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願い
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「ではハーパーさんの願いは現状維持と言う事でいいかな?」
オバジ様がハーパーに確認すると
「ああ」
ハーパーがそうだと頷いた。
「わかった。収容所の環境が良くなるように言っておこう」
「ありがとうございます」
ハーパーが満足そうにしていると
「それで君達はいいのかい?」
パッドさんとビオスさんを今度は見ると
「俺…いや、私は何もしてませんので…私は料理が作れれば問題ないです。それで…いや、それが幸せですから」
ビオスさんも同じだと頷いている。
「わかった、では今後シン国から食材が送られて来ると思うので優先的にミラージュに提供しよう。あの店を王宮公認の店とする」
「「ありがとうございます!」」
食材と聞いて二人とも嬉しそうにしていた。
「それで?君はどうする?」
「はい!私の願いは…サンサギョウ収容所で働きたいです!」
「はっ!?」
「働く?」
ハーパーと王子が私を見て信じられないと唖然とする。
でもこれはずっと決めていた事。
「ミラ、俺の言ったことわかってる?」
ハーパーが確認してきた。
「もちろん!ハーパーは好きにすればいいって言ったよね?私はあそこを出てからずっとしたかった事なの、みんなの場所に戻りたかった…でも犯罪を犯して戻るわけにはいかないし…ビオスさんと料理をしてた時とか看守さんと見回りした時とか…私達が作った料理を美味しそうに食べてくれる姿とか…すっごく楽しかった。私はあそこで不幸だなんて思った事一度もなかったよ?」
「なら…面会とかで会いに来るとか…」
「それだとみんなには会えないでしょ?」
「それじゃあお前を出した意味ないだろ…」
「あるよ、だって私は一度外の世界を味わって決めたの、それで堂々と働きに行くんだから!」
私の言葉にファイさんが声をかけてきた。
「しかし子供に務まるのか?相手は囚人だぞ…」
「それも大丈夫!だって私の言う事みんな聞いてくれるもん!こんなにピッタリの看守いないと思うよ!」
「た、確かに…みんなミラに服従しそうだ…」
ビオスさんとハーパーが想像して苦笑した。
「ちゃんとイーサン様とゾーイおばあちゃんの屋敷にもお休みの日には戻るよ。お仕事として収容所に行くつもりだから!」
「君はそれがこの功績の願いなのかな?」
オバジ様が再度確認する。
「そうです!本当ならミラージュでもう少し有名になって収容所の権利を買い取ろうかと思ってたけど…こんなチャンス無いからね!」
「しかし子供を働かせるのか…」
「私もうミラージュで働いてますけど」
どうだ!と胸を張る!
「それを保護者のイーサンは納得しているのか?まだ未成年の身なんだ。許可は必要だろう?」
「イーサン様には前にちゃんと相談しました、私の人生だから好きにしていいって…」
まぁ無理しないようにとは言われてるけど…
王子達は納得行かない様子で渋い顔をしている。
しかしオバジ様は笑って口を開いた。
「願いを言えと言ったのはこちらだ、その願いが収容所で働きたいと言うのなら…その願い叶えよう」
やった!
「だが!少しばかり条件がある」
「えっ…」
オバジ様の優しい顔が無くなりこちらをじっと見つめてきた。
オバジ様がハーパーに確認すると
「ああ」
ハーパーがそうだと頷いた。
「わかった。収容所の環境が良くなるように言っておこう」
「ありがとうございます」
ハーパーが満足そうにしていると
「それで君達はいいのかい?」
パッドさんとビオスさんを今度は見ると
「俺…いや、私は何もしてませんので…私は料理が作れれば問題ないです。それで…いや、それが幸せですから」
ビオスさんも同じだと頷いている。
「わかった、では今後シン国から食材が送られて来ると思うので優先的にミラージュに提供しよう。あの店を王宮公認の店とする」
「「ありがとうございます!」」
食材と聞いて二人とも嬉しそうにしていた。
「それで?君はどうする?」
「はい!私の願いは…サンサギョウ収容所で働きたいです!」
「はっ!?」
「働く?」
ハーパーと王子が私を見て信じられないと唖然とする。
でもこれはずっと決めていた事。
「ミラ、俺の言ったことわかってる?」
ハーパーが確認してきた。
「もちろん!ハーパーは好きにすればいいって言ったよね?私はあそこを出てからずっとしたかった事なの、みんなの場所に戻りたかった…でも犯罪を犯して戻るわけにはいかないし…ビオスさんと料理をしてた時とか看守さんと見回りした時とか…私達が作った料理を美味しそうに食べてくれる姿とか…すっごく楽しかった。私はあそこで不幸だなんて思った事一度もなかったよ?」
「なら…面会とかで会いに来るとか…」
「それだとみんなには会えないでしょ?」
「それじゃあお前を出した意味ないだろ…」
「あるよ、だって私は一度外の世界を味わって決めたの、それで堂々と働きに行くんだから!」
私の言葉にファイさんが声をかけてきた。
「しかし子供に務まるのか?相手は囚人だぞ…」
「それも大丈夫!だって私の言う事みんな聞いてくれるもん!こんなにピッタリの看守いないと思うよ!」
「た、確かに…みんなミラに服従しそうだ…」
ビオスさんとハーパーが想像して苦笑した。
「ちゃんとイーサン様とゾーイおばあちゃんの屋敷にもお休みの日には戻るよ。お仕事として収容所に行くつもりだから!」
「君はそれがこの功績の願いなのかな?」
オバジ様が再度確認する。
「そうです!本当ならミラージュでもう少し有名になって収容所の権利を買い取ろうかと思ってたけど…こんなチャンス無いからね!」
「しかし子供を働かせるのか…」
「私もうミラージュで働いてますけど」
どうだ!と胸を張る!
「それを保護者のイーサンは納得しているのか?まだ未成年の身なんだ。許可は必要だろう?」
「イーサン様には前にちゃんと相談しました、私の人生だから好きにしていいって…」
まぁ無理しないようにとは言われてるけど…
王子達は納得行かない様子で渋い顔をしている。
しかしオバジ様は笑って口を開いた。
「願いを言えと言ったのはこちらだ、その願いが収容所で働きたいと言うのなら…その願い叶えよう」
やった!
「だが!少しばかり条件がある」
「えっ…」
オバジ様の優しい顔が無くなりこちらをじっと見つめてきた。
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