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その後2

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«メリソンとハーパー»

メリソンはミラを大事そうに抱きしめるローガンを見つめていた…

すると隣にハーパーがきた。

「お前、知っていたな」

ジロっと睨みつける。

「悪いな、ミラからの願いだったからさーみんなの顔を見たらにやけちまいそうで」

「本当に驚いた…まさか看守になって戻ってくるとは…」

「さすが俺達のミラだよな」

「そうだな…せっかくこんな野蛮な所でなく外で普通の子として幸せになって欲しかったが…」

メイソンはヤレヤレとため息をつく。

「それだけどなぁ…ミラは外に出てもミラだったぞ…あいつに普通は無理だな」

「え?」

メイソンは驚いてハーパーを見ると

「王都で料理を開けば人気店にして、王宮では王子やら団長をたらしこんでだぞ…」

「それは…さすが私達の娘…と言ったところか」

「まぁな、案外ミラもここにいる方が大人しくて幸せかもな王都なんて目立つところだと変なのに目をつけられかねない」

メイソンは納得するように頷いた。

「あの笑顔を見たら、それが正しいと思ってしまう」

ミラを見て微笑んでいると…

「メイソンさん!」

ミラに見つかり満面の笑みを向けられた。

ローガンが仕方なしにミラを下ろすと手を広げながらかけてくる。

「囚人にあんな笑顔を向ける普通の子はやはりいないな」

そうは言いながらも嬉しくて笑いながら自分も近づいていく…

「メイソンさん!ただいま、またよろしくお願いします」

「しょうがない子だ…危なっかしいからミラはここにずっといるといい」

そう言ってやると、ミラが驚いた顔を見せたあと…ヘラッと笑う。

「言われなくてもそうする!」

そしてギュッと首元に抱きつくと…

「ありがとうございます…」

かすれるような声でお礼を言った。

お礼を言うのは私達だ…私達はこの子に人にしてもらったんだから…

「でも今度からは私が看守ですからね!みんなには看守の言うこと聞いてもらうよ!」

「なんだよミラ!偉そうに命令する気か!?」

ハーパーが何をさせたいとからかうように聞くと…

「そうだな…まずは今日はみんなでご飯を食べること!そのあとは一緒に寝てもらう!」

「はっ?」

ハーパーはミラの命令に変な声を出した。

「それが命令?」

「ダ、ダメだった?」

ミラが伺うようにこちらを見つめる。

私とハーパーは顔を見合わせると思わず吹き出した。

「いえ、ミラ看守のおうせのままに…」

私は素晴らしい命令に恭しく頭を下げた…

「やっぱりミラがいると退屈しなそうだ…」

ハーパーの呟きに激しく同意した。
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