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その後4
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「お二人にお願いがあるのですがファイ王子のことはミラさんと同じようにファイさんとまたはファイ様とお呼び下さい」
ロードさんが歩いているとそんな事を言い出した。
「王子ってバレちゃダメってことですか?」
「その通りです。いくら模範的な収容所で、ミラさんもいますが本来なら王子が来る場所ではありません…万が一があったらいけませんから」
「ファイさん…そこまでして来なくていいのに…なんなら帰る?今度はちゃんと王宮に行くよ」
心配してファイさんを見つめる。
「そんな顔するな!ミラにも会いに来たかったがそれよりも会ってみたいやつがいるんだよ…」
誰だ?
ファイさんの真剣な顔に私とロイドさんは顔を見合わて首を傾げた。
話してばかりもいられないと早速視察を始める、収容所内を説明しながら歩いて行くと…
「ミラ看守!おはようございます!」
「ミラちゃん看守!ご苦労さま!」
檻の中の囚人達は一人一人ミラに挨拶をしていた…隣のロイドさんは無視して…
「みんなおはようございます!今日もいい子に仕事頑張って下さいね。あとロイド先輩にも挨拶してくださいね~」
「ああ、居たんだロイドの旦那、よっ!」
いつもの挨拶を返すと
「いつも…こうなのか?」
ファイさんが呆れて聞いてきた。
「え?あ、はい。そうですね…だって挨拶は基本ですよ?」
私が当たり前だと答えると
「ここは…想像以上に…やばい事になってますね…」
ロードさんが何かファイさんに呟いた。
「次はちょっと危険ですから私達から離れないで下さいね!重犯罪者達の独房になってます」
「な!そんなところもミラが行っているのか!」
ファイさんが驚くと…
「て言うかミラがいないと中々行けませんので…」
ロイドさんが力なく答えた。
「そんなこと無いですよ!ちゃんと話してあげればみんな答えてくれますよ!」
「言っとくけどな!それが出来るのミラだけだからな!そんな顔で近づいて美味いもんやってて手懐けて毎日笑って貰えりゃあいつらだってそりゃ嬉しいさ!」
なんかロイドさんが拗ねちゃった?
「わかります?いちにちで先輩の面子剥がれ落ちた俺の立場を!」
「「あー…」」
ファイさんとロードさんが憐れむような顔でロイドさんを見つめると
「まぁ頑張れ!」
励ますように肩に手を置いた。
「諦めも肝心ですよ」
「くっ…」
え?ロイドさん泣いてる?
そんなに重犯罪者達の面倒見たかったのか?
それなら今度はロイドさんに任せようかな…
私はこっそりとそうしようと心に決めた。
重犯罪者達の独房を見た後に今度は普通の囚人達の棟に入る。
「各自棟に別れて仕事など振り分けられています。囚人達の模範囚にリーダーを任せて自主性を伸ばそうかと…いい子にしてた人達にはご褒美も用意してあります!」
「この案出してから囚人達の揉め事が激減したんですよ…」
ロイドさんが付け足してくれた。
「こりゃ…なんて報告すりゃいいんだ?」
ファイさん達が顔を顰めて見つめ合っていた。
ロードさんが歩いているとそんな事を言い出した。
「王子ってバレちゃダメってことですか?」
「その通りです。いくら模範的な収容所で、ミラさんもいますが本来なら王子が来る場所ではありません…万が一があったらいけませんから」
「ファイさん…そこまでして来なくていいのに…なんなら帰る?今度はちゃんと王宮に行くよ」
心配してファイさんを見つめる。
「そんな顔するな!ミラにも会いに来たかったがそれよりも会ってみたいやつがいるんだよ…」
誰だ?
ファイさんの真剣な顔に私とロイドさんは顔を見合わて首を傾げた。
話してばかりもいられないと早速視察を始める、収容所内を説明しながら歩いて行くと…
「ミラ看守!おはようございます!」
「ミラちゃん看守!ご苦労さま!」
檻の中の囚人達は一人一人ミラに挨拶をしていた…隣のロイドさんは無視して…
「みんなおはようございます!今日もいい子に仕事頑張って下さいね。あとロイド先輩にも挨拶してくださいね~」
「ああ、居たんだロイドの旦那、よっ!」
いつもの挨拶を返すと
「いつも…こうなのか?」
ファイさんが呆れて聞いてきた。
「え?あ、はい。そうですね…だって挨拶は基本ですよ?」
私が当たり前だと答えると
「ここは…想像以上に…やばい事になってますね…」
ロードさんが何かファイさんに呟いた。
「次はちょっと危険ですから私達から離れないで下さいね!重犯罪者達の独房になってます」
「な!そんなところもミラが行っているのか!」
ファイさんが驚くと…
「て言うかミラがいないと中々行けませんので…」
ロイドさんが力なく答えた。
「そんなこと無いですよ!ちゃんと話してあげればみんな答えてくれますよ!」
「言っとくけどな!それが出来るのミラだけだからな!そんな顔で近づいて美味いもんやってて手懐けて毎日笑って貰えりゃあいつらだってそりゃ嬉しいさ!」
なんかロイドさんが拗ねちゃった?
「わかります?いちにちで先輩の面子剥がれ落ちた俺の立場を!」
「「あー…」」
ファイさんとロードさんが憐れむような顔でロイドさんを見つめると
「まぁ頑張れ!」
励ますように肩に手を置いた。
「諦めも肝心ですよ」
「くっ…」
え?ロイドさん泣いてる?
そんなに重犯罪者達の面倒見たかったのか?
それなら今度はロイドさんに任せようかな…
私はこっそりとそうしようと心に決めた。
重犯罪者達の独房を見た後に今度は普通の囚人達の棟に入る。
「各自棟に別れて仕事など振り分けられています。囚人達の模範囚にリーダーを任せて自主性を伸ばそうかと…いい子にしてた人達にはご褒美も用意してあります!」
「この案出してから囚人達の揉め事が激減したんですよ…」
ロイドさんが付け足してくれた。
「こりゃ…なんて報告すりゃいいんだ?」
ファイさん達が顔を顰めて見つめ合っていた。
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