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22.街
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「ナディアー!」
私はいつもそばに居てくれるメイドの名前を呼んだ。
街に行くのにメイドを数人連れていくと聞いてお母様に彼女を一緒に行かせて欲しいと頼んだのだった。
「はい、お嬢様。気をつけてください、お手をどうぞ」
ナディアは優しい笑顔で私の手をとると馬車まで一緒に歩いてくれた。
「ナディア、後は私が」
馬車の手前で警備兵のステファンさんが変わってくれてお母様と馬車に乗り込み椅子に腰掛ける。
するとお母様がそっと手を握ってくれた。
「大丈夫、私がずっとそばにいるわ」
「はい」
知らず知らずのうちに私は力が入っていたようでフーっと息を吐いた。
お母様が耐えず色々と話しかけてくれるおかげであっという間に街に近づく。
「ほら見てラーミア、あのお店かわいいでしょ。店員さんも女性が多くて入りやすいわ」
「か、かわいい……」
お母様が説明してくれる街並みは前世で見た事のないまるでテーマパークのような雰囲気だった。
石畳の道に可愛らしい洋館の色とりどりの建物。
歩いてる人も色んな人がいる。もちろん男の人も……
私は男の人が見えるとスっと馬車の窓から身を隠した。
するとステファンさんがわかっているかのように窓のそばに馬で横付けして私に笑顔で手を振った。
「あっ……」
私は思わず笑顔で手を振り返す。
「お嬢様、あちらも綺麗な景色ですよ」
ナディアの言葉に反対方向の窓を見れば川が見えて人が少ない。
私はほっとして景色を楽しんだ。
そうしてみんなのおかげて大きな問題はなくお店にたどり着いた。
お母様が手を引いてくれて馬車から降りる。
ステファンさんが待機しててくれてお母様と私の手を取った。
そのままサッとメイドさん達から庇われるようにお店に入る。
「「「いらっしゃいませ」」」
すると屋敷で何度か見かけた店員さんが笑顔出迎えてくれた。
「リリア様、ようこそいらっしゃいました。今日は貸切にしておりますのでゆっくりとお楽しみ下さい。気になるものがあればなんなりと声をおかけください」
お店のお姉さんがお母様に声をかけた。
その後私に視線を移すと同じ目線にしゃがみ込んだ。
「ラーミア様もいらっしゃいませ。好きなようにお店の中のものを見てくださいね」
優しい笑顔と声に私はありがとうございますと笑顔で頷いた。
お店の中は屋敷で見る倍の数の服や装飾品が並んでいる。
前世では見ることもかなわないような高そうな宝石がズラっと並んでいた。
「すご……」
呆気に取られて一通りグルっと店内を見渡す。
「ラーミア様、これなんかお似合いですよ。ラーミア様ならどれでも着こなしてしまいますが……」
ナディアが真剣な顔で思案している。
「ナディア、そんなドレス屋敷で着るには派手じゃないかな……」
今回の服もそうだがそんなに外出する気もないから必要無さそうだ。
「ラーミア、あなたは侯爵家の生まれなのだからこれから色々と招待されて外に出る機会が増えると思うの」
お母様が申し訳なさそうに綺麗な眉を下げている。
そう言えばお父様からそんな事を言われた事があった。街に行く事ですっかりと忘れていた。
「だからラーミアの服を選ばないといけないの……なかなかいえなくてごめんね」
「いいえ」
お母様もきっと私に言うべきか悩んだはずだ、私が必要以上に怖がるから迷惑をかけてしまった。
「大丈夫です。お母様ドレス選びましょう」
私はめいいっぱい明るい声でお母様の手を取った。
私はいつもそばに居てくれるメイドの名前を呼んだ。
街に行くのにメイドを数人連れていくと聞いてお母様に彼女を一緒に行かせて欲しいと頼んだのだった。
「はい、お嬢様。気をつけてください、お手をどうぞ」
ナディアは優しい笑顔で私の手をとると馬車まで一緒に歩いてくれた。
「ナディア、後は私が」
馬車の手前で警備兵のステファンさんが変わってくれてお母様と馬車に乗り込み椅子に腰掛ける。
するとお母様がそっと手を握ってくれた。
「大丈夫、私がずっとそばにいるわ」
「はい」
知らず知らずのうちに私は力が入っていたようでフーっと息を吐いた。
お母様が耐えず色々と話しかけてくれるおかげであっという間に街に近づく。
「ほら見てラーミア、あのお店かわいいでしょ。店員さんも女性が多くて入りやすいわ」
「か、かわいい……」
お母様が説明してくれる街並みは前世で見た事のないまるでテーマパークのような雰囲気だった。
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歩いてる人も色んな人がいる。もちろん男の人も……
私は男の人が見えるとスっと馬車の窓から身を隠した。
するとステファンさんがわかっているかのように窓のそばに馬で横付けして私に笑顔で手を振った。
「あっ……」
私は思わず笑顔で手を振り返す。
「お嬢様、あちらも綺麗な景色ですよ」
ナディアの言葉に反対方向の窓を見れば川が見えて人が少ない。
私はほっとして景色を楽しんだ。
そうしてみんなのおかげて大きな問題はなくお店にたどり着いた。
お母様が手を引いてくれて馬車から降りる。
ステファンさんが待機しててくれてお母様と私の手を取った。
そのままサッとメイドさん達から庇われるようにお店に入る。
「「「いらっしゃいませ」」」
すると屋敷で何度か見かけた店員さんが笑顔出迎えてくれた。
「リリア様、ようこそいらっしゃいました。今日は貸切にしておりますのでゆっくりとお楽しみ下さい。気になるものがあればなんなりと声をおかけください」
お店のお姉さんがお母様に声をかけた。
その後私に視線を移すと同じ目線にしゃがみ込んだ。
「ラーミア様もいらっしゃいませ。好きなようにお店の中のものを見てくださいね」
優しい笑顔と声に私はありがとうございますと笑顔で頷いた。
お店の中は屋敷で見る倍の数の服や装飾品が並んでいる。
前世では見ることもかなわないような高そうな宝石がズラっと並んでいた。
「すご……」
呆気に取られて一通りグルっと店内を見渡す。
「ラーミア様、これなんかお似合いですよ。ラーミア様ならどれでも着こなしてしまいますが……」
ナディアが真剣な顔で思案している。
「ナディア、そんなドレス屋敷で着るには派手じゃないかな……」
今回の服もそうだがそんなに外出する気もないから必要無さそうだ。
「ラーミア、あなたは侯爵家の生まれなのだからこれから色々と招待されて外に出る機会が増えると思うの」
お母様が申し訳なさそうに綺麗な眉を下げている。
そう言えばお父様からそんな事を言われた事があった。街に行く事ですっかりと忘れていた。
「だからラーミアの服を選ばないといけないの……なかなかいえなくてごめんね」
「いいえ」
お母様もきっと私に言うべきか悩んだはずだ、私が必要以上に怖がるから迷惑をかけてしまった。
「大丈夫です。お母様ドレス選びましょう」
私はめいいっぱい明るい声でお母様の手を取った。
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