理で頑張ります
緋色優希
ファンタジー
ふとしたことから、うっかり死んでしまった荒神武。だが目覚めると、異世界の神のところにいた。実は間違って死んでしまったので、困った地球の死神から魂を預かったのだという。通常では甦らすことはできないため、神の息子の一人として体を与えられた。それは黒々とした輝くような毛皮に覆われた神獣フェンリルの無敵の肉体だった!
そして神の息子となったはいいのだが、特にやる事もないため、通りすがりに知り合ったお姫様のお伴をする事に決めたのだった。魔法は使えないが、黒小人どもをこき使い魔道具など作らせたり、神の息子の強靭な肉体を素にした『物理パワー』を強力なスキルとして強引に押し通したりと、気ままな無敵フェンリルライフを堪能するのだった。だがフェンリルとしての宿命は、いつか彼を神々との戦いへと誘うのかもしれない。
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する
大福金
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ【ユニークキャラクター賞】受賞作
《あらすじ》
この世界では12歳になると、自分に合ったジョブが決まる。これは神からのギフトとされこの時に人生が決まる。
皆、華やかなジョブを希望するが何に成るかは神次第なのだ。
そんな中俺はジョブを決める12歳の洗礼式で【魔物使い】テイマーになった。
花形のジョブではないが動物は好きだし俺は魔物使いと言うジョブを気にいっていた。
ジョブが決まれば12歳から修行にでる。15歳になるとこのジョブでお金を稼ぐ事もできるし。冒険者登録をして世界を旅しながらお金を稼ぐ事もできる。
この時俺はまだ見ぬ未来に期待していた。
だが俺は……一年たっても二年たっても一匹もテイム出来なかった。
犬や猫、底辺魔物のスライムやゴブリンでさえテイム出来ない。
俺のジョブは本当に魔物使いなのか疑うほどに。
こんな俺でも同郷のデュークが冒険者パーティー【深緑の牙】に仲間に入れてくれた。
俺はメンバーの為に必死に頑張った。
なのに……あんな形で俺を追放なんて‼︎
そんな無能な俺が後に……
SSSランクのフェンリルをテイム(使役)し無双する
主人公ティーゴの活躍とは裏腹に
深緑の牙はどんどん転落して行く……
基本ほのぼのです。可愛いもふもふフェンリルを愛でます。
たまに人の為にもふもふ無双します。
ざまぁ後は可愛いもふもふ達とのんびり旅をして行きます。
もふもふ仲間はどんどん増えて行きます。可愛いもふもふ仲間達をティーゴはドンドン無自覚にタラシこんでいきます。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる