収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

連載

終わり

ミラは看守の仕事が休みの日にイーサンパパとゾーイおばあちゃんと馬車であるところに向かっていた…

そこは小高い丘の様々な花が咲きほこる場所…

そこに一つポツンと墓石が立っている。

「メアリー…久しぶりだね」

ゾーイおばあちゃんが墓石に近づくと優しく撫でるように触って呟いた。

私を産んでくれたお母さん、メアリーがここに眠っている。

「やっとメアリー様とミラを会わせることが出来ました…」

イーサンパパが墓石の前に跪く、私はその隣に同じように座ると手を合わせた。

(お母さん…私を産んでくれてありがとう。私の居場所を用意してくれてありがとう。私ちゃんと幸せだよ！たくさんの優しいお父さん達に囲まれて…でもお母さんは一人だけだからね。ずっと見守っててね…)

すると撫でる様な温かい風が頬を触った。

「あっ…」

私は頬を触れると

「どうかしたのか？」

イーサンパパが私の声に心配そうに顔を覗き込んだ。

「大丈夫だよ」

そう答えるがゾーイおばあちゃんと二人、驚き心配そうにしている。

「だが…何故泣いてるんだ…」

「え？」

私は触れると頬が涙で濡れていた。

目からは止まることなく涙が溢れる…

「今…お母さんに撫でてもらった気がしたの…」

これは悲しい涙じゃなくて嬉しい涙…少しだけ寂しけど…

その隙間を埋めるようにイーサンパパとゾーイおばあちゃんが私を抱きしめてくれた。

お互いにお母さんのいない隙間を埋めるように…

(大丈夫…私達はこれかも一緒だから)

私は二人をギュッと抱き締め返した。