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「ではそろそろ屋敷に帰ろうか」
お茶のおかわりもして満足した私は少しウトウトとしてしまう。
「ラーミア、眠いなら私の腕の中で寝てていいぞ」
お父様に抱っこされるとコクっと頭が傾いた。
「だ、大丈夫…です」
そうは言いながらも眠気になかなか勝てずにまぶたが重くなる。
お父様はそんな私を笑いながら抱き上げた。
「カートレット様よろしければこちらをお土産に、お嬢様も気に入っていたようですから」
するとアウルさんが先程食べていたお菓子を包んで持ってきてくれた。
ナディアが受け取ると頭を下げる。
「アウルさん……ありがとうございます」
私は半分目を閉じたような状態でお父様の腕の中からアウルさんにお礼を言った。
「またいらしてください」
アウルさんの優しい声と笑顔を見ながら私は眠りについてしまった。
「ふふ、疲れてしまったのね」
リリアは幸せそうな顔で眠るラーミアの頬を撫でながら微笑んでいた。
「楽しく終われてよかった。この店にきて正解だった、アウルありがとう」
私はこの店の店主にお礼を言う。
「もったいないお言葉、ありがとうございます。私共はお客様をお迎えして楽しんで頂けたらそれで満足です。またぜひいらして下さい」
私は謙虚な受け答えするアウルに多めのチップを渡すようにとアデリーに顔で合図する。
「ではまた」
アデリー達にあとは任せて私達は先に馬車へと向かった。
息子のヨハンもグッスリと眠り可愛いわが子達を起こさないようにゆっくりと馬車を走らせ屋敷へと戻った。
この日のお出かけはラーミアにとってもいい体験となったようで何度か街へと出かけることができた。
ラーミアはあの店が気に入った様子で街に行くと必ず寄ってくるようだった。
今日も朝から妻とラーミアが出かけるようで朝の挨拶に向かった。
「お父様おはようございます!」
ラーミアの朝から天使のような笑顔に仕事に行くのが嫌になってしまった。
「ラーミアおはよう。今日も私の娘は可愛いなー」
抱き上げてその頬にキスをすると少し恥ずかしそうに頬が赤くなる。
「もう、赤ちゃんじゃないからキスはしないでって言ったのに……」
ラーミアはプクッと赤くなった頬を膨らませた。
しかしその顔は本気で嫌がっているようには見えず、恥ずかしさから言っているように感じる。
「すまんすまん」
私はそんな顔も可愛いと気持ち半分に笑いながら謝った。
「今日も街にいくんだろ?気をつけて来るんだよ」
「はい!」
ラーミアのいい返事にアデリーとステファンにも目線を送る。
二人にはなにかあったらわかってるなと笑みを向けるとグッと顔が引き締まった。
「リリアも気をつけて、ラーミアを頼むよ」
リリアに唇に軽くキスをして挨拶すると上目遣いに見られてクスッと笑われる。
「わかってます。あなたもお仕事頑張って下さい」
そう言われ唇の端に微かに触れるだけのキスを返された。
ああ、本当に仕事に行きたくない……
私の気持ちを察したのかアデリーが素早く従者に声をかけて私を二人から離してしまった。
お茶のおかわりもして満足した私は少しウトウトとしてしまう。
「ラーミア、眠いなら私の腕の中で寝てていいぞ」
お父様に抱っこされるとコクっと頭が傾いた。
「だ、大丈夫…です」
そうは言いながらも眠気になかなか勝てずにまぶたが重くなる。
お父様はそんな私を笑いながら抱き上げた。
「カートレット様よろしければこちらをお土産に、お嬢様も気に入っていたようですから」
するとアウルさんが先程食べていたお菓子を包んで持ってきてくれた。
ナディアが受け取ると頭を下げる。
「アウルさん……ありがとうございます」
私は半分目を閉じたような状態でお父様の腕の中からアウルさんにお礼を言った。
「またいらしてください」
アウルさんの優しい声と笑顔を見ながら私は眠りについてしまった。
「ふふ、疲れてしまったのね」
リリアは幸せそうな顔で眠るラーミアの頬を撫でながら微笑んでいた。
「楽しく終われてよかった。この店にきて正解だった、アウルありがとう」
私はこの店の店主にお礼を言う。
「もったいないお言葉、ありがとうございます。私共はお客様をお迎えして楽しんで頂けたらそれで満足です。またぜひいらして下さい」
私は謙虚な受け答えするアウルに多めのチップを渡すようにとアデリーに顔で合図する。
「ではまた」
アデリー達にあとは任せて私達は先に馬車へと向かった。
息子のヨハンもグッスリと眠り可愛いわが子達を起こさないようにゆっくりと馬車を走らせ屋敷へと戻った。
この日のお出かけはラーミアにとってもいい体験となったようで何度か街へと出かけることができた。
ラーミアはあの店が気に入った様子で街に行くと必ず寄ってくるようだった。
今日も朝から妻とラーミアが出かけるようで朝の挨拶に向かった。
「お父様おはようございます!」
ラーミアの朝から天使のような笑顔に仕事に行くのが嫌になってしまった。
「ラーミアおはよう。今日も私の娘は可愛いなー」
抱き上げてその頬にキスをすると少し恥ずかしそうに頬が赤くなる。
「もう、赤ちゃんじゃないからキスはしないでって言ったのに……」
ラーミアはプクッと赤くなった頬を膨らませた。
しかしその顔は本気で嫌がっているようには見えず、恥ずかしさから言っているように感じる。
「すまんすまん」
私はそんな顔も可愛いと気持ち半分に笑いながら謝った。
「今日も街にいくんだろ?気をつけて来るんだよ」
「はい!」
ラーミアのいい返事にアデリーとステファンにも目線を送る。
二人にはなにかあったらわかってるなと笑みを向けるとグッと顔が引き締まった。
「リリアも気をつけて、ラーミアを頼むよ」
リリアに唇に軽くキスをして挨拶すると上目遣いに見られてクスッと笑われる。
「わかってます。あなたもお仕事頑張って下さい」
そう言われ唇の端に微かに触れるだけのキスを返された。
ああ、本当に仕事に行きたくない……
私の気持ちを察したのかアデリーが素早く従者に声をかけて私を二人から離してしまった。
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