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日常

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初期の頃に書いたお話です。

話を整理してたら出てきたので載せます。











「ミヅキさん!」

セバスさんがミヅキの所に駆け込んで来た。

「セバスさん?どうしたの?」

あまり見ないセバスさんの焦った様子に驚くと

「ベイカーさんと依頼を受けに言ったというのは本当ですか?」

「えっ?」

「ベイカーさんが先程何度か冒険者としてミヅキさんと依頼を受けたと自慢していました!」

「あー…はい…何度か付き合ってもらいました…だって受けないといけないって言われたから…」

「なら次は私と行きましょうね!」

「えっー!セバスさんと!?」

ミヅキが驚いた顔を見せると…眉毛を下げてあからさまにガッカリとした顔をされる。

「ベイカーさんとは行けて…私とは行けないと…」

心無しが声まで沈んでいる。

「だ、だって!セバスさんは冒険者じゃないですよね?副ギルドマスターと依頼を受けてもいいんですか?」

「あっそれなら大丈夫です、話はつけますから」

セバスさんがニッコリと笑う。

「なら…一緒に行ってください。セバスさんとは行けないと思ってたから嬉しい…」

ミヅキが頬を染め嬉しそうにお願いすると…セバスさんが満足そうに微笑んだ…。


ミヅキとセバスさんがギルドに依頼を見に行くと…

「やっと行ったか…」

ベイカーがコソッと顔を覗かせる。

「ベイカーさんが余計な事を言うからですよ!」

デボットがベイカーさんを睨んで責める。

「いや…ただ…ミヅキとギルドの依頼を受けたって言っただけだぞ…」

「それ!逆ならどう思いますか?」

「……依頼に行くな…」

「あんた達のミヅキへの想いは重い!そんなんじゃ嫌われますよ!」

「し、しかしなぁ…やっぱり他の奴が一緒に行ってるのに…俺達が行けないとなると…ちょっとなぁ…」

「知りませんよ…あんまり構いすぎて嫌われても…」

デボットの不吉な発言にハハ…とから笑いをする…


その頃ミヅキはセバスさんとヤク草採取とオーク肉採取の依頼を受けていた…。

「あっ!ヤク草みっけ!」

ミヅキが鑑定を使ってヤク草をどんどんと見つけていくと

「ミヅキさんの鑑定は素晴らしいですね、後は…オーク肉採取ですまずはオークを見つけないと」

セバスさんが周りの様子を伺い集中していると…

【あっちに何かいる気配がするぞ】

シルバが歩き出す

「セバスさんシルバがあっちになんかいるって!」

「えっ?あちらですか?うーん…ちょっとオークでは無いような…」

シルバがずんずん進んでしまうので皆で着いていくと…突然止まる。

その先には…

「あれは!ミノタウロス!オークよりも上位の魔物ですよ」

「あっ!ヤダルさん達と倒した奴だ!」

「まぁ…確かに肉は高級ですが…」

「食べたい!」

ミヅキが目を輝かせると!

「わかりました!狩りましょう、ミヅキさんは危ないからシンクさんと隠れていてください」

セバスがミヅキに手を差し出すと

「私だって戦えるよ!ちょうど四匹いるし、一人一匹倒そうよ」

ミヅキはやる気をみせている。

「いえ!駄目ですね、もし何かあったらどうするのですか!」

「大丈夫だよ、前も倒したし!防壁だって張れるし、私だって戦えます!」

ミヅキとセバスが声を荒らげた為にミノタウロスに気づかれる…。

「ブモォォォ!」

ミノタウロスが一番弱そうなミヅキ目掛けて襲ってくると…

「誰を襲おうとしている…」

セバスさんがミノタウロス目掛けて蹴りを入れる…ミノタウロスは他のミノタウロスを巻き込みながら木々をなぎ倒し吹き飛ばされた…。

「あー!セバスさんずるい!一人で倒しちゃった!」

「あっ…つい…すみませんね…」

「私に向かってきたのに!ちゃんと魔法で対応出来たのに!」

「いえ…ミヅキさんの魔法が少しでも遅れでもしたら怪我をしてたかも知れませんよ」

「怪我がしてもシンクがいるもん!」

「駄目です!その肌に傷がつくかもしれないのに攻撃がきてそれを見ているだけなんて…」

セバスが顔を顰めると

「もう!ベイカーさんといいセバスさんといい!甘すぎる!」

ミヅキがぷいっと横を向く。

「ミ、ミヅキさん…」

セバスが恐る恐るミヅキに話しかけるが

「知らない!」

その後ミヅキが喋ってくれることなく戻ってきた…。


「ちょっと!ベイカーさん!あれなんですか!?」

「わ、わからん…」

ミヅキがぷりぷりと怒りながら帰ってくると…後ろからセバスさんがあからさまに沈みながらついてくる…

「なんか…喧嘩?」

「わからんが…関わらない方がよさそうだな…」

「そうですね…」

ベイカーとデボットがこっそりと後ず去ろうとすると…

「お二人共…」

セバスさんがいつの間にか後ろにいた…

「「ぎゃー!」」

二人が驚き声をあげると!

「セバスさん!こんな所で強化魔力使うなよ!」

「すみません…緊急事態なので…」

珍しくセバスさんに余裕がない。

「なんかミヅキにしたんですか?」

デボットさんが話をふると…怒らせた経緯を話す…。

「だから言ったんですよ!構いすぎるなって!」

「いや…しかしこちらに向かってくる敵を倒すのは当たり前じゃないですか?しかもミヅキさんを狙ってきたなら尚更…」

セバスが言い訳をすると

「ミヅキはなんでも人にやってもらうのは好きじゃないじゃないですか…しかもそれを分かってるセバスさんがした事がショックだったんじゃないですか?」

「それは…」

「ミヅキは成長した姿をセバスさんに見てもらいたかったんだと思いますよ」

デボットがフォローすると

「うっ…やはり…ミヅキさんと話してきます…このままは辛すぎる…」

セバスさんがミヅキを探しにいってしまうと

「はぁ…セバスさんのあんな姿初めて見たぞ!」

ベイカーがはぁ!と息を吐く。

「完全にミヅキに振り回される溺愛の父親になってましたね…」

「まるで自分を見ているようだった…」

ベイカーさんがぶるっと震える…

「俺も気をつけよう…」

その後仲良くセバスと戻ってきたミヅキに今度は三人で行こうと誘われ…同じ事を繰り返す二人だった…。
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