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連載
様子
しおりを挟む「ジョン!ハーパーが帰ってきたぞ!」
「何!?」
囚人仲間からの知らせに俺は食べていた飯を放り投げて外へと駆け出した!
出入口が見える庭園に向かうとそこにはもう既に聞きつけた囚人達が集まってハーパーの姿が見えないかと待っていた。
「ハーパーは?どんな様子だ!」
慌てて近くの奴らに聞くと
「わからん、一人で兵士に囲まれて連行されてる見たいだ!呼んでるんだが兵士が邪魔で…」
「一人…か…」
王都にミラに呼び出されて行ったことはあの手紙を見た俺と、ローガン、メイソンしか知らなかった…
だが囚人達の中でハーパーが王都に行ったことが噂になりそれならミラの事が何か聞けるかもしれないとみんな期待していた。
まさかミラと帰ってくるとは思っていないが本当にミラに呼び出されているのだ何かミラの情報を聞けるかと自分もソワソワする。
「ハーパー!王都は…あの子はどうだったんだ!」
たまらずに囚人達が声をかけていた。
しかしハーパーからの返事はない…
まぁ後で何か聞けるだろうと、この時はそう思っていた…
「なんだって…ハーパーが独房に入れられてるだと?」
しかしその後聞いた報告に俺は信じられずに聞き返した。
「そうなんだ…帰ってきて看守長の部屋に入った後そのまま独房に…あいつまた何かやらかしたのかもしれん」
仲間の囚人が顔を顰めた。
まさか王都で何か会ったのか…
それからハーパーに会えない日が続いていた、どうにか独房に潜入しようとしたが看守達の警備が厳重で会いにも行けず、こうしてモヤモヤとした日々を送っていると…
「囚人達は中庭に集合しろ!今日は新しく看守が来る、その顔合わせと挨拶がある!騒いだやつは独房行きだからな!」
そう叫びながら看守達が慌てた様子で準備をしている。
「お、俺の髪型変じゃないよな!?」
「あー!制服を洗っとけばよかった!」
なんか看守達の慌て方がおかしい事に気がついた。
「看守の挨拶?」
「看守長が来た時でさえ集まらなかったのにか?」
囚人達は気合いが入る看守達を首を傾げながら見ていた。
「こりゃもしかしたらどえらい美人が来るのかもな」
「看守にか!?こんな囚人のところに不味いだろ」
「違いない!」
囚人達が笑っていると…
「お、おい!あれハーパーじゃないか!」
囚人の俺達をぐるっと囲み看守が並ぶ中前の方にハーパーが看守と共に並んでいた。
「あいつ…出れたのか」
元気そうな姿にほっとして見つめていると、ハーパーが顔をあげて目が合った。
フッ…
するとハーパーは俺の顔をみて笑った。
?
なんだ?俺は訳がわからずにハーパーを見つめ続けるがハーパーはそれっきり目を合わそうとはせずに下を向いてしまった。
「これでよかったんですよね?」
ケイジ看守長は下を向いて笑うハーパーに横からそっと声をかけた。
「はい…ありがとうございます」
「しかしあの子が来るまで独房に入れてくれとは…」
「あいつらの前で平気な顔をしてられるとは思わなかったので…」
下を向きながら口を隠し笑みを浮かべていた。
「ミラに約束したんでね、内緒にしておくって。それに俺もみんなの驚く顔を特等席で見たいもんで」
ニヤッと笑って顔をあげると、ちょうど心配そうに見つめるジョンと目が合った。
「フッ…」
もうすぐ会えるぞ…
ハーパーは溢れ出る喜びに顔がニヤけるので慌てて下を向いた。
「何!?」
囚人仲間からの知らせに俺は食べていた飯を放り投げて外へと駆け出した!
出入口が見える庭園に向かうとそこにはもう既に聞きつけた囚人達が集まってハーパーの姿が見えないかと待っていた。
「ハーパーは?どんな様子だ!」
慌てて近くの奴らに聞くと
「わからん、一人で兵士に囲まれて連行されてる見たいだ!呼んでるんだが兵士が邪魔で…」
「一人…か…」
王都にミラに呼び出されて行ったことはあの手紙を見た俺と、ローガン、メイソンしか知らなかった…
だが囚人達の中でハーパーが王都に行ったことが噂になりそれならミラの事が何か聞けるかもしれないとみんな期待していた。
まさかミラと帰ってくるとは思っていないが本当にミラに呼び出されているのだ何かミラの情報を聞けるかと自分もソワソワする。
「ハーパー!王都は…あの子はどうだったんだ!」
たまらずに囚人達が声をかけていた。
しかしハーパーからの返事はない…
まぁ後で何か聞けるだろうと、この時はそう思っていた…
「なんだって…ハーパーが独房に入れられてるだと?」
しかしその後聞いた報告に俺は信じられずに聞き返した。
「そうなんだ…帰ってきて看守長の部屋に入った後そのまま独房に…あいつまた何かやらかしたのかもしれん」
仲間の囚人が顔を顰めた。
まさか王都で何か会ったのか…
それからハーパーに会えない日が続いていた、どうにか独房に潜入しようとしたが看守達の警備が厳重で会いにも行けず、こうしてモヤモヤとした日々を送っていると…
「囚人達は中庭に集合しろ!今日は新しく看守が来る、その顔合わせと挨拶がある!騒いだやつは独房行きだからな!」
そう叫びながら看守達が慌てた様子で準備をしている。
「お、俺の髪型変じゃないよな!?」
「あー!制服を洗っとけばよかった!」
なんか看守達の慌て方がおかしい事に気がついた。
「看守の挨拶?」
「看守長が来た時でさえ集まらなかったのにか?」
囚人達は気合いが入る看守達を首を傾げながら見ていた。
「こりゃもしかしたらどえらい美人が来るのかもな」
「看守にか!?こんな囚人のところに不味いだろ」
「違いない!」
囚人達が笑っていると…
「お、おい!あれハーパーじゃないか!」
囚人の俺達をぐるっと囲み看守が並ぶ中前の方にハーパーが看守と共に並んでいた。
「あいつ…出れたのか」
元気そうな姿にほっとして見つめていると、ハーパーが顔をあげて目が合った。
フッ…
するとハーパーは俺の顔をみて笑った。
?
なんだ?俺は訳がわからずにハーパーを見つめ続けるがハーパーはそれっきり目を合わそうとはせずに下を向いてしまった。
「これでよかったんですよね?」
ケイジ看守長は下を向いて笑うハーパーに横からそっと声をかけた。
「はい…ありがとうございます」
「しかしあの子が来るまで独房に入れてくれとは…」
「あいつらの前で平気な顔をしてられるとは思わなかったので…」
下を向きながら口を隠し笑みを浮かべていた。
「ミラに約束したんでね、内緒にしておくって。それに俺もみんなの驚く顔を特等席で見たいもんで」
ニヤッと笑って顔をあげると、ちょうど心配そうに見つめるジョンと目が合った。
「フッ…」
もうすぐ会えるぞ…
ハーパーは溢れ出る喜びに顔がニヤけるので慌てて下を向いた。
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