狂犬を手なずけたら溺愛されました

三園 七詩

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「おはよう、ラーミア♡」

「おはようございます。お父様」

私は笑顔で挨拶にきたお父様に挨拶をする。

その様子をみてお父様は安心したように息を吐いて部屋へと足を踏み入れた。

私が街に行ってから一週間が経った、体調も回復したのだが暫くは外出禁止となった。

「ラーミア、今回のことなんだが……」

お父様は私のそばに近づくと神妙な顔をしながら目線を合わせて屈んでくれる。

「お父様、私は大丈夫だから……そんな顔しないで」

そんなお父様の手にそっと触れる。

「すまない……私達が焦りすぎてラーミアの心を傷つけてしまった」

お父様はしゅんと今にも泣きそうな顔で私の顔色をうかがっている。

あの日の出来事はお父様にもトラウマになりそうな事だったらしい。

「大丈夫だよ、お父様達が私のためにしてくれたってわかってるから」

「ラーミア!」

お父様は今にも泣きそうな顔をして私に抱きついた。


あの出来事から私は街に行く事は無くなり、屋敷内でも私の外出はタブーのような扱いを受けていた。

しかし屋敷のみんなとの関係は良好で屋敷ないの男性はほとんど怯えることはなくなっている。

弟のヨハンも生まれ落ち着いた一年を過ごしたが……お茶会。

「お父様、それは屋敷の外にでるんだよね?」

伺うように聞くとお父様は申し訳なさそうに頷いた。

「すまない、どうにか欠席出来ないか策を講じたんだが…あのバカ国王が首を縦に振らなくて」

お父様かボソッとつぶやく。

「あなた」

するとお母様がやんわりと笑顔で注意すると、お父様の顔がビクッと怯えた。

「わ、悪かった。二人の前で汚い言葉を……それでどうだろう?ラーミアがどうしても無理ならお父様もこの首をかけて断ってこようと思う!」

「お父様……」

この首って……比喩で言って無さそうな雰囲気にお母様の顔色を伺うと少し悲しそうな顔をしていた。

「私達も一年前の事があるしまたラーミアが倒れたりでもしたらと考えると……」

お母様がそっと涙を拭う。

あの日の出来事は私のせいで家族みんなのトラウマになっていた。

「大丈夫、私もう一度街に行ってみようかな……」

下を向きながらボソッと呟いた。

「ラーミア、無理してない?」

お母様がそっと私の手に触れた、私はその手をギュッと握り返す。

「ただ……お父様とヨハンも一緒に行きたいな」

「おお勿論だ!今度はお父様がそばでピッタリとラーミアを守るぞ!それにステファンやアデリーも一緒だ!」

みんな一緒と聞いて一気に頼もしくなる。

「うん!みんなで行きたい!」

私の笑顔にお父様とお母様は本当に安堵していた。
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