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条件

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「じょ、条件とは…?」

「シン国は今日より我がリバー国の傘下に入ってもらう。まぁ傘下と言っても立場は対等なものでいい、お互いこんな世の中だ助け合いたい…我が国としても決して裏切らない仲間が欲しいところなんだ」

「そんな事でよろしいのですか?」

ジョウジ陛下が驚いていると…

「あともうひとつ…」

やはりまだ何か…シン国の皆が息を飲みその条件を待っていると…

「シン国の名産品や食べ物を定期的に輸入して欲しい」

「「「えっ?」」」

なんか思っていた物と違った…

「そ、それでよろしいのですか?」

「まぁ細かな内容はおいおい決めたいと思うが…私としては当初の予定通りシン国と友好的な関係を築きたいのだ」

オバジ陛下はニッコリと笑いかけた。

「騙されたとはいえ別にこちらに敵意を向けたわけでもないからな…ただこの協定が納得できないのであれば…」

そう言うと先程の穏やかな顔がみるみると恐ろしい笑顔に変わっていく…

「こちらとしては何も言うことはありません。協定を結んでいただけるのであれは謹んでお受けしたいと思っております」

ジョウジはオバジ陛下の配慮に深く頭を下げた。

「ではそちらも今は大変な時だろうから今回の公約の書面にサインだけしてとりあえず一度国にお帰り下さい。落ち着いたらまた改めて同盟の会食をしましょう…その時は本音で…」

ジョウジ陛下は言葉につまり口を押さえた。

深く息をして落ち着くと…

「寛大なご処置…ありがとうございます…」

ジョウジの言葉に合わせて王妃とケントも一緒に頭を下げた。


それから急ピッチで書面を作りオバジ陛下とジョウジ陛下は二人きりとなりお互い書面にサインをした。

「必ず落ち着きましたらまたお伺いさせていただきます…我らの気持ちはリバー国と共に…」

ジョウジ陛下はオバジ陛下に向かい胸に手を当て膝をつく。

それはオバジ陛下に恭順する意を示した。

「やめてください、我らは同等のつもりです。あの場ではああいうしか無かったので…」

オバジ陛下がすまなそうにすると

「いえ、あれでよかったのです。皆わかってくれます…では申し訳ございませんが一度帰り息子の最後を見届けさせて下さい…」

「それですが…これは息子のファイからの贈り物です…どうかルイ王子に飲ませてあげて下さい」

「これは?」

ジョウジはオバジ陛下から小さい小瓶に入った一口もない琥珀色の液体を渡された。

「料理で使ったオイルにを入れた薬です…大変貴重なものですからここだけの秘密にしていただけると助かります」

「ま、まさか!?」

「いえ!ただのです…」

「そ、そうですね…いやすみませんでした。ありがたくいただきます…」

ジョウジはしっかりとそれを受け取った。


こうして慌ただしくシン国の人達はリバー国から帰って行き。

ミラが起きる頃には全て終わっていた。
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