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その後3

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ミラが看守になってしばらくたった日の事…

「ミラさん、今日は王都から視察の方が来るそうです。案内をミラさんにお願いしたいのですが…」

朝の業務前の挨拶の時にケイジ看守長がそんなことを言い出した。

「え?ミラがですか?」

ロイド看守が訝しげな顔をした。

「私でいいんですか?」

まだ新人でしかも子供なのに案内なんて驚かれないだろうか?

疑問に思って聞くと

「ミラさんがこの収容所で一番優秀ですからね、あなたの前では囚人達は借りてきた猫のように大人しくなりますから…」

ケイジ看守長がそういうと仲間の看守さん達が苦笑いする。

「そうだな~喧嘩しててもミラが止めれば一発で解決するもんな」

「問題児のハーパーでさえ、文句言いつつミラの言う事なんでも聞くからな~」

看守達が笑いながらそんなことを言い出した。

「えーそうですか?みんなちゃんと言えばわかってくれる人達ですよ?」

ミラはそんなことないのにと首を傾げる。

「知らぬは本人ばかりなり…」

ロイドは苦笑した。

「まぁそういう事ですのでミラさんが案内をよろしくお願い致します。補助にロイド看守がついてください」

「はい!」

「ロイドさんよろしくお願いします」

ミラが頼むとロイドは任せておけと胸を叩いた。

朝の用意を終えると外が慌ただしくなり視察の人達が到着したと知らせが入った。

「よし、ミラ迎えに行くぞ」

「はい!」

ミラとロイドが入り口に向かい外に出ると…

「え…あの馬車…」

ミラは見覚えのある馬車に目を見開いた。

するとその馬車からはさらに見覚えのある人物が降りてきた。

「ファイさん…」

私がつぶやくと…

「なんだミラ、知り合いなのか?」

「え?あー…えっと…この国王子だよね?」

「え!?あー!本当だ!ファイ王子…あんな庶民的な格好してるからわからなかった…」

ロイドさんはビシッと背筋を伸ばしていると

「お!いたいた!」

ファイさんが私に気がついて笑いながら手を振り近づいてきた。

「お久しぶりです」

私は深く頭を下げると

「本当だよ!あれから一度も王宮に顔を出さないし!約束はどうした!」

「えー、ちゃんと王都には帰ってるよ。イーサン様に毎週報告してるし」

「王都に帰ったら王宮にも来いよ!ミラが帰ってきたって聞いて屋敷に行くといつも収容所に行ったあとなんだから」

「そうなんですよ、それでミラさんに会いたいと言い出して今日の視察となりました」

「ロードさん!」

王子の後ろからロードさんがひょいと顔を出した。

「さぁ王子、遊びに来たわけではないのですから早速仕事に取り掛かってください」

ロードさんに言われてファイさんは顔を顰めた。

「なんだよ、久しぶりの再会なんだからもう少し話をしてもいいだろ?」

ファイさんの不服そうな顔に思わず笑みがこぼれる。

「ファイさん、視察終わりに少しお茶しませんか?その時に特製のお菓子出しますよ」

「本当か!いやぁ~ミラージュの飯も美味いんだけどやっぱりミラの作るのが食べたくてな!来てよかったわ」

ファイさんがご機嫌になってくれたのでロードさんにウインクをして視察へと向かった。
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